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【フィギュアスケート部】全国の大舞台で森本、中村俊がFS進出果たす!

第94回全日本フィギュアスケート選手権

 12月19日、国立代々木競技場第一体育館(東京都)において、第94回全日本フィギュアスケート選手権の男子ショートプログラム(SP)、女子SPの部が行われた。全国各地から精鋭が集まる今大会は、次なるミラノ・コルティナ冬季オリンピックの代表最終選考会を兼ねており、会場は例年以上の熱気を見せる。同志社からはシニア男子に森本(商1)と中村俊(商2)が、シニア女子には清水(スポ2)と吉田陽(GR2)が出場。上位24名がフリースケーティング(FS)に進出できるという条件の中、男子の森本、中村俊の2名がFSへ進んだ。

 シニア男子の15滑走で登場した森本は、念願の全日本初舞台となった。プログラム『In This Shirt』に乗せ、伸びやかで安定感のある演技を披露した。冒頭のダブルアクセルを着氷すると、続くトリプルルッツートリプルトーループのコンビネーションジャンプに挑む。前戦の西日本大会では転倒したが、今回は見事に着氷した。楽曲の盛り上がりとともにスピードを上げ、後半のトリプルフリップを着氷。続くキャメルスピンとコンビネーションスピンでは、いずれも最高評価のレベル4を獲得した。「今シーズン1番のSPを、全日本という舞台で披露できてすごくうれしい」(森本)。初出場とは思えぬ端正な滑りで演技を終え、67.40点をマーク。21位につけ、FS進出を果たした。

会心の演技を見せる森本

 27番滑走としてリンクに立った中村俊。6年連続6回目の全日本となる。プログラム『Yesterday』に合わせ、純白の衣装を身にまとった。地方ブロックから課題としてきた冒頭の4回転ジャンプに挑むも、回転が抜け不成功に。しかし気持ちを切り替え、トリプルアクセルを決める。ピアノ調に合わせてシットスピンを見せた後、トリプルルッツートリプルトーループのコンビネーションジャンプを着氷させた。演技全体を通して、力強くも流れるような滑りを見せ、66.96点で22位。FS進出を果たすも悔いの残る結果となった。

胸に手を添える中村俊

 シニア女子では5番滑走として清水が登場。プログラム『ノクターン』のピアノの旋律に合わせ、ゆったりとした動きで演技を始めた。冒頭のトリプルフリップーダブルトーループのコンビネーションジャンプを華麗に決める。続くダブルアクセルも着氷し、力強さを増す旋律とともに美しいコンビネーションスピンで観客を魅了した。盤石の演技を続けていた清水だったが、後半のトリプルルッツで思わぬ転倒となる。持ち前の繊細で美しい表現力で演技をまとめるも、点数は伸び悩んだ。「自分の力を出し切れずとても悔しい。結果を受け止めきれていない」と語り、涙がにじむ。得点は51.39点で27位となり、惜しくもFS進出を逃した。

プログラムの世界観を全身で表現する清水

 一方、28番滑走の吉田陽は、鮮烈な黄色のパンツスタイルでリンクに現れた。会場に大きな声援が響き渡る中、プログラム『Kill Bill』を披露。音のアクセントにピタリと合わせるキレのある動きで、序盤から会場の空気を掌握した。1本目にトリプルアクセルを組み込むも、惜しくも転倒。しかしすぐに立ち上がり、気持ちを切り替えた。サイレンの音に合わせ、トリプルルッツーダブルトーループのコンビネーションジャンプを着氷。演技中盤からは、ダイナミックな演技にあおられるように、会場が大きな手拍子に包まれた。調子が上がらなかったものの、それを感じさせない攻めの姿勢で終始笑顔の演技を貫いた吉田陽。49.46点で28位となりFS進出を逃すも、「お客さんの手拍子に乗って演技を楽しむことができた」と語った。

笑顔の演技で観客の心を掴む吉田陽

 全国の大舞台で見せた4人の気迫は、同志社の誇りを感じさせるものとなった。今大会で得た経験と課題は、選手それぞれの次なる挑戦へと確実につながっていく。FSに進む男子2名のさらなる躍動、そして悔しさを糧に前を向く女子2名の巻き返しに、今後も注目したい。(文責・村田あげは、撮影・矢部彩香)

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