長い自粛期間が明け、練習を再開した同志社陸上部に新星ハードラーが入部した。京都のスポーツ名門校である乙訓高校出身の杤岡武奎(スポ1)だ。

第2回学連競技会での杤岡
高校1年生の時、走高跳からハードルへと転向。「110mHは高校から一般の高さになるので、そこが節目のところで、チャレンジしてみようかなと思いました」。高校時代は部員約100人が所属する陸上部のキャプテンを務める。自分の記録以外にチームのことも考えなければいけないプレッシャーから、ストレス性の顔面麻痺を経験したこともあった。それでも責任感の強い杤岡はキャプテンとしての役割を全うし、その経験を大学入試のプレゼンテーションに生かす。AO入試で狭き門を潜り抜け、見事、同志社大学に入学した。

笑顔で取材に答える杤岡
高校と比べ、大学の学生主体で行われる自由な部活動に魅力を感じている。また種目関係なく、指導してくれる先輩方がいるという絶好の環境が彼のモチベーションを高めているに違いない。ハードル歴4年目の杤岡は、未熟なところが自分の強みと語る。先輩やコーチの方から愛のあるアドバイスを受けるたび、自分に足りないものを発見。それと同時に大学4年間の伸びしろを実感する。「自分がどこまでいけるのか楽しみ」と笑顔で語る彼は、一回生ながらも大きな存在感を感じさせた。

目標と共にカメラを向く杤岡
7月に行われた京都陸上競技選手権大会では、110mHで2位に入賞。「セカンドベストくらいで走れたので、まあ調子はいいかなって感じです」とレースを振り返った。大学での目標の一つとして、同志社記録を掲げている。さらに、日本選手権A標準と全日本インカレA標準を2回生までに突破するという強い気持ちを持つ。「早いうちに全国の舞台を経験して自分の位置を確かめて、3、4回生で勝負したい」。常に挑戦者であることを忘れず、可能性に満ち溢れた杤岡がどんな進化を遂げるのか楽しみである。(箕浦祐芽)
〇杤岡武奎(とちおか・たけい)
スポーツ健康科学部1年。京都府・乙訓高校出身。種目は110mH。