フィギュアスケート部
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【フィギュアスケート部】インカレで中村俊が2位、吉田陽が6位入賞!

第97回日本学生氷上競技選手権

 1月6日、7日に小瀬スポーツ公園アイスアリーナ(山梨県)で第97回日本学生氷上競技選手権大会男子7・8級、女子7・8級が行われた。男子の部に小林隼(スポ3) 、中村俊介(商1) 、女子の部に吉田陽菜(GR1)、清水咲衣(スポ1)、前野百花(商2)が出場。全員がFS (フリースケーティング)に駒を進めた。中村俊が2位、吉田陽が6位となり、世界で活躍する2人がインカレでも躍動した。

華麗に滑る小林

  先に行われた男子の部SP(ショートプログラム)。20番滑走で小林は昨年の年末に開催された全日本選手権から構成を変えて臨んだ。ピアノの旋律にのって滑り始めると、ダブルアクセルを着氷。インカレに向けて特に強化してきたというスピンでは、3つのうち2つで最高評価のレベル4を獲得した。演技後半でジャンプの回転が抜け、コンビネーションにできないというミスがあったものの、自己ベストに迫る50.15点をマーク。「最後のミスは悔しいけれど気持ちをしっかりと切り替えてフリーに臨みたい」(小林)。16位でFSの巻き返しを誓った。

 リンクサイドに集まった仲間や友人の応援を背に、25番滑走で中村俊が登場した。トリプルアクセルで着氷が乱れるが、次のコンビネーションジャンプを鮮やかに決める。アップテンポな楽曲の曲調をとらえ、躍動感たっぷりに氷上を舞った。スピンはすべてレベル4を獲得。74.25点で4位につけた。演技中、時折笑顔をみせた中村。「みんな明るくて、大学ごとに頑張ろうという感じがすごく活気があって楽しい」(中村俊)とインカレ特有の雰囲気を味わっていた。

 続いて行われた女子の部。吉田陽が同志社のトップバッターを飾った。冒頭のダブルアクセルをなめらかに決めると、残りのジャンプも鮮やかに成功させる。スピン、ステップも全てレベル4で揃え、ノーミスの演技を披露。また、体を大きく使い、スピードに乗ったステップでは観客を惹きつける表情で魅せた。演技が終わるとリンクサイドのチームメイトに向かってグッドサイン。「みんなが応援してくれてみんなで頑張るというのがすごく楽しくて頑張れるのでこの雰囲気が好き」(吉田陽)。得点は60.56で6位につけた。

SPで演技をする吉田陽

 応援に駆けつけた仲間とハイタッチを交わし、清水がリンクに立った。普段はペアの選手として試合に出場しているが、インカレだけシングルに出場するという彼女。ペアの練習をした後に体力が残っていればシングルの練習をするというハードな練習をこなしている。最初のコンビネーションを決め、順調な滑り出しをみせると、続くジャンプも全て着氷させる。回転方向の変わるスピンを披露すると歓声が起こった。「(ペアとは違い)自由な振り付けが多いところが楽しい」(清水)。年末の全日本選手権で負傷した肩の調子が心配されたが、そのケガを感じさせない演技で48.02点をマーク。14位となった。

SPを滑る清水

 同志社のラストは前野。演技が終わった吉田陽や清水も応援に駆けつけた。序盤のトリプルフリップは転倒。「派手にこけてしまって結構痛かったけどぱっと気持ちを切り替えた」(前野)。そう振り返るように、転倒後のコンビネーションは見事着氷。演技後半のダブルアクセルも流れに乗り、成功させた。その後も持ち味である柔軟性を活かしたスピンやステップで観客を魅了。43.22点で21位となり、「人の心に残るような演技をしたい」(前野)とFSに向けて意気込んだ。

 迎えた翌日のFS。9番滑走で小林が登場した。冒頭の3回転ループ、3回転ルッツをクリーンに決め、GOE(出来栄え点)をそれぞれ0.49、0.59を得る。しかし、2回転ループ―シングルオイラー―ダブルフリップで体勢が崩れ、着氷が乱れた。「演技中に足がつってしまったハプニングがあった中で、ミスは最小限だった」(小林)。その言葉通り3回転フリップで転倒はあったがほかの要素をわずかな減点で抑えた。スピンでは最高評価のレベル4を獲得するなど練習で積めた技術を遺憾なく発揮。試合後「今まで準備してきたことが演技の中で出せなかった」(小林)と悔しさをにじませたが確かな足跡を残した。95.06をマークし、総合得点145.21の15位。

