中村選手、船越選手の写真は昨年度関西フリー大会のもの、籠谷選手の写真は今年度西日本選手権のものを使用しております。ご了承ください。
11月21日、22日に臨海スポーツセンター (大阪府)にて行われた第69回関西学生氷上競技選手権大会フィギュア競技。 同志社からは計13名が出場した。1日目に行われたB級2部女子では中村(文4)が8位となり、A級2部女子では船越(理工4)が3位となった。また、2日目のA級1部女子では藤(社2)が7位。そして、籠谷(商2)が優勝し、昨年に続き連覇を果たした。
例年は多くの選手が集結し、激しい戦いを繰り広げ盛り上がりを見せる今大会だが、今年はコロナウイルス感染拡大の状況に鑑み、無観客で行われた。

今年度西日本選手権での籠谷
昨年この大会で優勝した籠谷であるが、現状に満足することなく今大会ではさらに難易度の高い構成に挑んだ。冒頭のコンビネーションジャンプを3回転ルッツ+3回転トーループにする構成について「今年度初めてだったので不安がありました」と語ったものの、大きなミスなく可憐な演技で全体をまとめあげた。今後の目標は、「インカレで今シーズンの自己ベストを出すこと」。目標達成のために今後はスピンの精度に磨きをかける。この先の籠谷の更なる飛躍に期待したい。

昨年度関西フリー大会での中村
3,4級クラスでの出場が初めてとなる中村は勢いのある演技を披露した。
「周りのレベルが高かったので、逆に思いきりいこうと思えたのが良かった」。3,4級クラスに準3級として出場した今大会。プログラムの序盤は緊張感があったものの、徐々に体が大きく動き、体を目一杯使った元気のある演技で存在感をアピールした。結果として準3級の中では1位となった。

