第61回関西カヌースプリント選手権大会
10月26・27日にかけて伊庭内湖特設カヌー競技場(滋賀県)で第61回関西カヌースプリント選手権大会が行われた。選手にとって初の競技場。水質に不安を抱えるも、選手たちはベストを尽くし、表彰台を彩った。
地元滋賀開催の今大会を盛り上げるべく、K-1―500mの決勝の舞台に岩井が登場。力強い漕ぎを見せつけた。前半から持ち味のスピードを生かした漕ぎで、スタートを切る。ラストまで気持ちで漕ぎ切ると、3位で着艇。銅メダルを手にした。「これからインカレに向けてチームを強くしていけば、自ずと自分も強くなる」(岩井)。来年のインカレで全種目優勝し、MVPを獲得するべく、冬のレベルアップの必要性を語った。
C-1-500m決勝では、入江(法3)、阿部(社2)の2名が出場。準決勝との間がわずか1時間という体力的に厳しい中で行われた。入江は6位、阿部は9位で着艇した。「他大学のライバルと4秒差をつけられた」と入江は調整不足を口にし、短距離のレースを想定した練習の必要性を感じたと振り返る。
女子の部、K-1-500mでは寺岡(社1)、安藤(スポ1)が決勝へ駒を進めた。1年間ライバル視してきた相手に競り勝つべく、寺岡はスタートからスピードに乗せることができるよう練習を重ねてきた。強みである前半のスピードを維持したまま、自分らしい漕ぎを見せつけるレースを展開。「今回メダルを取ることができて嬉しい」(寺岡)。惜しくも優勝には届かなかったが、寺岡は2位、安藤は4位と2人そろって入賞を果たした。
また、ペア競技ではWK-2―500mに寺岡・安藤ペアが決勝に進出。「8月末に行われたインカレでは悔いが残ってしまった」(寺岡)。ペアで息を合わせ、優勝を目指して今大会に挑んだ。ラスト100mで追い上げ、優勝で今シーズンを締めくくった。
今大会、同志社のラスト種目MC-2―500m決勝に橋本(2017年度スポ卒)・阿部が登場。阿部から極的に連絡をとる熱心さに魅力を感じた橋本がペアを組むことを打診。今大会に出場し、決勝まで駒を進めた。レース序盤、元日本代表と立命館大ペアが躍り出るも、阿部の奮闘もあり優勝を果たした。
この大会を通じて阿部は橋本から技術面だけでなく、カヌーに向き合う姿勢を学んだ。「来年の関カレやインカレでシングル、ペア結果を出せるようにこれからも頑張りたい」(阿部)と語った。今回、ペアを組んだ橋本は「日本一を取るような選手になってほしい」(橋本)と今後への期待を口にした。
大会を終え、来年度のインカレではチームとしてそれぞれが部門優勝を獲得すべく、各々が課題を挙げた。新シーズンに向けた挑戦を胸に、自身の課題と向き合う長い冬を迎える。(文責・構成、奥谷陽菜・湊結子)
【レース後のコメント】
〇橋本将都
ーー阿部さんとペアを組んだ理由
1番大きいのは、彼が本当に自分から僕に連絡取ってきて、色々熱心聞いてきたことが始まりですね。そういう熱心さや積極性がすごいいいなと思ったんで乗ったって感じですね。
ーー阿部さんの人柄について
彼は人の懐に入り込むのが上手い。多分9個ぐらい年離れてるんですけど、友達みたいな感じです。 可愛い後輩の1人だし、友達みたいな感じになってるのは、彼の明るさとかコミュニケーション能力かな。でももちろん後輩として挨拶とかもしっかりできた上で、仲良くするのが上手い、そういう後輩やなって思います。
ーー阿部さんと出会った時と比べて成長を感じた部分
すごく成長してて、カヌーに関しては練習を1年生の時に一緒にやる機会があったのですけど、その時とは見違えるほど練習についてくるようになってることが成長の部分で。でも元々ほんとに器用でポテンシャルもあるので、僕も負けるぐらい。練習の姿勢がすごい成長したなぁと。あとは1年生の時あんまり聞いてこなかったのですけど、2年生になってからいきなりたくさん聞いてくるようになったので、そこは強いなと思いました。
〇阿部
ーー橋本さんはの人柄について
喋る前はちょっと怖い印象あったんですけど、打ち解けたら面白くて優しい偉大な先輩です。
ーー橋本さんから学んだことや刺激を受けたこと
まずカヌーに向き合う姿勢を学びました。その姿勢の中でも時間がない時にどれだけ質の良い練習ができるか。短い時間中ですけど、いっぱい乗ることができました。
ーー橋本さんと組む前後で自身が変わったと感じる部分
橋本さんと練習してからは、やっぱりカヌーに対しての気持ちも変わって、今は全部前向きに動けていて、それを維持できてています。
ーーアドバイスで心に残っていること
レース、試合、練習とかの1本1本、そんなに気負わずに自分が漕ぎたいように漕ぐってことが1番心に残ってます。