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ヒューマンヒストリー : 居合道部
ヒューマンヒストリー 足立圭「強さを求めて」

武道を志して3年目、居合道部57代副将の足立圭は落ち着いた口調で生い立ちを語り始めた。「強さ」と「自信」を追求してきた20年。異色の経歴を持つ武道家は、何度も苦しみを超えた経験と強い意志を胸に日々稽古に向き合っていた。


演武を披露する足立圭(経3)


内気な足立少年は、漫画や小説を書いたり、歴史の本を漁る日々を過ごしていた。ところが中学に入学すると自分の弱さを痛感したと言う。力の強い子と衝突した時に「ボコボコにされてしまった」。物理的強さを求めた足立はレスリング部に入部。「内気で自信のない自分を変えたい」と13歳で大きな決断をした。

主将を務めた中学3年時に足立を悲劇が襲う。右手首に大怪我を負い、手術を余儀なくされた。骨移植も検討されるほどだったが、成長期への影響も考慮しボルトを埋め込むことに。夢中だったレスリングは、接触を避けられず手首に悪影響を及ぼす。翌年の高校1年夏に9ヶ月間のリハビリを終えるも、スポーツから身を引いた。

その後はラップや生徒会活動に没頭し、充実した高校生活を送る。特にラップから「今までとは全く違う世界」を知ることができた。名曲の歌詞と自分を重ね合わせ、壇上で言葉を紡ぐ姿に「力強さ」を感じた。自分も人前に出てみようと決心し「高校生ラップ選手権予選会」に出場。本戦出場とはならなかったが、審査員の有名アーティストに姿勢を賞賛された。「自分もやればできる」。その後は大怪我を経験した友人とラップグループ「怪我人ラッパー」を結成。高校3年時の文化祭では、生徒会役員として仕事をこなすかたわら、ラップでみんなを魅了した。人前で堂々と振る舞う姿からは、かつての「自信がない」少年の面影はなかった。


ただ1つ、心にひっかるものがあった。「あの時怪我をしていなければ。レスリングを続けていれば」。強豪のダンス部やラグビー部を筆頭に、硬式野球部、サッカー部の引退試合を見た。全力で汗を流す友人と、右手に痛みを感じながら観戦する自分。「スポーツは見たくもない」とまで思わせた心の傷は、次第にかさぶたとなり「もう一度スポーツをしたい、でもできない」という歯がゆい気持ちを生んだ。

悶々とした足立は、大学入学時に運命的な出会いをする。偶然手にした「スポーツアトム新入生歓迎号」。その中には居合道部の日本一を伝える記事が。「読んだ瞬間、ビビっときました」。すぐに体験会に参加すると、文化の違いに衝撃を受けた。道場や先輩への礼と姿勢。「やんちゃ」だったレスリング場とは全く違う空間が眼前に広がる。何より武道の「精神的強さの探求」にひどく感銘を受けた。これまでは「物理」的強さを求めたのに対し、居合道では「精神」的強さに重きを置く。さらに「静的動作」が求められるため、右手首の心配もない。「自分にもできるかもしれない」。母親から「怪我もあるし武道も未経験。長続きするのか」と反対されたが、足立の意志は固かった。


2年時の西日本大会で活躍した


最終学年での活躍に向けて日々稽古に取り組む


副将に就任した今年の春から一人暮らしもスタートさせた。最初はコンビニ弁当に頼りきりの食生活だったが、京都の南山区城村での民泊で料理の楽しさを知った。ほぼ毎日、「男飯」と名付けた自慢の料理を作り、SNSに投稿する。「炭水化物、タンパク質、野菜を意識して、バランスのいい食事を考える」。「男飯生活」を始めてからは疲労の回復度が早く感じられ、翌日も稽古や勉強に集中できるそうだ。自立した姿を見て、最初は心配していた家族からも「悔いのないように頑張ってほしい」と応援されている。


「男飯」の調理に集中する


自身の居合の実力だけでなく、部のあり方も試行錯誤の日々が続く。「まだまだ部としてできることはたくさんある」。居合道という武道に足を踏み入れた足立は、苦しみをわかるからこそ周囲に目を向けられるようになっていた。周りのためを思って行動できる。これこそが真の強さ、「精神的強さ」を得た男のあるべき姿ではないだろうか。かつての内気で自信のない少年は、立派な武道家として成長し続けている。(高里陽太)


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