4月2日、鶴見緑地球技場(大阪府)にて行われた関西セブンズフェスティバル2017・決勝トーナメント。同志社は関学大・天理大を撃破し決勝へ駒を進め、ジャパンセブンズ2017への出場権を獲得した。また、決勝戦では日本代表スコッドに敗れはしたものの、1点差へと詰め寄る大健闘を見た。
春を感じさせてくれる陽射し、しかしまだ風は冷たかった。今年に入って最初のラグビー公式戦が、鶴見緑地球技場で行われた。2年連続で関西制覇へ。ジャパンセブンズでの雪辱を晴らすべく、紺グレは覚悟を決めていた。
まさに大一番の闘いだった。初戦の関学大を下し、迎えるは因縁の相手・天理大との準決勝。勝てばジャパンセブンズへの出場が決定する。天理大はここまで相手を寄せ付けない実力で勝ち上がってきた。前半開始早々ボールを回され続け、天理大に先制点を許す。内田(法3)が自陣深くから大外を回り込み一時同点に追いつくも、セットプレーでのミスから再び勝ち越され、前半を折り返した。やはり見せてくれたのはこの男だった。「」セブンズ日本代表経験を持つ鶴田(法4)が同志社に流れを呼んだ。後半1分、早速ボールを受けた鶴田が大きなスワーブで相手を振り切り、逆転トライ。
しかし鶴田劇場は終わらない。天理大に再び逆転を許し、試合は残り1分に近づいていた。誰もが固唾をのんで見守っていた。この試合の主役はまたしてもサイドラインを駆け上がり、漆黒の壁を振り切った。インゴールへたどり着いた鶴田は満面の笑みを見せた。最後は安田がとどめのトライを決め、26-19で天理大を下した。ジャパンセブンズへの切符を手にした紺グレは、何度も何度もハイタッチを交わしていた。

2日間終始躍動した安田(商3)

2つの逆転トライを決めた鶴田

試合終了後、喜びを表す紺グレ
胸を借りるつもりはなかったのだろう。決勝の相手は日本代表スコッド。東京オリンピック、その先を目指す若手選手で構成されたまさにタレント揃いのチーム。大方の予想では同志社は不利だったのかもしれない。しかし紺グレはその予想を見事に裏切った。フィジカル、スピードでは相手が上だった。松井千士(スポ卒)の兄である、松井謙斗選手に先制トライを許した。6分には再び松井選手に大きなゲインを許したが、内田がインゴール手前ギリギリで追いつき、サポートしていた原田(心理2)が相手にペナルティを誘った。粘り強いディフェンスでスコッドに食らいつき、前半を0-10で折り返す。後半に入ると、ここで覚醒したのが山本翔(スポ3)だ。相手が目の前に立ちはだかった状況でも山本には関係ない。間をするりと抜けると、アングルを変えて走り込んできた山口にタップし、そのままトライ。攻めの姿勢が得点に絡んだ。8点差で迎えた後半ラストプレー。山本が自陣から再び突破し、1点差に詰め寄るトライ。一気に「善戦」へと変えた大きな、大きなトライだった。(●21-22)

終了間際、1点差に詰め寄るトライを決めた山本翔
2年連続で秩父宮への切符を同志社が手に入れた。「まだ100%の力ではない」(髙澤・社4)。ジャパンセブンズではもっと厳しい「14分間」が何度も待っている。昨年は大東大の歓喜の姿をスタンドから見つめていた。今年は必ずあの場所へ紺グレが――。7月2日の東京都港区。男たちは必ずドラマを見せてくれる。(只松 憲)

