今年は14人と、多くの1年生が入部した同志社合気道部。大学からの初心者が大半を占める中、頼もしい経験者も2人入部した。今日はそのうちの1人、水口木綿花を紹介しよう。156㎝と子柄な体格の彼女。大学3年生の自分より一回り大きな男性部員を前にしても物怖じしない。洗練された技を繰り出し、いとも簡単に投げ飛ばす姿が印象的だったーー。

水口(下段中央)は最高の仲間と語る
そんな水口の合気道との出会いは中学3年生の冬。幼い頃から活発だった彼女は新体操やプールと運動漬けの日々を送っていたが、同志社女子中学校への受験を機に運動から遠ざかる。しかし「ウズウズした」とアクティブな彼女はその環境に我慢出来なかった。そこで、興味を持っていた武道を始めることを決意。空手や剣道などをやる上での怪我を心配した母親の勧めもあり合気道を始めた。高校進学後も合気道を続けた彼女。同志社女子中学校、高校とエスカレーター進学し、大学では「やる気はなかった」と話す。しかし「見学だけでも」とのぞいた道場には4年間続けてきた合気道とは全く違った光景が広がっていた。今までは年配相手に稽古をつけてもらっていたが、そこには互いに切磋琢磨し合う同じ年代の学生。やらずにはいられなかったーー。すぐに入部を決意した水口。大学での合気道生活をスタートさせた。

先輩部員を投げ飛ばす水口
大学入学から2ヶ月。入部前に抱いた感情に間違いはなかった。初心者から始め、僅か3年で自分よりはるかに上手い合気道をとる先輩。部ノートをいち早く作り、人知れずコツコツ稽古に励む同期。「初心者、経験者関係なくみんなでうまくなりたい。でも絶対に負けたくない」。仲間でありライバルでもある他部員と刺激し合う環境にいることを幸せに感じている。

真剣な眼差しで先輩の教えを受ける新入部員
最後に、合気道の魅力について教えてくれた。1つは「自分のスタイルが確立できる」ということ。身長が高い人、体が大きい人、手が長い人や足が長い人。同じ人間はいない。それぞれの特徴にあった合気道があり、それを探求することが楽しいそうだ。2つ目は「受け手と取り手が気を合わせて、初めていい演舞ができる」。合気道の名前の所以は気を合わせること。個の実力は勿論、相手のことも考えなければならない。2人の息があった時、なんとも言えない感覚になる瞬間がたまらないという。改めて合気道の魅力にとりつかれた水口。これから3年間、仲間と共に、初心を忘れず突き進んでほしい。(平野裕貴)
○プロフィール
水口木綿花(みずぐちゆうか)
生命医科学部
156㌢
同志社女子高校