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ラグビー“Player of the Match 2011” : ラグビー部
苦しみから脱したエース:FB 正海智大

最終戦の摂南大戦。前半20分、スペースを突いた小林(商4)の右について1トライ、さらに、前半終了間際にはハーフライン付近の相手ペナルティから、クイックで下平(スポ3)からのパスを直接もらって独走。前半で早々と2つのトライを挙げ、久しぶりに彼らしさが見られた。しかし、このどちらも、「スペースがあるから走ったに過ぎない」(正海・法4)という。今年の同志社の目指すアタックのセオリーをしっかりと遂行している上での2トライだ。



今季のここまでのリーグ戦で本来の実力を出せていないことを認めていたのは外ならぬ彼自身だった。「半分ぐらいしか力を出せていなかった。鬱憤もたまってましたよ」(正海)。思うように動けなかったことが何度もあった。相手の厳しいマークにも晒された。それでも、今までの彼ならばボールをもらえば得意のステップやハンドオフを使い、突破を図っただろう。しかし、今年は“勝負に出ても間違いではない場面”で度々パスを回す。今年の同志社の攻撃の形はスペースつくりのラグビーであるからだ。



「強引なアタックで5mしか進めないよりも、スペースのあるところに10m進んでる方がいいでしょ?」(鬼束BKコーチ)。相手が誰かをマークしているのなら、ほかの誰かのマークは相対的に薄くなる。マークがきつい方を囮にして、別のプレーヤーにアタックを任せる。勿論、走れる分のスペースがあれば、本人が持って走る。デコイ(囮)を積極的に使ったり、ダブルラインを引いた展開もその流れから来ているものだ。しかも、「正海はただボールを持って勝負に行ってるわけじゃない。しっかり味方を見て、パスもできるように走っている」(菅原・工4)。この戦術はそういった彼のスキルも生かされているのだ。結果、今年の攻撃オプションが多彩になった。トライ数が増えたという何よりの成果も現れた。肝心な所で個人技に頼り、単調な攻めが続いた昨年の姿はない。


 

エース正海の最後の戦いが始まる


 

「選手権でも、俺からリズムを作っていきます」(正海)。最後に力強い一言を残してくれた。副将として、攻撃の要として、プレーでチームを引っ張ると宣言した彼の存在感が、ようやく戻ってきた。(山内 翼)

【ラグビー“Player of the Match 2011”バックナンバー】
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