6月18・19日、つま恋リゾート第1多目的広場(静岡県)で2023年度62回日本学生アーチェリー男子王座決定戦Supported by KOWAが行われた。
激しいメンバー争いを制し、王座に出場したメンバーは高久(商4)、畑本(商4)、鷲津(商2)、𠮷田(商1)の4人。「先輩の思いも背負って勝つ気でいきました」(𠮷田)。出場メンバーは全部員の熱い気持ちとチーム同志社を背負って挑んだ。
1日目の予選ラウンドでは1人72射を射ち、チーム上位3名の合計点数で競う。応援メンバーの声援を受けながら、毎エンドハイレベルな行射を披露。全国の強豪校が集結する大舞台でも実力を遺憾なく発揮した。𠮷田が10位、鷲津が11位、高久が17位、畑本が27位で予選ラウンドが終了。団体としては上位3名の合計点数1874点・4位と高順位で終えた。
そして迎えた決勝ラウンド。ここからは、トーナメント形式で1人2射ずつ合計6射の合計点数で競う。予選ラウンドの結果などを踏まえ、高久、鷲津、𠮷田の3人が決勝ラウンドに出場した。
1/8イリミネーションラウンドでは、予選ラウンド13位の日本福祉大と対戦。毎セット50点以上と圧倒的な強さをみせつける。6―0のストレート勝ちを収め、好調なスタートを切った。続く1/4イリミネーションでは、関学大と対戦。2セット目に同点で引き分けとなるも、3セット目は54―43と大きく点数を引き離し、5―1で1/2イリミネーションラウンドに駒を進めた。1/2イリミネーションラウンドの対戦相手は近大。リーグ戦でも敗れた因縁の相手だ。雪辱を晴らすべく挑んだが、再び近大の勢いに飲み込まれる。1セット目に50―58で2ポイントを落とすと、3セット目まで近大の勢いを止めることが出来ず、ストレート負け。0―6と惜しくも敗退となった。
気持ちを切り替えて臨んだブロンズメダルマッチ。「近大に負けてしまってもう後がない状況でせめて昨年負けた愛知産業大には勝ちたいという気持ちで挑みました」(𠮷田)。昨年の王座と同じ展開となり、部員たちにも緊張感が漂う。また、イリミネーションラウンドとは異なり、交互射ちとなるブロンズメダルマッチは選手、観客の視線がシューティングを行う1人に集まる中行われるため、プレッシャーも大きくのしかかる。相手の点数を意識しながらの行射で自分たちの実力を信じて挑んだ。
緊張からか、これまでチームを高得点で引っ張ってきた1番手の鷲津が5点と外してしまう。その後の𠮷田と高久がカバーするも、1セット目は49―50の1点差で2ポイントを献上した。続く2セット目も両校が高得点を射抜くハイレベルな戦いを繰り広げたが、54―55。またも1点差で4―0に追い込まれた。3セット目も追い上げることができず0―6で完敗。悔しさから部員たちの目からは涙がこぼれた。
「本当にやりきったなと思います」(高久)。王座アベック優勝を目標にこれまでたゆまぬ努力を続けてきた。惜しくも目標を達成することはできなかったが、それ以上に得るものがあった。「自分たちが作り上げたチームで、みんなが応援してくれているっていうのがこんなにも心強いんだって感じました」(畑本)。全員で王座という舞台を作り上げ、絆を再確認した。
この試合をもってバトンは岩尾(文情3)に託された。これからは個人戦の期間が続くがこれまで通り全員でチームを強くするプレーで戦い続ける。「個人戦でしっかり経験を積んで来年の王座を迎えられたらなと思います」(鷲津)。高久組から託された夢のアベック優勝に向けて再び大きな成長を遂げる彼らに期待が高まる。(俣野百香)