6月30日から7月1日にかけて三木ホースランドパーク(兵庫県)にて行われた関西学生賞典総合馬術大会。同志社からは縄田(スポ4)、杉本(商4)、中村(商3)、田中蒼(商2)の4名が出場。縄田が個人優勝を果たした他、団体3位となり、団体での全日学出場も決めた。
初日の馬場馬術競技から大会の幕が開いた。特に時間を割いて練習したこの競技。春学でも馬場馬術で結果を残した縄田は、今大会でも抜群の安定感を見せた。春学より得点率を2%以上も上げ、見事1位。初優勝へ向け好スタートを切った。

馬場馬術競技1位の縄田・ジャック・スパロウ
続いて行われた障害馬術競技。波に乗りたい縄田は安定した走行で満点走行を果たし1位をキープした。ここで追い上げたい中村は惜しくも最終ラインで2つの落下となり減点8でゴール。田中蒼は反抗やタイム減点も重なり減点20でゴールした。障害競技で躍動したのは馬場馬術で出遅れた杉本だった。「障害は本業なので心配はなかった」と軽々と障害を飛び越え、減点0でフィニッシュした。全出場選手の中で満点走行は縄田、杉本の両者のみと、4年生が好調ぶりをアピールした。

障害を飛び越える中村・エキゾーストノート

障害馬術競技1位の杉本・ミキノティータイム
2日目のクロスカントリーは昨年と大きくコースが変更された。練習環境が少ない中、合宿を重ねて臨んだ今大会。前日も何度もコースを確認し本番に備えた。
同志社の先陣を切ったのは暫定1位の縄田。一昨年、昨年と規定タイムでのゴールができていなかったが、今年は違った。1つ1つの障害を丁寧に飛び越えながら、徐々に勢いに乗っていく。水濠障害も難なくクリアするとそのままゴールまで駆け上がった。タイムは5分02秒と規定タイムを悠々とクリアし、減点0でゴール。この時点で個人での優勝を確実なものとした。「後ろに安心感を与えたかった」と挑んだ走行はまさに圧巻だった。

縄田は安定した走行でクロスカントリーを終えた
中村は最初にいかにリズムを作るかを意識した。今までも総合競技に挑んでいた経験値のあるエキゾーストノートとともに、障害を越え、納得のペースで森の中へと進んだ。しかし第9障害の途中で前の選手の落馬により競技が一時中断。中村もその場で止められるアクシデントに見舞われた。その後試合が再開したが、リスクを回避し遠回りの障害で挑んだこともあり、規定タイムには届かなかった。思わぬアクシデントを「逆にいい経験」と振り返った中村。最終成績は10位だったが、全日学に期待が持てる内容となった。

丸太を飛び越える中村・エキゾーストノート
田中蒼・ルールプロスパーは人馬ともにクロスカントリー初挑戦。「例年より難しくないと聞いたのでチャンスだと思った」と完走を目標に挑んだ。慣れない走行に戸惑う部分もあったが、本番になると人馬ともにカバーしあい、ゴールまでたどり着いた。昨年完走できなかった杉本・ミキノティータイムも、途中何度か反抗があったものの、最後まで走りきった。成績は振るわなかったものの、団体としての権利を獲得し、4人全員が全日本学生への切符を獲得した。

人馬ともにクロスカントリー初挑戦の田中蒼・ルールプロスパー

坂を駆け上がる杉本・ミキノティータイム
「ここまで長かった」(縄田)。2年時から総合競技に挑戦してきた縄田。8位、5位と毎年順位を上げ、ついに悲願の初優勝を果たした。「優勝は嬉しいが、ここが目標ではない」。主将は昨秋のリベンジに燃えている。昨年10位に終わった全日学の舞台。個人でも団体でも頂点を目指す。今年は関西勢には馴染みのない山梨での開催となる。「フィールドが変わる中での対応も必要」(中村)。縄田以外は総合競技の経験がまだまだ浅い中、残された期間で人馬ともにレベルアップを図る。

表彰台で笑顔を見せる縄田
「同志社は障害競技だけじゃないというのを見せたい」(縄田)。本命の障害競技に加え、目指す称号は2つになった。来週には昨年3連覇を逃した夏学が控えている。全日学に向けて何としても王座を奪還したいところだ。右肩上がりに成長する彼らの勢いはとどまるところを知らない。(前淵文蕗)
1位 縄田(スポ4)・ジャック・スパロウ 総減点36.0
10位 中村(商3)・エキゾーストノート 総減点55.6
16位 杉本(商4)・ミキノティータイム 総減点115.5
17位 田中蒼(商2)・ルールプロスパー 総減点116.8