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ヒューマンヒストリー : 陸上競技部
ヒューマンストーリー 久保貴沙羅「二足のわらじで」

久保貴沙羅は笑顔で話し始めた。「やりたいことはなんでもチャレンジしたい!」同女大に入学してから早3年、競技は始めてまだ3年。小学校から高校まではピアノ一本だったが、今はピアノと陸上競技の二足のわらじで日々を過ごす。運動未経験の彼女が、短距離選手として走り始めるまでの道のりを話してくれた。


小学生からピアノを始め、コンクールなどに積極的に参加していた。その反面、体を動かすのも大好きで活発な女の子だった。運動会の徒競走が毎年楽しみで「もっと速く走れるようになりたい」と小学校高学年から陸上部への憧れを抱き始める。

中学に入学した久保は悩みに悩んだ。「音楽も続けたいし、運動も始めたい」。とにかく沢山の部活動の見学をしたが、選んだのは吹奏楽部。優秀な顧問の先生に音楽経験を買われ、フルートを手にする。また吹奏楽部とは別に、個人的にオーケストラとのピアノ共演も果たす。中学では、運動ではなく音楽に身を捧げた。

3年が経ち、久保は高松第一高校に進学。学力と部活動のどちらも優秀な文武両道の公立高校だ。普通科に併せて音楽科も擁し、久保はその中の「ピアノ専攻」で学び始める。「今度こそスポーツを」と考えたが、ピアノ専攻は部活動の入部が認められていなかった。県内屈指の陸上部が全校集会で表彰される姿を、ただただ眺めるほかなかった。

転機は高校3年の進路選択で訪れる。音楽科が設置された大学を受験し大阪音大と同女大に見事合格するも、どちらにするか悩みに悩んだ。「周りはみんな、大阪音大を薦めた」。それもそのはず。大阪音大には特待生で合格し、授業料の一部免除や上位クラスでの入学が認められた。ピアノを続けるには、完璧な環境が整っていた。それでも久保は、積年の思いを払いのけることができなかった。「やっぱり、どうしてもスポーツがしたい。陸上競技を始めたい」。吹奏楽部での活動は有意義だったが、「陸上競技をしなかった後悔」が常にまとわりついていた。大阪音大では音楽一筋の生活になるため、スポーツに取り組むのは難しい。ましてや久保はスポーツ未経験だ。夢を叶えるために親や周りを懸命に説得し同女大に入学。陸上競技者としての道を走り始めた。


自分で選んだ道とはいえ、つらいと感じる日は少なくない。毎日2.3時間、部活動で運動を続けた経験がなく「練習が本当にハードだと感じる」。高校時代、インターハイや国体を経験した同期と、見ているだけだった自分。知識も体力も足りない事ばかりだ。

生活面でもピアノとの両立に悩む。「ピアノをやめたわけじゃない。趣味程度に留めるつもりもない」。音楽学科でピアノの活動も精力的に続け、コンクールでの入賞を目指す。だが陸上の競技会前はピアノどころではなくなり、反対にピアノのコンクール前はグラウンドに行けない日も多々ある。「夜中にピアノを弾いて、何度も苦情を受けた」。二足のわらじを履く生活に悩みは尽きない。「大変だね」と労われることはあるが、陸上とピアノの両方をしている人はいない。「片方のことは相談できても、両方聞いてくれる人はいない」。好きなことができる反面、苦しさを覚えるジレンマに陥ることがある。


練習後に、自身の生い立ちをお話してくれた。


それでも「陸上部のみんなが師匠です。本当に尊敬している」と置かれた環境に感謝している。豊富な知識でサポートしてくれるし、毎日練習を怠らない。その上大学から始めた自分を受け入れてくれる。つらいことも多いが、念願だった陸上ができるのは幸せで充実した日々だと話す。

 高校からの友人も、懸命な姿にエールを送っている。「自分を持っている。ピアノも、忙しさを感じさせない演奏を毎回してくれる」。昔から何事にも努力を惜しまない。その姿勢に、見ているだけで「自分も頑張ろうと言う気持ち」をもらえるという。元気でひたむきな久保に、周りからの応援は尽きない。


「今までは結果ばかり見ていたけど、陸上を始めてからは過程も大事だと気づいた」。各々が個室で練習するピアノに対し、陸上競技はグラウンドで大人数が一堂に会する。「みんなが頑張る姿を毎日見られる。だから自分も頑張らなきゃいけないと思える」。真新しい環境に身を置き3年目、少しずつ考え方も変わってきた。

部員が100人いれば、100通りのスタイルがある。インカレ出場選手と久保とでは、記録も違えば求められる練習もそれぞれ違う。それぞれの進むべき道に違いはあるが、前進するする姿勢に変わりはない。久保には久保の二刀流としての道がある。彼女以上に好記録を残す選手はたくさんいるが、彼女にとっては記録だけが命ではない。「両方手を抜くことなく、もっといい成績を納められるよう頑張りたい」。競技とピアノの両立はほぼ前例なしと言って良い。未開の道を歩んでいく彼女の足は、これからも止まることはない。(高里陽太)





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