2大会連続でMVPを獲得した鶴田

ジャパンセブンズへの出場を決めた同志社大学ラグビー部
◇全試合結果
4月1日 VS六甲クラブ ○47-7
VS大阪ガス ○54-12
VS摂南大 ○38-33
4月2日 一回戦VS関学大 ○21-10
準決勝VS天理大 ○26-19
決 勝VS日本代表スコッド ●21-22
~選手コメント~
○江金 駿(経2)
今日1日振り返ってー。
最後の試合バテてしまって抜かれたのが反省点で感想は、今日の試合は接戦だったので楽しかった。
自身の役割である得点を取りきるということに関してー。
それはできたんじゃないかと思う。
ジャパンセブンズに向けてー。
体力をつけてスタートで出ること、14分間走りきれるように頑張ること。
○原田健司
今日1日振り返ってー。
昨日は1日目っていうのがあって体も慣れてなくて、雰囲気に飲まれるとこもあったんだけど今日は二日目で体も動き、負けたら終わりなんで自分が出る時間を悔いなく出し切る気持ちで臨めたので、そこは良かったと思います。
今後の課題点ー。
セブンズだったらセットプレーが大事だけど、今日セットプレーのとこで自分がミスして相手にトライ取られたからそうゆうところをつめていって。
7人制でだいぶ走れるようになってきて多分ディフェンスの部分ですごい楽だから、15人制でもっと喋ってコミュニケーションとって周りを見ることができると思うから、そこを徹底してやっていきたいと思います。
1日目を踏まえて2日目への手応えー。
初日の反省とかで、最後まで諦めずに真ん中にトライさせたらゴールはいるし、その2点がすごい大きいからそこを相手がトライするまで真ん中に入れさせないみたいなっていうのを昨日ずっと言われてたから、それを意識してやった結果いいディフェンスできたし、そういうところが繋がったかなと思います。
○平田洋輔(スポ3)
今日を振り返ってー。
正直なところすこぶる悪かった。いつもできていることが出来なかった。
その中でも良かったところはー。
最後の試合は、監督からも出し切れと言われたので、出し切ることは出来た。
ディフェンスに関して何か意識したことはー。
上がるということは組織として決まっていたので、上がるということと、去年今年とずっとやってきた、ディフェンスを強みにするということを意識してやった。
1日目と2日目の違いはー。
やっぱり2日目の方が相手のレベルが上がったので、こっちのやりたいことが通用しなかった。でも、周りの選手が臨機応変にやってくれたので、自分もできることはやったと思う。
ジャパンセブンズに向けてー。
今回調子が良くなかったので、しっかりタックルに入って自分の良いプレーが出来たら良いと思う。
○朴 成脩(法4)
今日1日を振り返ってー。
全然ダメでした。練習の成果が出せなかった。プレーできなかった人のぶんまでやりたいとおもっていたけど、ふがいない。
ディフェンスで意識したことー。
試合に出れなかった同期2人の分まで体を張ろうと意識しました。
1日目と2日目の違いー。
昨日、2試合目までは上手く勝てていた。3試合目点の取り合いみたいな接戦の試合を勝つことが出来て結束力が強まった。今日の1試合目2試合目どっちも接戦だったけど勝ちきることが出来て決勝まで行くことが出来た。
JAPANセブンズに向けての意気込みー。
優勝
○鶴田 桂樹
今大会の調子はー。
前回大会王者として、万全の状態で挑んだ。チームとしてハードワークができるように。
今大会のハイライトはー。
やっぱり最終戦。みんな、日本代表が相手でもひるむことなく立ち向かっていけた。その中でもトライができたのが良かった。
自身のプレーで今大会良かった点、また課題ー。
自分の強みであるスピードを活かした、思い切りのいいプレーができたのが大会通して良かった点。また、課題としてはチームの課題で、ディフェンス。やっぱり点数を取られすぎたので。ジャパンセブンスまでに個々のディフェンス力を上げていきたい。
天理大戦での逆転となる2トライについてー。
やっぱり日本代表と戦って、勝ってジャパンセブンスに行くっていうのが目標だったので、最上級生として僕がこのチームを引っ張ろうという強い思いが出たからなのかなと思う。
7人制日本代表で学んだことはー。
世界を相手にすると、どうしてもスピードではなくフィジカルの面が必要になってくるのかなと。その面を次にチャレンジする機会がくるまでに強化していきたいと思う。
今大会に向けて取り組んだことはー。
最上級生としてチームの雰囲気を作るために、声かけを絶やさないことと自分のプレーで引っ張ることを意識していた。
MVPの感想ー。
昨年もいただいて、まさか今年もいただけるとは思っていなかったので、毎年同志社の選手がとってくれたらいいなと思っている。
ジャパンセブンスの意気込みー。
去年、ベスト4で負けているので今年はリベンジして優勝したいなと思う。