
西日本学生ハンドボール選手権大会
令和7年度西日本学生ハンドボール選手権大会インカレ決定戦が福岡市総合体育館で行われた。
予選リーグ3戦目の中部大学に敗戦し、2勝1敗で迎えた、インカレ出場決定戦。相手は九州リーグ1位で強豪校である福岡大学との対戦となった。
「相手が福岡大学だからといって臆することなく、普段通り自分たちがやってきたことを出そう」(上村・スポ4)。 前日に強豪・中部大学と戦い、敗北したものの、十分に戦えるという自信をつけ望んだ運命のインカレ出場決定戦。
試合を通じてミスが少なく、ディフェンスから速攻という同志社のスタイルを徹底。前半は序盤から堅い守備が機能し、そこからの速攻や鎌倉(生命医科1)を中心とした速いオフェンス展開でペースをつかんだ。

シュートを放つ市場(商4)
また、課題であったセットオフェンスからも得点するなどリードを保つ。フィジカルの強さや個々の能力の高い福岡大学に対し、ディフェンスでは数的優位を作り、運動量で絶対に負けないことを徹底。オフェンスでは1対1にこだわらず、ボールを素早く回して相手を揺さぶり対応し、前半を17-12で終えた。

ベンチの様子
ハーフタイムでは前半で通用したプレーを後半も継続することと、気持ちを切らさないことを確認。「普段は私が中心となって声をかけるのですが、この試合では全員が熱くなっていて、私が割って入る必要がないほど一人ひとりが強い意志を持って話していた」(上村・スポ4)。全員がこの試合に懸ける熱い思いが溢れ、後半に繋いだ。
しかし後半17分、同志社が2人同時に2分間の退場となるピンチが訪れる。本来であれば、相手に流れが傾くところを谷口(商4)のセーブや根間(経4)や市場(商4)の活躍で、この時間帯を2-0で上回り、リードを死守。この最大のピンチを防ぎ切り、大きな転機となった。

ペナルティシュートを決める根間(経4)
後半25分の時点で30-24と6点差を付けリードしていた同志社。しかし、試合終了間際に福岡大学がオールマンツーを仕掛けてくる。「強い気持ちで攻め切れず点差を縮められてしまった」(上村・スポ4)。試合終了間際、5連続得点を許し追い込まれた同志社。試合終了残り1分を切り30-29の1点差となる。

好セーブをみせた谷口(商4)
しかし、今までに積み重ねたリード分の1点差が命運を分け、そのまま逃げ切り、試合終了。30-29の1点差で勝利を収めた。「勝ち切れた一番の要因は今大会に懸ける気持ちの強さ。6年ぶりのインカレ出場がかかっていたこともあり、特に3・4回生は苦しい時期を経験してきた分、絶対に勝ちたいという思いが最後までプレーに表れました」(上村・スポ4)。試合終了の合図とともに選手たちは、笑顔で互いを讃え合い、喜びを噛み締めた。



試合終了後、喜びたたえ合う選手たち
「6年ぶりのインカレ出場を決められて本当に嬉しかった。特に、苦しい時間を共に過ごしてきた同期と目標を達成できたこと、そしてチーム全体としても大きな目標を成し遂げられたことが何より嬉しい」(上村・スポ4)と勝利後の気持ちを率直に表した。

観客席に向け喜びを見せる選手たち
西日本インカレを通し、キーパーを含めたディフェンスの安定感が増し、また一人ひとりの役割が浸透したことでチームの一体感がより高まった同志社。一方で、次の秋リーグや全日本インカレに向け、速攻からの得点が安定しなかったことが課題として見つかった。「秋季リーグでは春に成し遂げられなかった3位以上を、全日本インカレではベスト8が目標」(上村・スポ4)。6年ぶりの全日本インカレ出場権を獲得する快挙を成し遂げ新境地に立った同志社。さらなる飛躍を目指し、奮闘する。
(木田恋菜)