人と生き物である馬とが一体となって競技を行うスポーツで、オリンピックでは男性と女性が同じステージで戦う唯一の種目。それは馬術競技。今回はそんな馬術部のユニホームと道具について人と馬の両面から紹介する。

キャンティに頭絡をかける西山(文1)
貴族社会のたしなみを反映した流派であり、運動の正確さ、美しさなどを重視するこの競技。馬術家の礼儀・作法も重んじており、ユニホームには発汗や動きやすさなどの機能性というよりは、むしろ形式だった正装を要求する。一般的に障害競技では乗蘭(走行、演技時に着る上着)、襟付き白シャツ、白キュロット、チョーカー(長靴)にメット、馬場馬術競技ではメットの代わりにシルクハットの装着が基本的な服装。たとえ、試合でなくても襟付きシャツの着用が求められる。服装は指定されているのだが、「全員統一のシャツか、ジャケットでもあればいい」(西山)と、語るように、実は同志社馬術部としては統一のユニホームはない。

頭絡、鞍、プロテクターの3点セットの装備が完了したキャンティをなでる西山
馬には頭絡、鞍、プロテクターの三点セットを装着。頭絡は、馬の口にはみをかませて、人がが馬をコントロールできるような手綱の役割を担い、鞍は人が馬の背中に座るためのシートの役割を果たしている。他大学の馬と見分けるための唯一の違いは、鞍の下に置いたゼッケン。紫ベースに三つ葉のマークが馬の横面から見れたら、それは同志社の馬だ。最後のプロテクターは、馬の脚の保護のために使用。跳躍などでかかとが擦り減らないように守っている。
馬具は馬の動きを傷つけることなく、最小限の動きだけでコントロールできるように造られている。また、馬を保護するためにも色々な道具を更に付けることもあり、反対に馬を制御するために人の側で付ける道具もある。馬を正しく制御して安全に楽しく乗るためには、馬にも人にもきちんとした道具を装着することが必要なのだ。(尾藤央一)