11月27日から29日にかけて、東和薬品RACTABドーム(大阪府)にてグランプリ(GP)シリーズ最終戦・2020NHK杯が行われている。同志社からは、男子シングルに友野(スポ4)が出場し、SPの演技をまとめ2位につけた。
約11ヶ月ぶりの有観客での試合。観客のいる緊張感を楽しみながらの演技だった。表現力を武器に、観客を友野が作り出す世界観へと引き込んだ。

新たな衣装で臨んだ
黒の衣装に身を包み、心機一転で3年ぶりのNHK杯に臨んだ。緊張感の漂うなか、冒頭の4回転トーループへ向かう。スピードに乗って勢いよく飛んだものの、着氷でバランスを崩しステップアウトに。それでも意地を見せ、セカンドジャンプに2回転トーループをつけた。「ミスしても立て直す練習をしてきた」と練習の成果を試合で見せた。続く4回転サルコーではミスを引きずることなく、高さのあるジャンプで魅せ、後半へと勢いをつけた。スピンやステップでも高い評価を獲得し、落ち着いた演技とキレのあるダンスで観客の心を掴んだ。
SP最後のジャンプである3回転アクセルも華麗に決め、後半のステップでも集中力を切らすことなく、丁寧な滑りでレベル4を獲得。演技全体をまとめ、83.27点をマークした。

ステップで笑顔を見せる
「久しぶりにお客さんの前で演技をすることは、とても幸せなことだと思いました。終わってからの拍手が嬉しかったです」と試合後に笑顔で語った。人前で演技をする楽しさや緊張感を味わいながら、自身の力を発揮する事ができた。ステップでは柔らかな表情を見せ、友野らしい演技を大勢の観客の前で披露した。
明日は、今シーズン課題にしていたフリーが控えている。「昨シーズンに比べて完成度を上げることを意識して、たくさん練習してきた。強い気持ちを持ってフリーに挑みたい」。西日本選手権の雪辱を果たすべく、気持ちを引き締めた。情熱的な音楽とともに、観客の心に響く演技を届ける。逆転優勝に向けて、勢いこのままに挑む。(由良恭子)
☆インタビュー抜粋
最初少しタイミングがズレてしまったんですけど、後は練習通りに演技をすることができてよかった。
――最初の4回転でコンビネーションを立て直したように見えましたが、ご自身での評価は
あの場面もしっかり、練習通りできたかなと思います。ミスしても立て直す練習をしてきたので、練習でやってきたことができてよかったかなと思います。
――ジャンプの他にステップなどの表現力の面での評価は
スピードが少しなかったかなと思うんですけど、比較的思い切って演技ができたのかなと思います。
――得点についてはご自身の評価は
少し自分が思っていたよりかは低かった。下(演技構成点)の点数が少し伸びてなくて、それは明日に繋げていきたい。明日はもっと思い切って演技ができたらと思います。
――今日のSPで感じた課題
トーループがもう少し思い切って行ければよかったかなと思います。
――明日のフリーに向けての意気込み
練習していたことをしっかり出せるように、自信を持って挑みたい。
――西日本選手権までは、SPでよかった分FSで気負ってしまったと言われていましたが
変わらずSPとFSを揃えることが自分の中での課題なので、そこができるようにFSもたくさん練習してきた。1回1回集中することが大切だなと思います。
――今日の会場の雰囲気はどのように感じられましたか
久しぶりにお客さんの前で演技をするというのは、とても幸せなことだと思いました。終わってからの拍手が嬉しかったです。
――演技が終わった後には、多くの方が立って拍手を送られていましたが
これが試合だなと感じました。久しぶりにこの緊張感の中で試合ができて良かったなと思いました。終わった瞬間、昨シーズンの試合を色々と思い出したというか、久しぶりに沢山の人の前で演技ができて良かったなと思います。
――FSのポイントは
昨シーズンに比べて完成度を上げることを意識して、たくさん練習してきた。あとは、表現でしっかり自分らしい演技をできたらいいなと思います。強い気持ちを持ってフリーに挑みたいと思います。
――SPの衣装変更について
前の衣装から新しいものに変えた。衣装を変えることで気持ちやイメージを変えたいのと、より力強さが出るように、色を黒っぽくしました。