第93回全日本フィギュアスケート選手権大会
12月20日、東和薬品RACTABドーム(大阪府)で第93回全日本フィギュアスケート選手権大会1日目が行われた。男子SP(ショートプログラム)に小林隼(スポ3)、中村俊介(商1)、女子SPに吉田陽菜(GR1)が出場した。
全日本選手権の幕開けとなる男子SP。2番滑走で小林が登場した。11月の西日本選手権を7位で通過し、2年ぶりにこの大舞台へ帰ってきた。「感謝の気持ちを持って、楽しく踊りたい」(小林)。“苦しみながらも光や希望をつかむ”という思いを込めた『Fall On Me』。柔らかなスケーティングの流れに合わせ、1本目のダブルアクセルを着氷する。続くトリプルルッツも決めると、雄大なメロディーが会場に響く。伸びのあるスケーティングの中にステップで力強さを表現。最後のトリプルフリップは転倒してしまい、「力みが出てしまった」(小林)と振り返った。45.96点をマークし、30位となった。
中村は8番滑走でリンクに立った。ロック調の『EveryBody』を選曲。見せ場である冒頭、4回転トーループは転倒する。続くトリプルアクセルは安定感を持って着氷。アップテンポなリズムに乗り、トリプルルッツ-トリプルトーループも成功させる。キレの良いステップを軽やかに決めると、拍手を誘った。「最初こけたのが悔しいけど、そこから落ち着いて滑り切ることができてよかった」(中村)。観客を引き込む演技で73.96点をマーク、13位となった。
女子SP、23番滑走で吉田が登場。膝を氷上につけると天を見上げ、『Dark Clouds』の演技を開始する。冒頭のダブルアクセルを危なげなく着氷。続くトリプルルッツ-トリプルトーループも成功させ、勢いを加速させる。最後のジャンプ・トリプルアクセルも確実に降り、ここからはステップで魅せる。音と腕の動きを合わせ、会場を独特の世界観に染める。力強くメリハリのある演技で68.42点をマーク、9位となった。
上位24名がFS(フリースケーティング)に出場できるため、中村と吉田がFSへ。今季の集大成として、観客を沸かせる演技を期待したい。(文責:古川亜依、写真:関大スポーツ編集局提供)