空手道部
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【空手道部】優勝杯持つ願いは後輩へ

第67回全日本大学空手道選手権大会

 11月19日、日本武道館(東京都)にて第67回全日本大学空手道選手権大会が行われた。同志社からは男子団体組手と女子団体組手、男子団体形と女子団体形の全ての部門において出場。結果は女子団体形競技が準優勝、男子団体形競技が3位入賞を果たした。

 同志社の大会初戦は男子団体形部門。笹岡(スポ健4)、東畑(社会4)、渡邊(社会2)が出場し、初戦の第一回戦ではクルルンファを選択した。相手を魅了する技で観客を魅了し20.00点で2回戦へ1位通過。続く第2回戦は同メンバーで選択した形のパープーレンで勝負に挑む。力強い一突き一突きが観客を沸かせ、素早い蹴りの躍動感で魅了するも、1回戦で僅差であった駒澤大と同点。同点となった場合、5人いる審判の最高点、もしくは最低点が高いほうの勝利というルールにより、同志社は惜しくも敗北。「1回戦で1位通過したとき、嬉しそうにしていた二人が印象に残っており、絶対いけると思っていた。正直自分の持っている力を出し切ったという清々しい気持ちの中に悔しい気持ちがある」(笹岡)。日本1だけを目指し鍛錬に励んだが、3位入賞に終わった。

演武する笹岡、東畑

 すぐさま始まった女子団体形部門。三井(社会4)、菊地(文情2)、北口(スポ健2)が出場し、男子と同じくクルルンファを選択した。完成度の高い洗練された形と他校と比べても一際響き渡る気迫篭(こも)る掛け声で結果は19.00点。2回戦へ2位通過となった。続いてパープーレンを演武。指先まで1ミリの狂いもなく演じきり、22.10の高得点を叩き出し、決勝戦へと駒を進めた。迎えた女子団体形部門の決勝戦。前半の同志社大学はアーナンを選択し、後半の帝京大はウンスーを選択した。演舞開始と同時に緊張と静寂に包まれた空間となり、選手たちの怒号が響き渡る。一挙手一投足が揃った演舞に拍手が上がり、洗練された技と凄まじい気迫は選手たちの練習量を物語っていた。後半の分解ではこれまでの動きとは違う実践的で流動的な突きと蹴りが繰り広げられる。3人の息のあった戦いに会場がざわめき、拍手が鳴り止まない。相手のウンスーと引けを取らない演舞で観客全員が得点台に目をやった。結果は28.8対27.7で敗北。「優勝を目標にやってきたが、決勝の舞台での演舞が1番よかった。悔しさよりやり切った気持ちが強い」と女子団体形を最高学年として引っ張ってきた三井は振り返った。

分解を披露する三井


 
 男子団体組手の初戦の相手は中京大と対戦。先発は辰巳(商1)で開始した。互いに距離を詰め、激しい戦いが始まり開始から1分20秒、相手の上段突きが先制点となり、その後50秒でさらに上段突きが成功。しかし残り40分で3点技を成功させ、形勢は逆転。攻めの姿勢は崩さず、次に繋げた。続く山川(商1)は相手をコート外に追いやる猛攻を序盤から繰り広げ、一点が有効となり先制点を獲得。相手の動きに反応し、攻撃を交わしながら攻めるも得点はうごかない。そのまま1ー0で勝利となった。次は木村が出場。素早い突きで開始から相手に攻め込む木村(商2)であったが、残り44秒でで中段突きを取られてしまう。ピンチに追い込まれたが最後の1秒で蹴りが決まり、(1ー3)で逆転勝利となった。次なる為本(社2)は開始から相手を睨み合う形で大きく衝突することなく30秒経過、大きな相手の突きから打ち合いが始まった。しかし、残り38秒で相手の中段突きがきまり(1ー0)。その後点を取って取られてが続き、結果は(2ー1)で敗北となった。最後は廣が対戦。開始から1分経過しても、大きく試合は動かない。1分を超えて激しい打ち合いが両者間で行われたが、点数は動くことなく(0ー0)で終了。チームの得点差が(5ー8)で同志社の勝利となった。2回戦で戦うのは空手道強豪校の帝京大。強豪校を打ち破り、優勝へ一歩進めたい。第1ラウンドは廣(商2)が出場。気合十分に望んだが、開始15秒で上段突きを食ってしまった(0-1)。相手の隙を見破り残り15秒で上段突きを有効にし、そのまま試合終了(1-1)。続く為本へとバトンを繋ぐ。試合開始1分、両者同時に突きを入れた。しかし、点数は相手に入り(0-1)、さらに続けて上段突きを食らう。残り時間30秒、為本に上段突きで為本に1点を追加(1-1)。しかし、相手はそれを上回り、1-4で試合終了のベルがなった。第3ラウンドの木村は、相手の突きを見事に避け、逆に突きを決める(1-0)。さらにその30秒後も上段突きで2-0に。試合時間残り50秒時点、両者一斉に攻撃し、相手の突きで2-1。優位な立場で試合を展開し、そのまま勝利した。続く第4ラウンドの井戸(スポ4)は、0-1の状態が続きなかなか反撃の糸口を見出せずにいた。残り時間8秒を切ると攻撃を仕掛けた井戸だが、逆に突かれ0-2。帝京大に1-3で敗北を喫した。

