11月9日、EXPO FLASH FIELD(大阪府)で行われた2019関西学生アメリカンフットボールリーグDiv.1最終節。同志社は龍谷大と対戦し、15-13で今季初勝利を収めた。

試合前の様子
好守備が光った。相手の第1シリーズで自陣深くまで攻められたがギャンブルを守り切り無得点に抑える。すると第1Q中盤、相手パントの場面でスナップミスが発生。すぐさまパンターをタックルしボールデッド。2点を先取した。その後も相手オフェンスに攻撃権を更新させない守りでゲームを支配した。第2Qには、フィールド中央からの攻撃でゴール前まで前進。LB笹尾(商4)が冷静にFGを決め、点差をさらに広げ前半を終えた。

2度のQBサックで活躍したDL小林(商3)

セーフティの判定に喜ぶ守備陣
後半では互いに攻めきれない展開が続く。それでも第3Q終盤、敵陣30㍎からの攻撃でQB南竹(心理4)からWR大山(スポ2)へのパスでゴール前へ。その後、再び南竹が大山へパスをヒットさせると、大山が相手タックラーを引きずりながらエンドゾーンを割る。今試合両チーム合わせて初めてのタッチダウンを挙げた。

パスの構えを見せる南竹

エンドゾーンへ駆ける大山
だが次第に流れが龍谷大に傾き始める。第4Qにパスオフェンスを展開され2本のタッチダウンを奪われる。試合時間が残り少ない状況で逆転され、雰囲気は最悪だった。それでも勝利を信じ攻撃チームはグラウンドへ向かう。1分を切った勝負のドライブが始まった。南竹がWR丹澤(商2)、大山へのパスを次々に成功させ、ボールを前へと動かす。敵陣に侵入後は苦しむ展開となったが、第3ダウンで際どいパスを丹澤が見事キャッチ。攻撃権を更新し、敵陣26㍎に迫った。

勝利を信じ、祈る堀部(心理2)らマネージャーたち
まずボールをスパイクすると、残る試合時間は10秒を切っていた。フィールドには今日FGを決めた主将の姿があった。「緊張はまったくなかった」(笹尾)。これまで蹴ったことのない距離だったが、蹴り上げたボールはきれいなアーチを描きゴールを越えた。再逆転に成功。同志社ベンチは歓喜に沸いた。続く相手のリターンをしっかりと止め、試合終了。待ちわびた1勝を手にした。「うれしいです」(笹尾)と頬を緩めた。

FGを蹴る笹尾

逆転し歓喜に沸く同志社

試合後、笑顔を見せる笹尾
だが、戦いはまだ終わらない。続けて行われた近大と関大の試合で近大が敗れたため、順位を決める抽選が行われた。緊迫した時間が続き、部屋から出てきた笹尾が一言。「もう1試合やるぞ!」。7位が確定し、結果を待っていた部員たちは苦笑いを浮かべながら会場を後にした。

7位を引き当ててしまった笹尾(右)
逆転の連続だったシーソーゲームを制し、待望の白星をつかんだ。しかし、運は味方せず。12月14日に行われる入れ替え戦への出場が決まった。決戦まではおよそ1カ月。1部残留を果たすべく、笹尾組の最後の戦いが幕を開ける。
【文責・上野孝輔、撮影・内藤界、中島右京、松村学】