
第106回定期戦対慶大
【本日のスタメン】
1.李(法2)2.末次(法3)3.谷井(社2)4.林慶(スポ4)5.柏村(社3)6.土肥祥(法4)7.舩井(社2)8.山﨑周(社2)9.田中(法3)10.大島(スポ4)11.上嶋(スポ3)12.立川(社4)13.ファイアラガ(社3)14.桃田(商4)15.中村大(経4)
6月8日、静岡・小笠原総合運動公園エコパスタジアムにて慶大との第106回定期戦が行われた。日本最古の大学ラグビー定期戦となる伝統の一戦。「最古の定期戦ということで、先輩方の歴史もある中で勝つことにフォーカスを向けた」(林慶)。昨年勝利した同志社から盾が返還され、両者は熱い闘志を燃やし試合に挑んだ。前半を33ー29で折り返すと、後半もリードを守り抜き47ー44で激戦を制した。

試合は序盤から動く。前半3分、敵陣5㍍でラインアウトを成功させると、ファイアラガが抜け出し先制トライ(7ー0)。「接点をしっかりきりにいった」(ファイアラガ)。しかし、すぐさま同5分に守備の隙を突かれトライゾーンへの侵入を許した(7ー5)。同志社のキックオフからプレーを再開すると田中が空いたスペースを生かして上嶋にロングパスをつなぐ。そのまま同9分に上嶋が独走トライで追加点を挙げた(14ー5)。さらに同11分にも中村大からのラストパスを受け取った上嶋がまたも決めた(21ー5)。BK陣の素早い展開力とFW陣のフィジカルで相手を圧倒。「FWのディフェンスが優位に立てたのでそこは凄く良かった」(林)。しかしその5分後、慶大のスクラムを止めることができずトライを許した(21ー10)。両者1歩も譲らない撃ち合いが繰り広げる中、さらに失点を許す。同21分、右大外のスペースを作られると隙を突かれ被トライ(21ー15)。

さらには2分後にも追加点を献上し、逆転を許した(21ー22)。一時、暗黙の雰囲気が漂うも紺グレ戦士は焦りを見せず、冷静なプレーを披露した。激しい攻防戦が続き、同33分、ラインアウトに持ち込んだ同志社はモールを展開。「真ん中に押すという少し頭を使ってモールを押す事が出来て、ミーティング通りにいった」(山﨑周)。強靱(きょうじん)なフィジカルで進撃し、末次がインゴールへと飛び込んだ(28ー22)。巻き返しを図り、一気に勢いに乗った同志社は同37分、ファイアラガが慶大の乱れたディフェンスラインを突破。ラストパスを受け取った林慶が追加点を挙げる(33-22)。その後1トライを許したものの、33ー29で前半を折り返した。

リードを広げたい後半戦。同7分、自陣トライライン前でのラインアウトを起点にインゴールへの侵入を許した(33ー34)。拮抗(きっこう)した試合展開となるも、規律を見直し主導権を取り戻す。同11分、ファイアラガが空いたスペースにパスを回すと、最後は上嶋がフィニッシュ(40ー34)。今試合3トライを挙げた上嶋はハットトリックを達成し、チームをさらに勢いづけた。「絶対にタッチに出ずにウィングの仕事としてトライゾーンに運ぶことが出来て良かった」(上嶋)。その後も同志社の猛攻は止まらず、同18分には敵陣22㍍からファイアラガが独走トライを奪取(47ー34)。決定力を見せつけチームに大きく貢献した。その後同23分、37分に2トライを献上するも、47ー44で逃げ切り試合終了。伝統の一戦で勝利を収めた。
「トライ数では負けている中でコンバージョンの成功数で勝ちきれたので、(大島)泰真のキックに救われました」(土肥祥)。大島のコンバージョンキック成功率が勝利に大きくつながり、プレーでも主将としての責任を全うした。
各々が実力を大いに発揮し、歴史ある伝統の一戦で激戦を制した紺グレ戦士たち。近大戦の課題を克服し、勝ち切った。次戦に控えるのは2025年度関西大学春季トーナメントでの摂南大との一戦だ。「ここからハードな大学との試合が待っているので、怪我人が多い中でも負けたら言い訳は出来ない」(山﨑)。今回の実りある白星を原動力に、勝利を掴みとる。(文責・小野里律子、撮影・岡本和香、河村柚希)