スローガン“BREAK”について__。
山田 「関東勢に惜しいというところまでは来てるけど、まだそこをぶち破れてていないことがあったので、そこをしっかりぶち破ろうということで、僕はそう捉えていますね。」
秦「去年は覚悟というスローガンの元でいろいろやってきたんですけど、最後はベスト4にも上がれなくて日本一になれなかったので、そこには何かがあると思う。甘さであったり、突きつめれてなかった部分を打開するという意味もあると。ただ単純に突破するというよりも今までやって足りなかったものを補っていって突破するというイメージですね。」
山田 「僕自身はラグビーがそんなにうまくないんで、声とか背中でチームを引っ張ていきたいと思う。やっぱり今年のチームは(サイズが)大きくないんでフィットネスとか、先にこっちから仕掛けるようにしていきたい。」
秦 「山田がキャプテンとしてチームを引っ張てくれているので、僕はどっちかっていうと後ろから見てチームが山田にコミットできるような環境づくりをやっていきたいと思っていて、できないかもしれないけど今はそこを目指してて。」
下級生の反応は__。
秦 「そんな良くないよね(笑)。」
山田 「俺らが引っ張ろうて思ってて、何人かはリアクションしてくれてるけど、まだ1つにはなれてないかと…。こっから一丸となって。」
秦 「特に1年生はこの時期の過ごし方はわかっていないじゃないですか、できない理由として、やってないか、わからないかの2つだと思う。1年生に関してはわからないっていうのが大きいかな。だからこそ僕たちがそこを行動で示さないけんかと思うので、それを含めてしっかり引っ張っていかんといけんね。」
去年の最終戦(vs大東文化大31-33敗北)、才田前主将(社4)は「この2点差の意味を後輩たちに考えて欲しい」と話していた。現在のメンタル面での変化は__。
山田 「2点差というか、あの点差はすごく遠いなって感じた、でも今年は自発的なプレーや声を出してくれるやつが多くて、今年は今年のチームカラーで戦っていければ勝てるかと。勝てるってまだまだ甘いけどそれを磨いていけば絶対去年よりはいけると思うので、そこを突き詰めていきたい。」
秦 「その通りだと思います。けど才田さんの言ってくれた2点差ってのは正直まだわかんないんけど…。」
山田 「甘さはあったと思うで、若干。」
秦 「若干の甘さっていうか、まあかなりヤバかったよね。」
山田 「なんだかんだ言って、甘かったんでそこを厳しく。」
秦 「やってみないとわかんないけどね。そこは甘さだったのか、他に要因があったのか、僕らまだわかんないんで。でもまずは目の前の課題をクリアしていこうという段階で今は精いっぱいかな。」
去年は3年生が半分レギュラーを占めていた。先ほどチームカラーという言葉が出てきたが今年の特徴は__。
秦 「まず勝ちたいって思ってるやつは確実に多いよな。かなり我が強い選手が多いので(笑)。それは良い意味で、確実に勝ちたいという目標に向かっての個性であって、そこはすごく良いところなんだけど…。」
山田 「それをまとめられたら絶対良いんやけど、それがバラバラになると…。」
秦 「バラバラになる時は多々あるけど。」
山田 「バラバラになるとチームの方向的によくないので。僕らの代は1年生からから試合に出ていたということもあって、その分経験が豊富なんで、チームを引っ張って後輩をついてこさせて。後輩もこんなに上の先輩がやってるなら、と思ったら絶対ついてきてくれると思うからしっかりそこは僕らが手抜かずに引っ張っていきたい。」
秦 「でも1、2年生もあれやね、結構やる気あるやつはやる気あやるよね。」
山田 「差を埋めたいよな。」
秦 「自分たちと同じ熱量のところまで下級生を持ってきたいし、もちろん自分たちより勝ちたいという情熱がある下級生もいるとは思うけど、まだそれを平均したレベルが低いってのはあるかな。そこを高めていける4年生でありたいかなって思う。」
山田 「みんないろんな考えを持っていて、自分の考えが強いから、ああした方がいい、こうした方がいいっていう考えが多すぎて逆にまとまらないっていうところがあるかも。そこをまとめるとチームは良くなると思う。」
天性のリーダー気質を備える山田主将
お互いをどう思っている__。
山田 「(秦について)まぁ見ての通りただのイケメンっすね。(笑)」
秦 「お前そんなこと今まで一言も言うたことないやんけ(笑)」
山田 「ただ中身はブスっすね、めちゃくちゃテキトーなんで。」
秦「(山田について)じゃあ逆で、見た目はめちゃくちゃブサイクやけど、性格はめちゃくちゃいいやつです。」
これは載せても大丈夫ですか?
