
サマーカップ2025フィギュアスケート競技会
8月11日、木下カンセーアイスアリーナ(滋賀県)でサマーカップ2025フィギュアスケート競技会の選手権男子フリースケーティング(FS)が行われた。森本(商1)と中村俊(商2)がFSに駒を進め森本が13位、中村俊が6位に入った。

「大きな特定のジャンプがないので、まずは今自分にできるジャンプをしっかりやっていく」(森本)。12番滑走で登場した森本。第2グループ最後の演技ということもあり、注目が集まる。期待のまなざしと大歓声に包まれてリンクに立った。
シニア挑戦のFSは新プログラム。 「新しくできたプログラムをお客さんに見てもらえるようにしっかりと頑張りたい」(森本)と力強く舞い始め、最初のジャンプへ。トリプルルッツを決め、勢いを加速させる。2本目は習得したいと語っていた4回転(4回転ルッツ)に挑戦。転倒してしまったが、すぐに切り替えトリプルフリップ、トリプルループを立て続けに成功させる。さらに、ジャッジの前で大きくアピール。ピアノが高速になる曲調もうまく捉え、持ち味を存分に発揮する。後半は疲労もあってか、ジャンプの回転が抜けるなどミスが出たが『ピアノ協奏曲第2番』を見事に演じた。FS得点105.75、SPとの総合得点170.10の13位でシニア公式戦デビューを終えた。

最終グループの3番滑走で登場したのは昨年の同大会3位の中村俊。SP3位で迎える中村俊の6分間練習は、幾度も高難度のジャンプを決め完成度の高さを見せていた。使用曲は『ラストサムライ』。元フィギュアスケート世界王者・羽生結弦選手の伝説のプログラム『SEIMEI』を彷彿(ほうふつ)とさせるようなパフォーマンスで演技を開始。4回転トーループ―ダブルトーループはGOE(出来栄え点)を含めて、12.07をたたき出す圧巻のジャンプで会場のボルテージは序盤から最高潮。刀を抜く振り付けを披露し、プログラムの世界観を惜しみなく表現した。しかし、2本目以降ジャンプに乱れが。5本目のトリプルアクセルの着氷時には転倒し、頭を強く打ってしまう。それでも立ち上がり、残り2本のジャンプを着氷させた。結果はFSの得点122.45、総合得点203.51をマークし6位入賞。終盤はふらつきながらも演技を完遂し、執念を見せた。
シーズン序盤で実戦感覚を養う良い機会となった今大会。この大会を契機とし、オリンピックシーズンを個性あふれる演技で彩っていく。(文責・矢部彩香、撮影・若松晏衣)
