カヌー部
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【カヌー部】台風に屈せず好成績残した

第60回全日本学生カヌースプリント選手権大会・第14回全日本学生カヌースプリント新人選手権大会

 8月27日から30日にかけて石川県木場潟カヌー競技場で全日本インカレが行われた。大型台風が迫り来る中開催された今大会。5日間の試合予定が大幅に変更となり、急遽3日半で行われる苦しいスケジュールとなった。そんな過酷な状況の中でも選手たちは屈することなく全身全霊で本大会へ挑んだ。

 大学からカヌーを始めた新入生にとって今大会が初出場となるジュニア部門。1日目からJK−1−200mで同志社から水野(商1)が出場し力強い漕ぎを見せた。初心者にとって、スタートラインに並ぶことさえ困難とされている中8人中3位で着艇。予選で好スタートを切ると、迎えた決勝では4位でフィニッシュした。表彰台とはならなかったものの、新人とは思えない躍動を見せつけた。

JWC−1−200m決勝では、鈴木(社2)、飯塚(GC1)が出場し、4人中それぞれ1位と3位で着艇。同じく他レースで出場した水野、立石(社1)、松岡(経1)も落水することなく、初舞台をゴールテープまで漕ぎ切った。

 続く男子では、ルーキーに続いて安定した泳ぎを見せる。K−1−1000mでは、同志社から16人が出場し、激戦を繰り広げた。中でも畠中(スポ2)が1日目に行われた1次予選で1位でゴールすると快進撃を見せつけた。2日目に行われた予選で、同レースで1位に畠中、2位に齋藤(スポ3)がゴールし、1、2フィニッシュ。セミファイナルに駒を進めると、またしても1位で着艇した。流れに乗ったまま迎えた4日目、決勝では5レーンでスタートラインに並ぶ。勢いのある漕ぎを見せるも、4位で表彰台を逃した。

Cー4−1000mでは、入江(法3)・松永(社3)・浦部(社1)・大谷(社1)が出場した。同志社含め6校が出場する中、3位でゴールテープを切った。3年生から1年生までの3学年に渡るチームで挑んだ今レース。期待のルーキーを加え、息のあったプレーで見事表彰台を勝ち取った。

4日目には予選から決勝まで各レースが行われるも、決勝で思うように成績が残せず迎えたK–2–200m。今大会最後のレースで、齋藤・植出(商1)が表彰台に上り詰めた。午前中に行われた予選で3位になるとセミファイナルで1位で決勝へ。迎えた決勝、仲間の応援を背に船を進める。結果は3位で、2位の日体大とはわずか0.135差でゴールテープを切った。

 ジュニア部門、男子に引き続き、女子では活躍が光り、数多くの好成績を叩き出した。

WK–1–500mでは同志社7人が出場し、3日目決勝に小林(スポ2)、奈須(スポ2)が駒を進めた。2日目に行われたセミファイナルでは、同レースで小林が5レーン、奈須が4レーンでパドルを漕ぎ進め、それぞれ1位と3位でゴール。安定した強さを維持したまま迎えた決勝戦、奈須は7位、小林は2位という功績を挙げた。シニア部門の女子はこれにとどまることなく、2日目に行われたWK–1–Relayで奈須・小林・寺岡(社1)・渡辺(スポ4)が2位を取ると、3日目にも同じく4人でWK–4–500mで2位という成績を残す活躍を見せた。

続いて4日目には、WK–2–200m、WK–1–200mで躍動した。WK–1–200mでは岡本(文2)と小林が出場し、小林が予選2位で決勝へ。緊迫した舞台でも実力を発揮し、2位で着艇した。

息を合わせる(左から)川井(スポ3)、橋本(社2)

WK–2–200mでは川井・橋本が頂点に輝いた。同志社からは4組出場し、川井・橋本、渡辺・奈須、寺岡・安藤(スポ1)が予選を通過。川井・橋本は予選を2位と0.013秒さで1位で決勝へと進んだ。雲に覆われていたものの雨はなく追い風が吹くなか迎えた決戦。息を呑む緊張感の中、合図とともにスタートを切った。川井・橋本はスタートで発艇装置にひっかかり遅れをとったが、 持ち前のパワーを存分に発揮し立て直した。バランスを保ちながら、得意のスピードを急ピッチで追い上げる。レース終盤で疲れが出てきたが、橋本が後ろから押し上げるアシストと川井のバランス力で最後まで漕ぎ切った。結果は見事1位を獲得し、圧巻の漕ぎを見せつけた。

