第51回西日本フィギュアスケート選手権大会
11月1~3日にかけ、木下カンセーアイスアリーナ(滋賀県)にて第51回西日本フィギュアスケート選手権大会が開催された。男子のカテゴリーには、小林(スポ4)、中村(商2)、森本(商1)が出場。小林が14位、中村が2位、森本が5位となった。
1日に行われた男子SP(ショートプログラム)。1番滑走で中村が登場した。冒頭のトリプルアクセルを鮮やかに決めるとトリプルループも成功。演技後半のトリプルルッツ―トリプルトーループは着氷が乱れたもののこらえる。『Yesterday』の世界観を情感たっぷりに表現した。「全体的に滑りがあまり良くなかった」(中村)。演技を振り返り、悔しさをにじませたが69.86点をマークし、2位につけた。

7番滑走で登場した森本。ダブルアクセルを流れに乗り決めたものの、続くコンビネーションジャンプで転倒する。しかし、すぐに気持ちを切り替えトリプルフリップを着氷。のびやかなスケーティングを披露し、会場を魅了した。「今シーズンで一番緊張した」(森本)。59.70点で6位につけた。

9番滑走の小林。トリプルフリップ、トリプルルッツ―ダブルトーループを決めると流れに乗る。最後のダブルアクセルも成功させステップへ。スピードを落とすことなく大きくリンクを使い、大きなミスなく滑り切った。会場を引き込む演技で観客席から万雷の拍手が沸く。「切り替えが上手くいき、まとまった演技ができた」(小林)。52.43点で14位につけた。
1日が空き、行われたFS(フリースケーティング)。同志社のトップバッターで9番滑走の小林が登場した。トリプルループを着氷させ弾みをつけると、ジャンプを次々と決めていく。安定感のある滑りを披露した。回転不足や着氷が乱れたものはあったが、まとめ上げる。会場からの歓声や手拍子を力に変え、『ロミオとジュリエット』の世界観を見事に演じきった。「練習してきたことを出せた」(小林)。2週間前に行われた西日本インカレから5点以上得点を伸ばし、フリーは98.92点をマーク。総合得点151.35点を獲得し、14位で今大会を終えた。

最終グループの1番滑走でリンクに立った森本。徐々に力強さを増していくピアノの和音とともに演技を開始した。冒頭のトリプルフリップは乱れるものの、ミスを引きずらなかった。トリプルルッツ―トリプルトーループを決め立て直す。その後は大きなミスをすることなくピアノの旋律に乗り大きくしなやかに氷上を舞った。演技終了後はリンク上でうずくまった森本。「緊張していたので、体力切れの部分とほっとした部分で全身の力が抜けた」(森本)。フリーは120.95点を獲得し、総合得点180.65点をマーク。5位に入り、目標に掲げていた全日本選手権への初出場を決めた。

大会も終盤にさしかかり、21番滑走で登場した中村。冒頭の大技4回転トーループは転倒するが、続くトリプルアクセル―ダブルトーループを成功させる。惜しくも着氷が乱れたが、演技後半にもトリプルアクセルを組み込み、会場を沸かせた。さらにトリプルルッツーシングルオイラーートリプルサルコーの3連続ジャンプも決める。「ミスを減らせば全然戦えるなという自信がついた」(中村)。気迫を感じさせる演技で復調の兆しを見せた。132.41点をマークし、総合得点202.27点を獲得。1位と約1点差まで迫り、2位となった。

上位8名が全日本選手権への切符をつかむ今大会。中村と森本が大舞台への出場権を獲得した。この結果を弾みに鍛錬を積み、最高峰の戦いへ臨む。(文責・若松晏衣、撮影・若松晏衣、村田あげは)