 今シーズンを振り返り、印象に残っている試合は2年ぶりの全日本選手権への切符を手にした西日本選手権と語った。来年は大学ラストシーズンとなる。「全日本選手権で進めなかったフリーに進出できるように頑張りたい」(小林)。来シーズン、進化を遂げる小林に注目だ。

 SP4位で逆転で表彰台を狙う中村俊は21番滑走で登場。冒頭の4回転トーループは回転不足を取られたが、なんとか着氷させる。続くトリプルアクセル―ダブルトーループではGOE1.07を獲得するダイナミックなジャンプを披露。順調な滑り出しを見せ、好演技に観客の期待が高まった。しかし、「最初の2本はうまくいったのでそのまま続けていこうと思ったが、2本目のアクセルでパンクしてしまったのが悔しい」(中村俊)。5本目に予定していたトリプルアクセルで回転が抜けてしまいシングルアクセルに。6本目のジャンプでは基礎点が11.77点の3連続ジャンプは成功させたが、続く3回転ループでもミス。後半の基礎点が1.1倍となるジャンプで得点を思うように伸ばせなかったが表現力でカバーする。曲を巧みに捉えた演技で、シーズンベストを更新するFS144.41、総合得点218.66をたたき出し、この時点で暫定1位に躍り出た。SP1位で最終滑走の佐藤(明大)に得点を上回られたものの、2位という輝かしい成績を収めた。

ポーズを決める中村俊
華麗に舞う前野

 その後行われた女子の部で、4番滑走に前野、11番滑走で清水、19番滑走で吉田陽が登場。前野は白の衣装をまとい『白鳥の湖』を優雅に演じ始めた。しかし、最初のジャンプでシングルトーループになってしまい、得点を伸ばせない。試合後にはジャンプ6分間練習では跳べていたが、昨日のSPで痛めた部位の影響で1発勝負で出せなかったことが悔しいと開口一番に語った前野。痛みを抱える中でも、中盤のダブルルッツ―ダブルトーループのコンビネーションジャンプを決めるなど精一杯できる演技をした。スピンでは最高評価のレベル4を獲得し、観客を魅了。FSで70.65、総合得点113.87をマークしたが最終順位は24位。結果は納得いかないものだったが「2回目のインカレでは、去年は緊張していたが雰囲気を楽しめた」(前野)と気持ちの余裕をもてるようになったと成長を実感した。

 清水は軽いタッチの安定感のある滑りが持ち味だ。冒頭、3回転ルッツーダブルアクセルーSEQを成功させた。その後、2本のジャンプで回転が抜けてしまったが転倒なく滑り切った。ペアの練習に専念していたこともあり率直に「練習不足だったかな」(清水)と演技を振り返った。自身はインカレを貴重な大会と位置付け臨んでいた。「大学の先輩方や監督の方にサポートしていただいた。感謝も込めて楽しく滑れたと思う」(清水)。FS80.85、総合得点128.87点の16位で大会を終えた。

 最終グループの1番滑走でリンクに立った吉田陽はトリプルアクセルが武器の選手だが、今大会では封印。最初のジャンプにダブルアクセルを跳んだ。しかし、着氷が乱れて減点、続く3回転フリップでもエッジエラーを取られてしまう。立て直したい吉田陽。ダブルアクセル―3回転トーループの2連続ジャンプと3回転ループを難なく成功させる。連戦による疲れの中での試合により、後半のジャンプにミスが出るが、わずかな減点のとどめた。世界の舞台で大きな飛躍を遂げ、常にプレッシャーや周囲の期待と戦うがインカレならではの雰囲気を楽しめたようだ。「楽しむことはできた。調整はまだ練習不足だったり、靴に慣れていなかったり。少し不安はあったがとりあえず楽しむことができて良かった」(吉田陽)。FS110.26、総合得点170.82で6位に入り、表彰式でも笑顔を見せた。

賞状を受け取り笑顔の吉田陽

 中村俊、吉田陽の2人の1年生が入賞を果たした今大会。インカレでは仲間の声援を力に楽しんで演技をする様子が節々に見られた。インカレ後は冬季アジア大会、国スポ、世界選手権、オリンピックテスト大会に挑むものとそれぞれ別れるが、各々の道で戦う同志社選手たちの勇姿を見逃すな。(文責・撮影:矢部彩香、若松晏衣)

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