昨年度関西フリーでの船越
船越は今回の演技で2つののダブルアクセルを構成に組み込んだ。練習では「決めるのが当たり前だぞ」と自らにプレッシャーをかけた。まだまだジャンプに課題が残るというものの、転倒することなく、キレのあるダイナミックな演技で観る者を魅了した。「一緒に頑張ってきたみんな、特に同期に喜んでもらえるような完全パーフェクトな演技」を目標に、ラストイヤーを駆け抜ける。
近畿選手権でアクシデントに見舞われた藤は、前回大会後二週間の休養をとり、本格的に練習を再開させたのは今大会の二週間前。しかし、勢いのある滑り出しから伸びやかな演技を披露した。今後の課題は「最近忘れかけていた攻めの気持ちを取り戻すこと」。万全な調子で目標の「日本選手権出場」を決める姿を心待ちにする。(清水葉月)
☆インタビュー
籠谷
ーー今回の演技を振り返って
冒頭のコンビネーションジャンプを3+3にする構成は今年度初めてだったので不安がありましたが、大きなミスなく終えることができて良かったと思います。
ーー前回大会の西日本選手権では悔しい気持ちがあったと思うが、今回大会に向けてどのような練習を積んだか
スケーティングスキルの点数を上げる為に、基礎のスケーティングの練習を沢山していました。
ーー今大会で得た手応え、課題点今回は、3+3のコンビネーションジャンプを最初に入れていて、いつもより難易度を上げた構成にしていました。
コンビネーションジャンプは回転不足がありましたが、マイナス点を抑えることができたので良かったと思います。
課題点は、スピンで加点をプラス3以上貰えるように、回転速度を速くして、ポジションを綺麗に取れるようにしていきたいです。
ーー今後の目標
インカレで今シーズンの自己ベストを出すこと。
セカンドのトリプルループを跳べるようにすることが目標です。
中村
ーー3.4級での出場でしたが、今日の演技を振り返って
普段の練習よりもまとまった演技ができたので、本番強さが出せた演技だったと思います。初の3,4級クラスでの出場でとても緊張していて、プログラムの最初は体が固まってしまっていたが滑っているうちに徐々に大きく動けるようになりました。3,4級クラスに準3級(正規の3級ではなく、テストに課題残しで合格して試合に出るので3級よりもレベルが少し下がります)として出場して、周りのレベルがとても高かったので、逆に思いっきり行こう!と思えたのが良かったです。
ーースピンで意識していたこと
スピンはとにかく回数を回ること、落ち着いて入ることです。プログラムの中でスピンが占める点数はとても大きいので、絶対に取りこぼしてはならないと考えていました。結果、スピンコンビネーションはV(回転不足)が付いてしまいましたが、他の2つのスピンはしっかりと点数が付いたのでまずまずの出来だったと思います。次の試合ではスピンコンビネーションを絶対に決めようと思っています。
ーー今大会で得た手応え、課題点
今大会は8位で終えることができ、準3級組の中では1位を取ることができました。自分が予想していたよりも良い順位を取ることができて、努力の成果を感じています。パフォーマンス点と曲の解釈点が特に高く付いていたので、「見ている人も楽しくなるような演技をしたい」と思いながらジャッジアピールをしたのが良い点へと繋がったのではないかと思っています。課題点としては、エレメンツの細かなミスとスケーティングです。力を入れて練習していたアクセルが、GOEマイナスになってしまったり、フリップのエッジミスがあったりしたのでその部分を詰めていきたいと思っています。また、スケーティング点を3点台に乗せないともっと上を目指せないなと、上の順位の選手のプロトコルを見ていて感じました。(今は最高でも2.75です)今の技術に満足せず、細かなところまで意識して練習を続ける事が大切だと考えています。
ーーラストイヤーでの今後の目標
自分の納得する引退をすること。そして、後輩のモチベーションになるような選手で居ることです。今年8月に、4年間の目標としていた準3級を取得し、西インカレへの出場を決めました。しかし、大会は中止になってしまい憧れの西インカレは叶いませんでした。今は、4年間続けてきたスケートの集大成を自分の納得する形で終えることに焦点を当てています。今使用しているDon't stop me nowは、高校生の頃強く憧れていた町田樹選手のプログラムを元にしたもので、私がスケートを始めたきっかけでもあります。
スケートを通して得た多くの経験や、友人との出会いの感謝をこのプログラムに詰めて、自分の納得する形でスケート競技を終えたいと思っています。
また、最後の最後まで細かな努力を重ね準3級クラスで切磋琢磨する姿を後輩たちにも見せて、自分も3級を取って上のクラスで戦いたい!と思わせるような選手でいたいと思っています。
私自身は、たいした選手ではありません。でも、自分にしかない魅力があると信じて最後までスケートと向き合っていこうと思います。
船越
ーー演技を振り返って
細かい課題は多いけど、転倒がなかったということにほっとしました。
ーー今日の演技のために練習で意識していたこと
プログラムで2Aを2つ決めること。練習では毎回自分に「決めるのが当たり前だぞ」っていうプレッシャーをかけてました。
ーー今大会で得た手応え、今後の課題点
久しぶりの試合で、無観客だったとしても、ジャッジや生配信で見てくれてる仲間を楽しませる!って気持ちで演技できました。あと、ジャンプやスピン前は落ち着いてました。課題は、ジャンプの回転不足や、着氷の乱れといった出来栄え点でのマイナスが多いことです。これを全部プラスにしたいです。
ーーラストイヤーでの今後の目標
一緒に頑張ってきたみんな、特に同期に喜んでもらえるような完全パーフェクトな演技
藤
ーー今回の演技を振り返って
いつでも全力で演技はしているのですが、今回は最悪だったと思います。しかし自分が思っていた成績より良いジャッジを頂き、今まで練習してきた自分をもっと信じようと思うことができました
ーー近畿選手権ではアクシデントがあり本調子ではなかったかと思うが、今大会にむけての調子はどうだったか
徐々に調子は戻ってきてはいたのですが、大会までに間に合わせることができませんでした。やはり、日頃の積み重ねが大事だと改めて感じました。
ーー前回大会のアクシデントは練習には影響はなかったか
もちろん影響はありました。アクシデント後、2週間は安静にと言われていたので。復帰後は、スケーティングから始め、ジャンプもダブルまで、スピンはなしという練習で、トリプルやスピンを練習し始めたのは大会2週間前からでした。
ーー今大会で得た手応え、課題点
エレメンツで失敗しても諦めず自分で納得のいく演技をすれば必ず伝わるものがあると思いました。課題点は、最近忘れかけていた攻めの気持ちを取り戻すことです。
ーー今後の目標
もちろん全日本選手権出場!!
行けるようにがんばるではなく、必ず行きます!!そして、それまでにある大会一つ一つを大切に、人の心に残る演技をしたいと思っています。