パドルを漕ぐ(左から)川井、橋本

「自分の成長とこれからの課題を認識できる大会になった」(川井)。200mレースでは何より息の合ったプレーが重要視され、2人の信頼関係の構築が必要不可欠だ。今年から組んだペアであったものの、幾度の練習に励み阿吽の呼吸で観客を魅了した。しかし、後半での伸びにはまだ課題は残る。謙虚な姿勢を持ち貪欲に上を目指し続ける彼女らは、「来年はさらに体力をつけて挑みたい。」(橋本)と意気込みを語った。

 悪天候が予想される中、試合は中止になることなく全レースが終了。しかし、大幅な予定変更で万全な形のインカレではなかった。今大会をもって4回生は引退を迎える。4年間を振り返り、「僕にとって大きな財産だ」(樂前・経4)と語った。個性豊かなチームが目標に向かって一丸となることが同志社カヌー部の魅力であり、これからも後輩に受け継がれてゆく。樂前から次期主将の齋藤へ。挑戦心を胸に抱き続け、揺るぎない団結力で貪欲にトップを狙いに行く。(文責・白川愛梨、撮影・同志社カヌー部提供)

★主将・副将へインタビュー

主将 樂前凌(らくぜん りょう)

副将 五十棲惟隼(いそずみ いはや)

ーー今回インカレの自身のプレーを振り返って

樂前:シングル・ペアともに、この1年間のベストパフォーマンスではありませんでしたが、ここ数ヶ月の中では良い方だったと思います。

五十棲:シングル・ペアともに、この1年間のベストパフォーマンスではありませんでしたが、ここ数ヶ月の中では良い方だったと思います。

ーー同志社カヌーの魅力

樂前:同志社カヌーは目標に向かってチーム一丸となり、互いに支え合いながら強くなっていけるところが魅力だと思います。

五十棲:個性豊かな部員が多いのが魅力だと思います。私もさまざまなバックグラウンドの部員と関わり、入部時よりも視野が広くなりました。

ーー同期に向けて一言

樂前:三年半の間、楽しくカヌーができたのは、同期のおかげです。多くの場面で支えてもらって感謝してます。ありがとう!

五十棲:途中加入、途中脱退とめまぐるしく同期メンバーが変わるなか、それぞれがベストを尽くして頑張っていたと思います。ありがとう!お疲れ!!

ーー後輩に向けて一言

樂前:まだまだ同志社は強くなれると思っています。自分を信じて日々の練習を精一杯頑張ってください。来年のインカレを楽しみにしてます!

五十棲:チームとしてまだまだ伸びると思っています。爆発力は自分たちの代よりもあると思うので頑張ってほしいです。期待しています。

ーー主将(楽前さん)として、どのようにチームをまとめてきたか。

樂前:僕が大学からカヌーを始めたということもあり、競技力で引っ張っていくのは厳しいところがあったので、部員が練習を頑張れる環境やモチベーションの向上、一人一人が主体的に取り組めるような体制づくりを意識してやってきました。

五十棲:部活動の中で気になったことを少しずつ改革していくことを意識しました。副将という役職だったのでかなり自由に活動できました。

ーー次期主将、副将に向けて一言

樂前:三人は主将、副将であると同時に、1プレーヤーでもあるのでラスト1年を後悔のないように、チーム運営にも練習にも全力で取り組んでほしいと思います。大変なこともあると思うけど三人を中心に、最高のチームを作り上げて下さい!

五十棲:次期主将の齋藤は今後もブレずに頑張ってほしいです。次期副将は岩井(スポ3)と入江という二人体制なので、それぞれがそれぞれの使命感を持って取り組んでいってほしいです。(取材、構成・湊結子、白川愛梨)

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