
サマーカップ2025フィギュアスケート競技会
8月9日、木下カンセーアイスアリーナ(滋賀県)でサマーカップ2025フィギュアスケート競技会の選手権男子の部が行われた。同志社からは森本(商1)、小林(スポ4)、中村(商2)の3名が出場。華麗に氷上を舞い、会場を魅了した。
選手権男子のトップバッターとしてリンクに登場した森本。今大会がシニアデビュー戦となる。演技開始前から観客席からは大きな声援が響き、会場全体が期待感に包まれた。冒頭のダブルアクセルを難なく成功させると、そのまま流れに乗る。途中、わずかにバランスを崩す場面もあったが、使用曲「In This Shirt」のテンポに合わせた情緒豊かな動きと、深みのある美しいステップで観客を引き込む。中盤からは曲調の変化に呼応するように動きが一層ダイナミックに。リンク全体を大きく使った滑りで存在感を放った。「特定の大技よりも、まずは今自分のできるジャンプを確実に決めたい」(森本) 。全体を通して丁寧で安定感のある演技を見せ、64.35点をマークした。13位で明日のFSへと挑む。

続いて30番滑走の小林。鮮やかな紫色の衣装をまとい登場した。冒頭、短い助走からトリプルループを着氷。トリプルルッツ―ダブルトウループのコンビネーションジャンプでは、着氷に乱れがあったものの、持ち味のスピード感あふれる滑りを見せた。演技後半にはダブルアクセルを見事に決め、使用曲「Fall On Me」の緩急に合わせたしなやかな演技を披露。最後は美しいスピンで締めくくった。44.69点で30位となり、今大会を終えた。

同志社から最後に登場したのは34番滑走の中村。大きな歓声と拍手に包まれる中、優雅で壮大な「yesterday」に乗せて滑り出した。冒頭、大技の4回転トーループを見事に着氷。続くトリプルアクセルは軸がやや傾きながらもこらえて降り、トリプルルッツ―トリプルトウループのコンビネーションジャンプも成功させた。スピンやステップでも緩急をつけた伸びやかで華麗な演技をみせる。ノーミスの演技を披露し、81.06点で3位。演技後にはガッツポーズを見せ、スタンドからはスタンディングオベーションが送られた。「ジャンプは全て成功でき、ステップは少しぐらついたが、いい演技ができた」(中村)。今季から本格的にシニア参戦する中村。シニアの舞台で4回転を決められたことを収穫に挙げつつ、「点数はまだ伸びていない。85点以上は出したかったが、ステップやスピンのレベルが取りきれなかった」(中村)と自己分析した。

強豪が集まる今大会。上位24名が出場できる明日のFSには森本と中村の2名が進出を果たした。2人の躍動にさらなる注目が集まる。(文責・村田あげは、撮影・若松晏衣)