「下克上」チームスローガンのもとに神宮を目指す硬式野球部に、今年も新戦力が加わった。新型コロナウイルス感染症の影響で春季リーグが中止となり、さらには約2ヶ月間の活動停止となった。異例の半年間を送り再始動したチームに、新たな風を吹かそうとしているルーキー、松井涼太(スポ1)を紹介する。
兄の影響で始めた野球。大きな怪我に見舞われることもなく、野球一筋で大学まで進んできた。高校は、野球の名門校として名を馳せる東邦高校(愛知県)に入学し、昨春には甲子園にも出場した。しかし昨夏は、予選2回戦敗退と悔しい結果に終わり、高校野球の幕を閉じた。

近大戦でスライディングした後、審判の判定を待つ松井
もともと外野を守っていたが、大学に入り、怪我で負傷した選手の代わりでファーストとして起用された。どの守備位置に付こうが、全球来ると想定して守っていると話す。
一方、木製バットに対応することに苦しんだ。それだけでなく、投手のレベルの高さに戸惑いを感じている。けれど大学野球に順応していかなければならない。「常にしっかりと振り切ることを意識している」。模索しながらも、積極的な姿勢で打席に立っている。
秋季リーグ、代打でバッターボックスに入るもヒットはまだ一本しか出ていない。初安打に対し、「ヒットという記録が出たことは素直に嬉しいが、全然満足はしてない」と語った。自身の強みについて、左右に強い打球を打てるバッティング、俊足を活かした守備範囲に加え強肩を活かした守備などを挙げた。
残るリーグ戦はあと3節。「もっとがっついてこれからの試合全部勝っていきたい」と意気込んだ。ルーキーらしいハツラツとしたプレーでチームを活性化する。神宮目指し、日々奮闘し続ける硬式野球部。新たな戦力として、松井は打線の起爆剤となるか。これからの活躍に期待が高まる。(吉田麻沙子)

関大戦でヒットを放った時の松井
○プロフィール
松井涼太/まつい・りょうた/スポーツ健康科学部/173㌢76㌔/出身校・東邦高校