
第73回全日本学生弓道選手権大会・第56回全日本学生弓道遠的選手権大会
8月18〜20日に⽇本武道館(東京都)で第73回全日本学生弓道選手権大会(近的大会)が、21日に全⽇本⼸道連盟中央道場(東京都)で第56回全日本学生弓道遠的選手権大会がそれぞれ行われた。男子は近的団体戦で決勝トーナメントに進出するも1回戦敗退。個人戦では4名が出場するも爪痕を残せなかった。また、女子は近的団体戦では予選敗退となり、個人戦では唯一決勝に進んだ松井(理工3)が奮闘するも入賞には及ばなかった。
東京都千代田区北の丸公園に位置する日本武道館に、腕前を競うべく全国屈指の射手たちが集った。1日目、男子団体戦予選に同志社からは佐々木(文2)、唐牛(経2)、松下(文情2)、鈴木(理工3)、長内(政策3)が出場した。大前の佐々木が1本目を命中させ幸先の良いスタートを切る。続く唐牛、松下も大舞台で堂々と的を射抜いた。緊張感に包まれる中、落の長内が最後の射を当てて皆中を達成すると日本武道館は大きな拍手に包まれた。「関西選手権での悔しい思いを今回挽回し、チームに貢献できてほっとした」(長内)。同志社は計16中で翌日の決勝トーナメントに駒を進めた。

2日目、まず行われたのは女子団体戦予選。川口(商4)、江美(神3)、松井(理工3)、高埜(商2)がメンバーに選出された。1本目はわずか1中にとどまり、続く2本目でも流れをつかめず0中。巻き返しを狙った後半も各立で1中ずつしか積み重ねられず、最終的に計3中という厳しい結果に。「自分たちの普段の的中が出せなかった」(川口)。他大学の的中数を上回ることができず、無念の予選敗退となった。「自分たちの実力が出せればいい所が狙えるチーム。この悔しさをバネに前向きに練習に取り組んでいきたい」(川口)。悔しさをにじませながらも、リーグ戦に向けて前を向いた。
続いて行われた男子団体決勝トーナメントでは熱戦が繰り広げられた。初戦の相手はリーグ一部の強豪・関学大。同志社は予選と同じメンバーで挑む。それぞれが「チャレンジャーとして精一杯やりきる」(鈴木)と意気込み、射場へと向かった。序盤、4本連続で的を外す苦しい立ち上がりとなったが、その後はすべての矢を的中させ、見事に立て直した。中でも圧巻だったのは長内の存在だ。予選に続きこの試合でも皆中を達成し、揺るがぬ安定感でチームを牽引した。結果、関学大14中に対し、同志社は15中とわずか1中差で競り勝ち、2回戦へ駒を進めた。

続く相手は京橘大。同志社は序盤1、2本目で皆中と絶好のスタートを切ったが、その後は3中、4中、3中とミスが重なり、両チームとも15中で並ぶ接戦に。勝負は同中競射にもつれこみ、最後の長内の一射に託された。だが惜しくも矢は的を外れ、2回戦での敗退が決定した。「チーム全体として1本の重みを実感した。リーグ戦では必ず一部に昇格する」(鈴木)。今大会は惜敗に終わったが、選手たちはこの経験を力に変え、次戦での躍動を誓った。
近的大会の最終日となった3日目は個人戦が行われた。女子ではただ1人、松井が出場。「個人戦だから誰にも迷惑をかけることがないので、安心して集中して頑張ろうと思った」(松井)。前日の悔しい結果をバネに個人戦に臨んだ松井。外せばその時点で敗退という厳しい舞台で、1本目から松井らしい安定した射を見せる。他大学のライバルたちが緊張から的を外す中、尺二で3本連続的中し、より的の小さい八寸の勝負へと駒を進めた。スタンドから応援する仲間も祈るように見守る中挑んだが、松井の放った一矢は惜しくも的を外し、4本目で敗退。「やっぱり(八寸は)練習していなかったので、これからはサイズが変わってもちゃんと当てられるように練習していきたい」と、今後に向けて再び前を向いた。
男子からは志方(文情3)、鈴木、佐々木、中川(経1)が出場。4人が出場した中、今大会では個人戦のみに出場した志方が奮闘を見せる。他の3人が1本目で敗退した中、尺二を3本連続で射止め、八寸へ勝負を持ち込んだ。「普段通り引くことを意識し続けた」(志方)。しかし、続く八寸1本目では惜しくも外しここで敗退。男女ともに個人戦入賞とはならなかった。

場所を明治神宮へと移して行われた遠的大会には、男子の部では松原(文情1)、中村(理工1)、阿佐(生命2)、松嶋(GR4)が、女子の部では森口(理工2)、池田(GR3)、橋本(社4)、桒原(商4)の計8名が出場。猛暑の影響で一次予選は中止となり、二次予選からの二射二中で予選通過が決まる特別な形式で実施された。先に行われた男子の部では松原と松嶋が二射一中を成功させるが惜しくも予選敗退となる。続く女子の部では池田が二射二中を成功させ決勝射詰に進出。しかし決勝では1本目を外してしまい入賞には及ばなかった。「1部の女子が優勝することを支えられるような選手になれるようにがんばりたい」(池田)。来たる戦いに向けて、すでに闘志は燃えている。

9月からはいよいよリーグ戦が開幕。伊勢大会出場、1部昇格に向け負けられない戦いとなる。これまでチームを支えてきた4年生にとって、リーグ戦は大学生活最後の舞台だ。「自分の射で勝ち切れるように、最後まで頑張りたい」(川口)。有終の美を飾るべく、チーム一丸で戦いに臨む。(黒田周良、中嶋理博、市原理央、小倉茉奈)