RIGAVIL CUP 2025 関西大学バレーボール連盟春季リーグ戦　男子1部

　4月20日、天理大学杣之内第一体育館(奈良県)でRIGAVIL CUP 2025 関西大学バレーボール連盟春季リーグ戦 男子1部の第4戦が行われ、同志社は大体大相手に3-1で勝利を収めた。

　「今回負けたら最下位争いになってしまう状況だった」(中田・心理2)。開幕3連敗を喫し、同志社は土俵際に追い込まれていた。今回の相手は昨年秋季リーグ戦で1部昇格を成し遂げた大体大。先週の第2戦では強豪天理大をフルセットまで追い詰める激闘の様子を見せ、下剋上の旗手として関西大学バレー界に名乗りを上げた。挑戦を受ける側として絶対に負けられない戦いの火蓋が切られる。

　迎えた第1セットは序盤から一進一退の攻防が繰り広げられた。「うちのミドルは1番強いと思っているので積極的に起用した」(金谷・心理4)。セッターの金谷から絶大な信頼を置かれている伊藤(心理3)のクイック攻撃で2連続ポイントを奪取し、ギアを上げた同志社(2-2)。さらに中田のサービスエースでブレイクに成功し、10-8と流れを引き寄せる。しかし大体大も必死に食らいつき、両者一歩も譲らぬシーソーゲームが展開。池田(商1)の攻撃が相手ブロックに阻まれても尚、エースとして1点をもぎ取りにかかる(16-15)。「(池田)耕大を使わなくても勝てるチームにしたい」(金谷)。試合中盤は金谷が﨑山(商2)や中田のサイド陣にトスを分散。それでも点差は一向に開かぬまま試合は終盤に突入する(20-19)。その後は伊藤が持ち前の攻撃力で2得点を挙げるも、相手にブレイクを許し惜しくも第1セットを奪われた(25-27)。

　全員が気持ちを入れ替え臨んだ勝負の第2セット、先に走りだしたのは同志社だった。今試合大活躍を収めている伊藤が先制点挙げると、勢いそのまま池田との2枚ブロックで得点を連取(2-0)。金谷の洗練されたレシーブ力が光り、着々とリードを広げていく(6-2)。大体大のタイムアウト後も流れを渡さず大西(経1)の2連続ブロックで試合の主導権を完全に握った同志社(8-2)。今試合も大活躍の池田がバックアタックやサービスエースで怒涛の得点ラッシュを見せる(12-5)。「自分の強みであるブロックが活かせた試合だった」(中田)。ブロックポイントの決定打が冴え渡った第2セット。圧倒的な実力を見せつけ25-14でセットを奪い返した。

　続く第3セットも同志社の猛攻は勢いを増すばかりだ。「選手全員が試合を本気で楽しんでいた」(森川・商4)。相手の大きな声援に屈することなく試合を展開。池田や中田の鋭いスパイクが猛威を振るい、一切の隙も見せない完璧なプレーで今試合を支配した。相手のサーブミスでセットポイントを取り切り、25-18で第3セットを連取する。

　「自分のポジションでもっとポイントを取っていこうと思っていた」(中田)。第4セットは序盤から中田がレフト攻撃やサービスエースで試合をけん引(2-0)。大エース池田の相手リベロを弾き飛ばす豪快なバックアタックでブレイクに成功する(7-6)。サーブで崩してワンタッチを取り、チャンスを引き寄せ最後の一打を決め切る。まさに理想のバレーともいえるプレーは見るもの全てを魅了した。チームのボルテージが最高潮に達した第4セット中盤。コート内外は3連敗を喫した今までよりも格段に良い雰囲気で試合が行われていた。伊藤のクイック攻撃が決まり同志社のマッチポイントを迎える(24-18)。“関西優勝”を目標に掲げていた森川組。開幕から思わぬ連敗が続き、チームに暗雲の空気が漂った。それでも尚全員で真剣に話し合い、勝利に貪欲に挑んだからこそつかみ取った勝利の瞬間。相手のサーブミスで試合終了のホイッスルがコートに鳴り響くと、選手たちの表情には安堵の色が滲んでいた。第4セットを制した同志社はセットカウント3-1で大体大に勝利を収め、今季リーグ戦待望の初白星を挙げた。

　「今まで実力では勝っていたのにチーム力で負けていた」(中田)。昨日までに出た課題点を正確に分析し、強豪校にも引けを取らないチーム力を披露した同志社。今試合アタック決定率77.3％と驚異の数字を叩き出した伊藤は現在個人技術ランキングで首位に躍り出た。未だ上位争いには加われていないものの、個々の技量は確実にトップレベルを十分に狙える水準である。次戦の相手は昨秋ストレート負けを喫した関大。「もっとレベルアップして来週も勝っていきたい」(森川)。今回の勝利を追い風に関西優勝を成し遂げるべく挑む、森川組の挑戦譚の序章が今幕を開けた。(文責・撮影、三宅希和)