上段蹴りを狙う井戸

 続く女子団体組手部門。シードで初戦を通過し、2回戦。川崎医療福祉大と対戦した。先発の片岡(スポ1)から出場し、早々から攻撃を仕掛ける。1分を超え、撃ち合いはさらに激しくなるものの点数は動かない。(0ー0)で試合終了となった。二人目は釜(スポ2)。相手と距離を保ちながらも蹴りや突きで相手をコート外に追いやる。1分半で上段突きが決まり一点。1分を切ったところで続けて上段付きを2本決め(3ー0)にまで差を広げた。釜の怒涛の攻撃は止まない。残り30秒で上段突きをさらに決め4-0で終了。最後は三年の岡田(商3)。開始から5秒で突きが決まり一点を獲得。さらには残り1分で得点を2点獲得し、勢いは止まらない。さらに突きが決まり(4ー0)。仲間の声援の中、激しさは増し突きが決まる。結果は(6ー0)で圧勝。試合終了で次戦へ進んだ。3回戦で戦うのは東京農業大。第1ラウンドの武田(現代社会2)は、試合開始20秒から立て続けに上段突きを決める(0-4)。そのままの勢いで試合時間1分を残して6点目を獲得し勝利した。続く釜も優位な立場で試合を展開し、4-0と力を見せつけ、4回戦へと駒を進めた。4回戦目では、昨年優勝者の帝京大との対戦。この試合に勝利すると、全国制覇への道が格段に広がる。第1ラウンドの釜は、いつもより慎重に攻撃の隙を読む。残り時間45秒、釜の上段突きが有効になり先制点を獲得する。しかし、残り時間15秒で相手の上段突きも有効になり、1-1。結果は同点と、一筋縄ではいかなかった。続く岡田は、果敢に攻撃を仕掛ける。コートはじに追いやられこともあったが、試合は硬直し0-0で終了。たすきは武田へと引き継がれた。果敢に攻め込む相手に対し、冷静に対応する武田であったが、残り時間1分を切ると、先制点を相手に奪われてしまった。部員が見守るなか、武田は上段突きを決めようとするも、なかなか有効にならず0-1で試合終了。悔しくも帝京大に敗れた。

上段突きを狙う武田

 東京の地で今年最後の試合に出場した選手たち。主将の笹岡は「練習も厳しかったと思うし、悩んでることもあったと思うんですけど、あの場所であれだけの演武を出し切れたのはすごいと思うんで、そこは誇ってほしいし、次につなげる経験にしてほしい。この悔しい気持ちを忘れずに来年、再来年と自分の代わりにリベンジしてほしい」と後輩たちにエールを送る。巣立っていく先輩たちの思いを引き継ぎ、聖地である武道館で優勝を掴み取れ。(文責・撮影:平沼栞、倉田蓮大)

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