第87回関西学生対校駅伝競走大会
11月15日、宮津市民体育館〜京丹後はごろも陸上競技場(京都府)で第87回関西学生対校駅伝競走大会(通称、丹後駅伝)が行われた。同志社は昨年6位入賞を果たし、2年連続での入賞を狙うも結果は10位とシード権確保に留まった。
1区を任されたのは初出場の番(文4)。「スタートということで失敗は許されない、その一心だった」(番)と満を持して最初で最後のスタートラインに立った。号砲とともにハイスピードのレースが展開されると予想していたため、チームメートに引っ張ってもらいながらスピードを強化する練習に取り組んできた番。レース序盤は先頭集団に食らいつくも徐々に遅れをとる。フラットペースを刻む展開を得意としているだけに、ハイスピードに着いていくことができず、21位で襷リレー。「集団から想定より早く遅れてしまった。丹後駅伝という山場は終えたが、学生生活ラストランまで陸上を楽しみたい」(番)。想いを2区以降の後輩へとつないだ。

2区で出走したのは南部(理工3)。昨年度も走ったこの区間で、区間賞を狙ってスタートする。秋に入ってからの怪我や、直前に別レースを走っていたため、調子を戻すことに重点を置いていた。襷を受け取った順位から大幅に上げていかなければいけない展開となったが、区間6位と思い通りの走りを体現できない。「10位くらい上げたかったがそれができなかったこと、区間6位に留まってしまい悔しい」(南部)。自身の結果に満足はいかないものの「最大限の力を発揮できたから悔いはない、来年もっと強いチームをつくる」(南部)とチームの再建を誓った。
南部から12位で襷を受け取った青山(スポ2)は「2年連続6位入賞を目標にするチームに貢献したい」と丹後路へ走り出す。常に駅伝を想定した練習を積み重ねてきた青山。3区は後半にかけてアップダウンが激しくなる難しい区間であるため、前半は抑えながら走るレースプランを立てていた。レース序盤は後ろから追いついてきた龍谷大との競った展開となるが、得意の坂で相手を翻弄(ほんろう)し再び前に出る。結果は区間8位と、資格タイムの順位に比べて高順位の成績を残した。「力を出し切ることはできたが、もっと自分が上位争いができていれば良かった」(青山)と振り返る。来年は自身の活躍で全日本大学駅伝の出場権奪取と6位入賞へ返り咲くことを誓った。
4区を任されたのは、最後の丹後路に挑むPL・遠池(文4)。駅伝への思いは人一倍強い。11位で襷を受け取ると、シード権圏内の9位まで一気に押し上げた。さらに後方との差を32秒まで広げる力走を見せたが、「思うようにペースが上がらず、チームを6位に引き上げる役目を果たせなかった」(遠池)と悔しさをにじませた。
続く5区は最年長の田中駿(M1)が登場。「学部生の4年間、丹後駅伝のメンバーに選ばれたことはなかった。ようやく同志社を代表して走れるという思いで臨んだ」(田中駿)。後半に脚を削る急勾配が待ち受ける難区間でも、これまで培ってきたスタミナを生かし前を追い続ける。しかし差は思うように縮まらず、順位を動かすまでには至らなかった。

田中から襷を受けた若林(経2)は「上り坂のフォームや下りの足運びを意識した練習をしていた」(若林)。入念な調整を経て迎えたこの区間。海風を受けながらも懸命に腕を振り前を追う。しかし、後方からは龍谷大が猛追。中継所付近でデッドヒートに突入し、激しい競り合いの末わずかに遅れをとった。それでも10位で襷を渡し、チームとして6位入賞への望みをつないだ。
7区を担うのは森下(経3)。「去年達成した6位を最低限守る」(森下)という強い意気込みでスタートラインに立った。龍谷大と1秒差の僅差で襷を受け取る。練習から常に意識してきた「前を追いかける走り」を体現。山内(龍谷大)との競り合いではハイペースを維持し、粘りの走りを見せた。順位は1つ下がったが大差を付けられることなく、第7中継所を10位で通過。11位以下が繰り上げスタートとなったものの、入賞を目指してアンカーの名代(スポ2)にチームの命運が託された。

8区を任された名代は自身初の丹後路、そしてアンカーとして挑戦する気持ちを胸にレースに臨む。単独走を想定し、日頃から練習を積み重ねてきた。最後まで必死に喰らい付こうと龍谷大の背中を追うも、差は縮まらず10位でゴールテープを切る。昨年度は6位入賞を果たし、2年連続の入賞を目指して挑んだが悔しい結果となった。「順位を落とさず襷をつなぎ、来年のシード権を守れたことは最低限の役割を果たせた」(名代)と語る一方で、「目標は6位入賞だったので率直に悔しい」(名代)と振り返った。

入賞を逃し悔しい結果となったが、選手それぞれが取り組んできたことを最大限発揮した今大会。各大学の実力が拮抗している中、来季以降シード権をつかみ取るためには、一層の積み上げが不可欠となる。その中で着実に力を磨き、上位層への食い込みを図りたい。(伊藤愛梨、尾崎直哉、藤森あい)