第77回全日本大学バスケットボール選手権大会
12月2日、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場(東京都)にて第77回全日本大学バスケットボール選手権大会グループステージFブロック対九州共立大戦が行われた。同志社は84-81の逆転勝利を収め、グループステージを突破。しかし翌日、横浜武道館(神奈川県)にて行われたトーナメント1回戦において、東海大九州との一戦では77-90で敗北し、インカレ常連校との実力差を突きつけられる結果となった。
対九州共立大戦、スタートは谷口(経4)、波多野(心3)、秋田(法3)、門川(法3)、大澤(商2)。同志社は相手の留学生を警戒し、あえて3点シュートを打たせてゴール下の守備を固めるゲームプランで臨んだ。しかし、九州共立大の攻撃は思惑通りに進まない。外からのシュートで得点を重ね、リードを許す展開に。波多野が体格差を生かし反撃するも、予想外の高確率の3点シュートに得点ペースが追いつかず、11-26で最初の10分を終えた。
第2Q、途中出場の島倉(スポ4)と柄澤(スポ3)によってチームが息を吹き返す。「僕や柄澤は全国に慣れていたため、緊張せず試合に入れた」(島倉)。高校時代にインターハイやウィンターカップで活躍してきた島倉。大学初となる全国の舞台でも萎縮しないプレーで悪い流れを断ち切った。高いバスケットIQで相手守備を冷静に見て、わずかな隙間に切り込んでレイアップ。ディフェンス面でも素早くローテーションすることで簡単なシュートを許さなかった。柄澤も持ち味の得点能力を遺憾なく発揮。相手の連携ミスで生まれたフリーのチャンスを見逃さず、長距離砲を打ち抜いた。セカンドユニットの奮闘により42-50で前半を終えた。

グループステージ突破をかけた後半戦。点差を埋めようとするが、逆転にはあと一歩及ばない。インサイド陣の西村(スポ3)などのフリースローでなんとか食らいつく。「できるだけ長くみんなとバスケットがしたい」(島倉)。第3Q(クォーター)終了間際、島倉がゴール下で競り勝ち、終了の合図とともにネットを揺らすブザービーターで希望を繋いだ(64-70)。
運命の第4Q、相手のシュート精度が落ち始めた勝負所をキャプテン谷口は見逃さなかった。ファウルを受けながらシュートも決めるバスケットカウントで流れを大きく引き寄せると、遂に勝ち越しの3点シュート。ベンチや観客席の選手らは大きく飛び跳ね、谷口も笑みをこぼした。同志社は第1Q序盤以来となるリードを奪い返し、この点差を死守。84-81で劇的な勝利を飾った。これによりグループステージで2勝を挙げ、インカレ開幕前からの目標であったグループステージ突破を達成。第4クオーター半ばまでリードを許す苦しい展開からの逆転劇は、翌日の試合に向けてチームに勢いを与えた。
対東海道九州戦、スタートは昨日同様。立ち上がり、大澤のシュートで先制するも、その後は相手の高いオフェンス力に押される時間が続いた。
秋田のスリーや高野のジャンプショットで応戦するが、9得点連続で決められてしまい一気に差をつけられる。その中で柄澤がブザービートを決め観客席は大きな歓声に包まれた。
第2Qは点の取り合いが続き、主導権をどちらも渡さない攻防となった。中盤、同志社は相手の高精度な外角シュートに苦しめられた。第1Qで広がった点差は縮まらないまま前半を終え、後半に望みを託す展開となった。

運命の後半戦。谷口のスリーポイントで幸先よくスタートした。波多野もフリースローを沈めるが、相手の素早いオフェンスに連続得点を許し24点差まで離されてしまう。秋田と柄澤がスリーを決め着々と点を重ねる。ここからさらにギアを上げてきたのが西日本1位の東海大九州。各々の突破力、的確なパスワークで再び得点を重ね、56-73で第3Qをおえた。
同志社は最後まで粘り強く戦う。谷口の連続得点や門川・秋田のシュートで食らいつく。しかし、相手のオフェンスは止まらず、ディフェンスでも個の力で突破されてしまう場面が目立った。第4Q終盤、谷口が涙を浮かばせながらも4年生としての意地を見せる。観客席から温かいエールが送られた。山藤と尾上がコートに立ち4年生5人がそろって締めくくりの時間を迎える。残り10秒、山藤が3ポイントを沈めたが77-90で彼らのラストゲームは静かに幕を下ろした。

7年ぶりのインカレ出場、そしてグループステージ通過。振り返れば、有言実行を果たした1年間だった。「自分たちよりもっともっと上を目指して欲しい」(安藤)。後輩たちは4年生の想いを受け取り、さらなる高みを見据えた。栄光のブザーが鳴るその瞬間まで、ネットを揺らし続ける。(中嶋理博、髙橋舞衣、樋口莉沙、小倉茉奈)