春季リーグ初戦から全試合スターティングメンバーの中に名を連ねた岸田夏実(GR1)。身長154cmと小柄ながら、全身を使って打たれるキックの威力は計り知れない。それを武器にFWとしてエース竹田とツートップを務めた。

サッカーを始めたのは3歳の頃。兄の影響だった。小学校低学年の間は一旦サッカーから離れ様々なスポーツをしていたものの、小学5年生の時にクラブの女子チームに入ると、そこからサッカー一筋に。クラブチームにも所属しつつ、高校では女子チームがないため、男子に混ざってサッカー部に入部を決めた。だが彼女に悲劇が襲う。前十字靭帯の断裂。リハビリなどもあり、思うようにサッカーはできなかった。その歯がゆい経験を超えて復帰した今、彼女は大学の体育会サッカー部という新天地で大きな戦力となっている。
クラブチームに比べ、大学での練習はそれぞれの授業の都合により「平日に全員集まる日は1日もない。その中で試合もやっていかないといけない」ところが難しいと語る。一方で、先輩後輩関係なく全員が仲が良いため、のびのびとプレーができていると満足感をのぞかせた。

「期待に応えたい」(岸田)。今季リーグは1得点にとどまったものの、ゴール前での相手の隙をつく鋭いパスや華麗なボールさばきなど、卓越した技術が光る場面が多く見られた。まだまだ可能性を秘めている。常に成長し続ける同志社なでしこで、さらなる進化へのキーマンとなることは間違いない。(酒井華奈)

岸田夏実(きしだ・なつみ)同志社香里高校(京都府)出身。2000年6月24日生まれ。ポジションはFW。154cm。グローバル地域文化学部・ヨーロッパコース1年。