第50回西日本選手権大会
11月2・3日に日本ガイシアリーナ(愛知県)にて第50回西日本選手権大会が開催された。男子の部に小林隼(スポ3)、中村俊介(商1)が出場。小林は7位、中村は3位入賞を果たした。
2日に行われたSP(ショートプログラム)。10番滑走で小林が登場した。『Fall On Me』のボーカルに合わせた深いスケーティングで流れを作る。一本目のダブルアクセルを華麗に決めると、トリプルルッツも着氷。最後のダブルフリップ-トリプルトーループは乱れたが何とか堪えた。リンクを大きく使った雄大な演技を披露し、50.39点をマーク。「練習とは違うところでジャンプを飛んでしまい、緊張していた」(小林)。FS(フリースケーティング)では、落ち着いた演技でジャンプを揃えることを目標とした。
中村は12番滑走でリンクに立った。ロック調の『Everybody』を選曲。左足を痛めている影響でジャンプの構成を変え、臨んだ。冒頭のトリプルアクセルで転倒。しかし、気持ちを切り替え、トリプルフリップ-トリプルトーループ、トリプルルッツを鮮やかに決める。キレのよいステップで観客の手拍子を誘い、リズム感のある演技を滑り切った。66.91点、5位につけ、「まとまりのある演技を目指したい」(中村)とFSに向けて意気込んだ。
3日に行われたFS。8番滑走の小林はロック調の『オペラ座の怪人』。冒頭のトリプルルッツは両足着氷となる。続くトリプルフリップを降り、勢いを加速させるとトリプルルッツ-シングルオイラー-ダブルフリップも成功。中盤、穏やかな曲調の場面では深いエッジに乗ったスケーティングを披露する。終盤は再び力強いメロディーになり、トリプルルッツ-ダブルアクセルを決める。最後のジャンプ、ダブルアクセルも成功。ベスティスクワットイーグルを決めると観客からの黄色い歓声を浴びた。ダイナミックかつスピード感のある演技を披露し、今シーズン初の100点超えとなる101.96点マーク。「大きな舞台でも演技をまとめることができ、昨年の弱かった自分を超えられた」(小林)。総合得点152.35点で7位となった。
最終グループの中村。6分間練習では各選手がジャンプを次々と成功させ、ハイレベルな戦いを予想させた。得点源の4回転を抜いた構成のため「ミスを少なく抑えよう」(中村)と心に留めた。『lo Ci Saro』の旋律に乗り、1本目のトリプルアクセル-ダブルトーループを着氷。トリプルアクセルも確実に決め、SPでのアクセルの失敗を引きずらなかった。トリプルルッツでは手をついてしまったが、残りのジャンプは大きなミスなくまとめる。技術面だけでなく、強い目力でジャッジへのアピールも意識的に行った。会場を重厚感のある雰囲気に包み、131.47点をマーク。総合得点198.38点で3位に輝いた。
表彰式では織田信成(大阪スケート倶楽部)、片伊勢 武 アミン(関大)とともに笑顔を見せた。
上位9名が全日本選手権へ進出し、小林・中村ともに出場権を獲得した。小林は2回目、中村はシニアとして出場する初めての全日本となる。残された期間で調整を重ね、最高の状態で大舞台に臨む。(古川亜依)