カヌー部
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【カヌー部】総力をあげて戦ったインカレ(1)

 まだ夏の暑さが残る中、石川県木場潟カヌー競技場で第58回全日本学生カヌースプリント選手権大会が行われた。大会4日目となる9月3日決勝へと駒を進めた猛者たちが大舞台でしのぎを削った。

 大学から競技を始めたとは思えないような迫力ある漕ぎを見せたルーキーたち。JK-2 500㍍決勝に同志社からは3ペアが出場した。玉木(商1)・舟木(経1)ペアは中盤から徐々にスピードを上げる作戦が功を奏し、5位でフィニッシュ。「今までで一番いい漕ぎができた(舟木)」と嬉しそうに語った。続いて、笠井(文1)・湯田(生命1)ペアが6位、辻谷(商1)・榊原(法1)ペアが8位でそれぞれ着艇した。

 JC-2 500㍍決勝では菅間(商1)・古川(GC1)がペア出場が叶わなかった関カレでのリベンジを果たした。先輩から教わったことを意識して、スタートとゴールで加速。1位でゴールすると、続いて息の合った声掛けで篠原・松永ペアが2位でレースを終えた。

笑顔を見せる菅間と古川

 JK-1 500㍍決勝、スタートでライバルに前に出られてしまい、自身の思うような漕ぎができなかった笠井。「雰囲気に負けた」と語った彼だが、中盤から艇を加速させ、3位入賞を果たした。舟木は5位、湯田は9位でフィニッシュした。

 ルーキーたちに続き、熱い戦いで会場を沸かせたC-4 1000㍍決勝。強風で舵取りが難しい中、目標にしていた日体大に何とか食らいついた。先頭の城後(心理4)を筆頭にペースを作ったものの、500㍍地点から徐々に引き離され、結果5位で着艇。目標には届かなかったものの、「やり切った」とメンバー全員が口揃える悔いのないレースだった。

ポーズを決める伊藤真(スポ4)・菊池(商4)・平井(スポ4)・城後

 ルーキーと4回生で臨んだK-4 1000㍍決勝。スタートで出遅れてしまい、その焦りからいつも通りに漕ぐことができなかった。さらに、周囲の漕ぎ波を受け、思うように漕ぐことができず、悪循環に陥った結果は8位。「不甲斐ない結果で終わった」と伊藤朔(スポ4)は悔しさをにじませた。

 笑顔と涙のレースで観客を魅了した女子カヤック勢。冨尾(商4)、中嶋(スポ4)がWK-1 500㍍決勝に出場した。冨尾は「レース自体はいい漕ぎではなかったが、満足しかない」と強く言い切り、9位でレースを終えた。昨年、惜しくも4位で決勝に進むことができず、悔しい思いをした中嶋。しかし、リベンジの思いから自身にプレッシャーをかけてしまい、緊張状態に。前半の焦りから、ラストでガス欠状態になった。自身の漕ぎができなかったことに悔しさを見せながら、4位という結果に終わった。

 続くWK-2では、中嶋・川井(スポ1)ペアと冨尾・渡辺(スポ2)ペアが出場。スタートダッシュに成功するも、課題であるラストでスピードを上げ切れず、2位で着艇。「(中嶋を)勝たせてあげられなかった。」と川井は悔し涙を流した。一方の冨尾・渡辺ペアは歯車が上手く噛み合わず、9位に。しかし、経験者でなければ決勝に行くことが難しい中、決勝に進んだことは大学からカヌーを始めた冨尾にとって大きな自信に。冨尾は「(渡辺が)連れて行ってくれた。絶対に見られない景色だと思っていた」と嬉しそうに語った。

懸命な漕ぎを見せた冨尾・渡辺

 悔しさをかみしめながら臨んだWK-4 500㍍決勝。スタートでぐっと前に出ると、強豪武庫川女子大と並走状態に。「絶対に勝ってやろう」と闘志をたぎらせなら、前に前にと懸命に腕を動かした。残り200㍍の場面で武庫川女子大が加速。「ラスト!!!」。負けじと同志社大も声をかけ、船を前に進めた。わずかコンマ11秒差で武庫川女子大に敗れ、2位で着艇。1位には届かなかったものの、「楽しかった」とはじける笑顔でレースを終えた。

息の合った漕ぎを見せた冨尾・渡辺・川井・中嶋

 懸命に応援する仲間の声を背に、全力でパドルを握ったプレーヤーたち。手に汗握る熱い戦いの裏側には、これまでの必死の努力があった。チーム全員の持てる力すべてを出し切り、集大成を見せる。(文貴・小山莉奈、撮影・田組菜月、湊結子、白川愛梨)

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