5月６日に行われた京都FAカップ２０２３決勝戦vsAS.Laranja Kyoto。同志社はPK戦４－５と惜敗。２年連続での天皇杯出場は叶わなかった。

　スタメンにはＧＫ波多野(スポ２)、ＤＦに本田（経３）、小山（法３）、廣島（社３）、金沢（スポ３）、久世（文情４）、ＭＦに野頼（法１）、志知（商４）、國府田（政策４）、鹿取(商２)、ＦＷに渋谷(経４)が起用された。

　事前の天気予報では雨。しかし、天皇杯出場をかけた舞台を照らすように晴れ間が広がった。スタンドには応援が駆け付けイレブンを後押し。絶対に負けられない同志社は気合十分で試合に臨んだ。

　同志社の最初のチャンスは前半8分、中央でボールを持った廣島の縦パスに鹿取が受け、縦に仕掛ける。鹿取がDFを抜き、シュートを試みたが、出足の速い相手GKに防がれ得点とはならなかった。

　廣島が攻撃時にアンカーとして、高い位置を取ることでボールが回り、主導権を握る時間帯が続く。

　23分には、会場を沸かすプレー。金沢のロングボールにタッチライン際で渋谷が追いつく。すると相手の裏をかき、裏街道を通し、クロス。中にいた野頼には惜しくも合わないがスーパープレーでチームを勇気付けた。

　その後は相手も徐々にチャンスを作り始める。同34分にはカウンターから、左45度からのカットインのシュートを浴びる。ボールはクロスバーを叩き、危機をしのいだが、GK波多野からは集中を入れなおすよう檄が飛んだ。

　前半はお互いにチャンスを活かせず、スコアレスで折り返す。

　後半がキックオフ。重い空気を断ち切るべく、とにかく一点が欲しい状況だった。

　後半5分、早速同志社にチャンスが訪れる。右サイドで鹿取がボールを持ち、志知とのパス交換。2人の連携でシュートまでもっていくが、相手DFに防がれた。

　勢いは完全に同志社にあったが、相手の強度の高い守備に苦戦。ファール覚悟の守備に行手を阻まれ、決定的なチャンスを作れずにいた。

　すると、同40分、逆に後半1番のピンチを迎える。CKの混戦から至近距離でシュートを許す。波多野が反応して逃れ、そのまま決着はつかず延長戦に突入した。

　延長後半開始41秒には、相手に中央を抜け出される。小山が懸命に戻るも振り切られ、絶対絶命。そこへ救世主が現れる。波多野が前に出て、ボールを弾く。延長戦最大のピンチも防ぎ、そのままPK戦に突入した。

　同志社は後攻。1本目は、京都府選手権決勝では決められなかった主将國府田。重要な決勝の舞台で再び今回も1本目を引き受けた。すると、その1本目をきっちりと決め、拳を突き上げた。主将が決めた勢いそのまま4本目までを互いに成功する。しかし5本目。相手の5人目が成功し、外したら負けという場面に追い込まれる。会場が見つめる中、志知の5本目。ボールはポストを叩く。あと一歩が及ばず。イレブンは肩を落とし地面を見つめた。

　試合後小川コーチは「昨年経験できたすばらしいことが経験できなくなり残念」と、悔しさを滲ませた。勝てば天皇杯という一発勝負の今試合。全国大会を目標とするチームにとって苦すぎる現実だ。次戦はリーグ戦で関福大と対戦する。インカレを含め、全国大会出場のチャンスはまだ残されている。「1年間かけてどれだけ出来るかが大事。今回の敗戦が良いきっかけになれば」(小川コーチ)。全国への壁を壊すべく、再起を誓う。

（文責：大嶽悠雅　撮影：浅川明日香）