フィギュアスケート部
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【フィギュアスケート部】うたまさがアイスダンスRDで堂々の首位発進

第94回全日本フィギュアスケート選手権大会

 12月20日、国立代々木競技場第一体育館(東京都)において第94回全日本フィギュアスケート選手権大会の2日目が行われた。アイスダンスRD(リズムダンス)に森田真沙也(商4)が、男子FS(フリースケーティング)には中村俊介(商2)、森本涼雅(商1)が出場。森田がアイスダンスRDで首位発進となり、男子FSの中村、森本は総合得点でそれぞれ19位、20位を獲得した。

 アイスダンスRDの4番滑走として登場したのは昨年の全日本王者であり、「うたまさ」の愛称で知られる吉田唄菜(木下アカデミー)・森田カップル。五輪代表最終選考を兼ねた今大会に、出場組の中で唯一の五輪参加資格を有する2人には、代表権獲得への大きな期待がかかる。プログラム『Stomp to My Beat』のビートに乗せたダンスで演技をスタートさせると、会場はすぐさま大きな手拍子に包まれた。持ち味のスピード感を存分に発揮した疾走感溢れるツイズルでは、最高評価のレベル4を獲得。流れるような一心同体のステップで、観客をさらに引きつけた。曲のスピードに合わせより加速した演技の中でも、正確なエッジワークを見せる。あうんの呼吸でローテーショナルリフトをこなし、終始キレのあるダンスで演技を貫き、68.78点をマーク。1位につき、王者としての貫禄を見せつけた。「今自分たちができる及第点の演技ができた」(森田)。演技を振り返り語った。

息ぴったりの演技で観客を魅了するうたまさ

 男子FSでは3番滑走として中村俊が登場し、プログラム『ラストサムライ』を披露した。前日に行われたSPでは思うような演技ができなかった中村。ゆっくりと刀を抜くような所作で演技を開始すると、冒頭の4回転トーループに挑む。ここは着氷で手をつく形となったが、続く大技のトリプルアクセルでは、着氷時にわずかに乱れながらも堪えて見せた。音楽が盛り上がりを増す中盤、刀の音とともに「侍」のごとく刀を振るう力強い表現で会場を惹きつける。予定していたコンビネーションジャンプが単独ジャンプになる場面もあったが、演技後半にはトリプルルッツーオイラーートリプルサルコウの3連続ジャンプを成功させ、意地を見せた。「SPから気持ちを切り替えて、最後まで諦めず滑りきることができた」(中村俊)。プログラムに合わせた気迫のある表現で演技を終える。結果は総合得点194.10点で19位となった。

表情のこもった演技を見せる中村

 続く4番滑走では、森本がリンクに立った。プログラム『ピアノ協奏曲第2番』の伴奏に乗せ、情感のこもった伸びやかなステップを見せる。1本目のトリプルフリップを完璧に決めると、続くトリプルルッツートリプルトーループのコンビネーションジャンプも鮮やかに成功させた。緩急をつけたしなやかな体使いで観客を魅了する。基礎点が1.1倍となる演技後半には、トリプルルッツーダブルアクセルのコンビネーションジャンプを着氷させると、続くトリプルループも成功。すべてのジャンプをコンスタントに決める安定感を見せた。最後は力強いピアノの旋律に合わせたスピンで締めくくる。総合得点193.18点で、中村俊に次ぐ20位となり、激戦の中でもこれまで積み上げた実力を発揮した。「今日のFSは、初めて楽しいという気持ちで試合に臨めた。来年も必ずこの舞台に戻っていい演技をしたい」(森本)。演技を振り返り、笑みを見せた。

安定したエレメンツを見せた森本

 五輪代表選考という緊張感漂う中、それぞれが持ち味を発揮した今大会。選手たちは各々の目標を見据え、次なる挑戦へと歩みを進める。(文責・村田あげは、撮影・矢部彩香)

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