1月5日から7日にかけて日本製紙アイスアリーナ(北海道)にて行われている、第92回全日本学生氷上選手権大会フィギュア競技。同志社からは7・8級男子に辻村(経2)、時國(商4)、友野(スポ3)、7・8級女子に籠谷(商1)が出場している。大会2日目は男女7・8級のSPが行われた。結果は7・8級男子がSPを終え、それぞれ26位、20位、1位。7・8級女子がSPを終え14位。明日のFSには時國、友野、籠谷が出場する。

演技前の友野
全日本選手権から約2週間、新たなスタートを切った友野の強さを示した。苦手意識のあったSPで、4回転2本を含む高難度ジャンプを全てクリーンに着氷。自身の今季最高点の87.06で首位に立った。
会場中が静かに見守る中、最初のジャンプへ向かった。直前の6分間練習では何度か回転が抜けてしまうこともあった4回転トーループ+3回転トーループ。スピードに乗って勢いよく宙に舞うと、華麗に決めた。続く3回転トーループではステップアウトとなるも、なんとか堪え次のジャンプへと向かう。全日本では回転が抜けてしまった4回転サルコーをクリーンに着氷させ、会場中から大きな歓声が沸き起こった。3回転アクセルも確実に決め、見せ場のステップへとつなげると、独創的な曲を友野らしい緩急のついたキレのあるスケーティングで見事に表現。観客を引き込んでいった。演技後には納得したような表情を見せた。

ステップを披露する
「ミスはあったんですけど、試合でまとまった演技ができたのでよかった」と演技後には語った。ジャンプだけでなくスピンでも全てレベル4を獲得し、全日本選手権からの着実な成長を見せた。だが満足はしていない。「細かい部分はまだまだ」と課題を分析し、さらに磨きをかけていく。明日のフリーでは2年ぶりのインカレ個人優勝にむけ、迫真の演技を披露する。

演技に入る時國
ラストシーズンである時國にとって最後の全日本インカレが始まった。力強い『マラゲーニャ』の音楽にのせ、丁寧でスピード感のあるスケーティングで演技に入っていく。冒頭のコンビネーションジャンプでは3回転フリップを着氷させるも、続く3回転トーループは回転不足となり転倒。2回転アクセル立て直し着氷させるも、最後のジャンプである3回転ルッツでは回転が抜け2回転に。ジャンプでのミスが響き、点数を大幅に失った。しかし、演技の最後までしなやかで伸びのある滑りで観客を魅了。曲のクライマックスのステップでは、途中に音響トラブルに見舞われたが、「ずっと踏んできているステップだったのでどこのポイントを抑えたらレベル取れるとかは、瞬時に判断できてそこからやり直せた」と冷静に対処し演技を終えた。
明日のフリーでは、時國の持ち味である柔らかさや優しさを存分に発揮できる『愛の夢』を披露する。「1つでも順位をあげられるように自分らしくできたら」。スケートへの思いを演技に乗せて、観客の心を震わす演技をみせる。

優しい表情を見せる辻村
7・8級の部でのインカレ初出場となる辻村は、冒頭の3回転トーループ+2回転トーループは着氷させ、上場の滑り出しをみせる。だが、続く3回転サルコーでは回転不足となり転倒、2回転アクセルでも回転が抜けるミスが生じた。「練習でできていても本番でできないと意味がない」と悔しさをにじませた。気持ちの面での課題を挙げ、次戦に向けて成長を誓った。ゆったりとした曲に合わせ、丁寧なスケーティングでしなやかな演技を披露した辻村。次戦の国体では、本来の実力を発揮するべく、気持ちを高め最高の演技を目指す。

演技後の籠谷
インカレ初出場となる籠谷は、堂々とした演技を見せた。「大きなミスなく、西日本選手権よりは思い切った演技ができた」と満足した表情を見せた。冒頭の3回転ルッツ+2回転ループのコンビネーションジャンプの高難度なジャンプを決めると、勢いに乗る。スパイラルからの2アクセルも軽々と華麗に決めた。大幅に変えレベルアップしたというステップは、「年末年始に変えたので、まだちょっとぎこちないかな」と語り、踏みしめるように丁寧に踏んだ。最後のジャンプである、3回転フリップもクリーンに着氷させ演技を終えた。「ノーミスの演技を披露できたら」。明日のFSでの演技に期待がかかる。

演技中の応援の様子
チーム関係なしに声援が飛び交う全日本インカレ。明日のFSでは、暖かい雰囲気の中でそれぞれの選手が素晴らしい演技を披露する。(由良恭子)