2020年度同志社ラグビー部 裏方特集
東谷康平
「選手ファーストで」

主務として信念を持ち、あらゆる視点から選手を、そしてチームを支える男がいる。2年時に選手からスタッフへと転向した東谷(社4)だ。
「自分には存在意義があるのか」。選手として中々結果を出せない日々が続く中で、自身が部のために力になれる新たな場所があるのではないかと主務に立候補した。「(主務をやらせてほしいと)伝えた時に迷いはなかったです」。チームの力になりたいという強い気持ちで、スタッフの道を歩み始めた。
主務になって気づいたのは、スタッフ陣のサポートの厚さだ。「その時にスタッフへの尊敬というか感謝が生まれました」。選手として過ごしていた頃には気付かなかった支えの大きさを改めて感じた東谷は、毎日の練習や試合での選手のサポートはもちろん、同志社ラグビー祭やラグビー教室の運営にも精力的に取り組んだ。「周りの人に支えられながらやったので、それが終わった時は1番良かったです」。事前準備からグッズ販売まで仕事内容は多岐に渡るが、中心となり運営したイベントが大成功に終わった際には最もやりがいを感じたという。
マネージャーとしてチームを支える中で最も大切にしているのは選手の目線に立つことだ。「選手がどう思っているのかを出来る限り聞くようにして、選手がやりやすいように反映させていこうと意識しています」。プレー経験があるからこそ、選手が試合で最大限のパフォーマンスを発揮できるために努力を惜しまない。試合のスケジュール管理であれば、バスの到着時間の設定等、細かい所まで調節を怠らないことを意識している。
あらゆる点から選手への心配りを忘れない姿勢に、多くの部員が信頼を寄せているに違いない。
「1つ1つの勝利に向けて全力でサポートしていくだけ」。
スタジアムで躍動する選手達を最も近くで見守っているからこそ、彼らの喜ぶ姿が見たいという強い思いがあった。
主務として迎えるラストイヤー。表舞台に立つことはなくても、チームに必要不可欠な存在として最後まで選手を支え続ける。(井代奈那子)

○プロフィール
東谷康平(あずまや・こうへい)
社会学部4年生
滋賀学園高校出身
主務
原健太
「ラグビーのレフリー独自の考えに共感」

「選手と一緒に試合をつくることができる。」学生レフリー原健太(スポ4)の語るレフリーの魅力だ。もともとラグビー初心者であったが、高校時代ラグビー部の部員が足りず花園予選に出場。また、その年のW杯を観戦してラグビーに魅了された。大学でもラグビーと関わりたいと考えたが、ひとり暮らしということもあり入部を断念した。
転機は2年生で同志社高校のレフリーを体験したことだった。人生で初めてのレフリーでこの体験を通じ、ラグビーと関わりを持ちたいとさらに実感した。入部のきっかけとなった秋シーズンの大学での練習。同期に招かれた学年会で同期の熱い思いに触れ、「この同期と戦いたい」と思い入部を決めた。
原のラグビー部での役割は選手に反則をしないことの意識づけをさせることだ。ラグビーでは反則が命取りとなる。よって選手とレフリー分析の共有や、ルール講習を行い選手とのコミュニケーションを図っている。また、試合ごとに映像を見せながら反則を共有し、部内でも反則への意識づけを心がける。
ラグビー初心者であった原はトップレフリーを尊敬し、日々学んできた。トップレフリーは選手第一のプレーが上手く、様々な引き出しを持っている。初歩的なことではあるが笛の吹き方からコミュニケーションに至るまでトップから吸収し、自身のプレーに生かしている。
ラグビーは戦いのスポーツだ。レフリーが反則を取りすぎると戦いの意義に反してしまう。よって原は可能な限り試合を大局観で見て、戦いのスポーツであることを忘れないようレフリーとしての責務を全うする。(江川なつき)

○プロフィール
原健太(はら・けんた)
スポーツ健康科学部4年生
鳥取県立米子東高校出身
学生レフリー