
8月4日、第79回 全日本ボクシング王座決定戦が兵庫県立武道館で行われた。2年振り3度目の関西1位に君臨した同志社。今回対峙(たいじ)する相手は、昨年王座優勝を果たし連覇を狙う駒沢大である。「チームとしてどういう動きが出来るのか、1人1人の役割を明確にして臨んた」(森島・文情4)。関東の強豪に金星を挙げるべく、熱い闘志に燃える選手たちがリングに上がった。
トップバッターを務めたのはミニマム級の定廣(スポ3)。序盤は定廣が優位に進めたと思われたが、2Rから駒沢大の猛攻を受ける。ボディーを要所で受け、0-4のポイント負けを喫した。
エースの敗北により流れを掌握された同志社は、フライ級の坂本(法3)が1R 2:43でRSC負け。続く関西リーグ戦無敗を記録したバンタム級の川島(商1)が1R 1:23でRSC負けを喫する苦しい展開に。
その後もフェザー級の川畑、ライト級の谷口(スポ2)が相手に完封勝利をされたことで0-5と駒澤大の背中は着々と遠のいていった。

「(駒沢大と戦ってみて)率直に強かった」(森島)。終盤戦はライト級で細川(スポ4)を起用。関西リーグ戦で階級賞を獲得した実力者の細川も、駒澤大の鋭い攻撃に圧倒され0-5で判定負けを喫した。
続くライトウェルター級では木原(商2)が2Rまで粘りを見せるも2R 2:59でRSC負け。今季初出場の伊藤(経4)も1R 3:00でリングにタオルが投げ入れられABD負けとなり、まだ勝ち星を獲得していない同志社は重量級に望みをかけた。
16年間白星を挙げることが出来ていなかった王座の舞台で、悲願の勝利を掴むべくリングに上がったのはウェルター級の山口(法4)。序盤から激しい打ち合いが繰り広げられ、会場は熱気に包まれる。しかし昨年の王者は一筋縄ではいかなかった。山口も効果的な攻撃を幾度となく相手に与えるも、結果はUD(ユナニマス・ディシジョン)で完敗。残り2試合を残し同志社は0-9と完全に駒澤大に流れをつがまれていた。
しかし、ここでライトミドル級の森島が主将の意地を見せる。ゴング直後から素早いジャブで相手を圧倒。2R以降には苦戦を強いられる場面も見られたが、終始安定した試合を披露する。全員が固唾をのんで見守る中、レフェリーが森島の腕を掲げ3-2のポイント勝ちで大金星を挙げた。「2R、3Rで相手に飲まれないように意識して戦った」(森島)。16年振りの王座での勝利を成し遂げた選手たちの表情には笑顔で溢れていた。

最後にリングに上がったのはミドル級の和田(商4)。森島の勝利により勢いに乗った同志社は、王座駒沢大に互角の戦いを見せる。しかし、結果は2-1で僅差の敗北。これにより1-10で駒沢大の王座優勝が確定した。
「結果は負けてしまったけど、関東相手にもしっかり戦えることがわかった」(森島)。敗北を喫したものの、関東の強豪相手に確かな手応えを感じていた。これにより、チームとしての森島組は終幕を迎える。今後は個人戦で戦う選手たちが、更なる高みを目指すために鍛錬を積む。(三宅希和)