山田秦 「ぜんっぜん大丈夫です!」
秦 「これは言っていいのかわからないけど、去年の大東戦で負けて1番泣いてたんは山田なんで。誰よりも何倍もチームをなんとかしたい、勝ちたせたいと思ってるんで、そういうところはリーダーとしていいところだと思う。」
山田 「正直ラグビーは気持ちの部分が大切だと思っていて、でもやっぱり戦術の面も大切だから、そこで秦がいてくれるといろんな考えを出してくれるし。秦だけでなく松井(スポ3)や大越(商3)、永富(スポ3)や崎口(経3)、色んな人に自分はそういう部分で助けてもらっているんで、副キャプテンがいてくれると心強いかな。」
秦 「僕らの思う通りに動いてくれるんで操りやすいっすね(笑)。」
広い視野と堅実なプレーでチームを支える秦副将
今年の注目株は__。
秦 「阿部ちゃん!(亮介・心理2)」
山田 「阿部ちゃんいいね!テッパンでゆうと丸(丸山尚城・商2)とかもいいな。あと、今年はなんだかんだゆうて平田(洋輔・スポ1)くるで。」
秦 「平田は確実にくる。あと、センターの安藤航平(生命1)もいいと思う。」
山田 「センターいいの多いね。でもやっぱり飛び抜けて阿部ちゃんがいいね。顔面バリだるそうやけど、キレッキレ。」
秦 「やっぱ阿部ちゃんはラグビー的なセンスがすごいね。」
最後に、勝つために必要なことは__。
山田 「今年は走る。とにかく走る。走り勝つことしかないな。」
秦 「何に関しても自分の100%を出すことかな。去年は結局100%かって聞かれたらそうではなかったし、そこは出し切るってことかな。」
山田「目標は大学選手権優勝ってのはあるけど、今のままでは絶対勝てないんで、しっかりここから厳しくチームを引っ張って、最後はみんなで笑って終われるようにしたい。」
秦「全体の目標としては山田の言った通りで、春の目標は、明治に、圧倒して、勝つこと。」
寮の一室で取材を行った約30分間、熱いハートを持った新リーダーたちがその目を輝かせていた。そこで語られたのは、理想の未来、そして現在。今年、ラグビー部が掲げたスローガン”BREAK”とは、一体何を突破していくのだろうか。明確なチーム像を示していくことが、先頭に立つ人間の大義。漠然と立ちはだかる”何か”を突破した時、紺グレ軍団は日本一の輝きを放つだろう。同志社ラグビーの歴史を塗り替える挑戦が、いま幕を開ける。(聞き手 小林洋貴)
○プロフィール
山田有樹(社会学部3年/180㌢94㌔/常翔学園高校)
高校時代は主将として全国制覇。頂点まで導くノウハウを知る男は、日本中の大学ではこの主将だけである。大学では1年生からレギュラーの座を守り続け、公式戦のグラウンドに立った時間は単純計算で約40時間(年間10試合を3年、試合は80分)。この膨大な経験値は同志社の第106代主将を務める所以である。「ラグビーは気持ちが大切」と語る新主将は”熱いハート”でチームを率いる。
秦啓祐(心理学部3年/182㌢97㌔/小倉高校)
昨年からレギュラーに定着し、リーダーシップを常にグラウンド上で発揮。アタック、ディフェンスともに安定感があり、No.8(スクラムの最後尾に位置する、いわばFWのまとめ役のポジション)という大役を務めあげた。来シーズンはさらに中軸の選手として活躍が期待される。「チームを全体的にまとめていきたい」と話すように、プレーヤーとしての熱い部分だけでなく、戦術面でもリーダーシップを見せる。