第68回全日本学生空手道選手権大会
7月6、7日、ヴィクトリーナ・ウインク体育館(兵庫県)にて第68回全日本学生空手道選手権大会が行われた。同志社からは男子組手と女子組手、男子形と女子形の全ての部門において出場。結果は男子組手競技において木村(商3)が優勝。女子組手部門で釜(スポ健3)が準優勝を果たした。
男子組手部門では前本(社4)、廣(商4)、木村が出場。前本、廣は順調に順位を上げていくも三回戦敗退となってしまった。残す木村は初戦から相手の攻撃を見切り、正確な攻撃で得点を挙げ、着々と順位を上げ、冷静な判断と鋭い突きを武器に2回戦、3回戦と突破。準決勝に進出した。準決勝では体格の大きな相手と対戦した木村。間合いを保ちつつ、攻撃を繰り返すも得点は動かない。二人の激戦に観客のボルテージはあがる。相手の上段蹴りを腕で抑え、失点のピンチを逃れる。そのまま勝敗は決まらず判定へ。結果は3-1で勝利。決勝の舞台へ駒を進めた。
迎えた最終戦で木村と相対するのは明治大の佐竹。両者鋭い眼差しを送りながら、コートに入場した。会場の歓声は止み、緊張が走る。開始から爽快なステップで相手の懐へ潜り込んだ木村。しかし開始から1分で相手の上段突きが決まり、先制点を奪われてしまう。終盤にかけて攻撃の姿勢見せてきた準決勝までのスタイルと変わり、序盤からハイペースで攻撃を繰り出した。「先制点を取られ、絶対に取りに行くという気持ちが出た」(木村)。相手のペースに飲み込まれぬよう、間合いを確保し、蹴りを仕掛ける。上段突きをタイミングよく繰り出し、成功で1-1。残り1分を切った段階で、さらに続けて中段蹴りを成功させ3-1で大きく点差を付けた。最後までコートを広く使いながら相手を翻弄。攻撃の手を止める事なく、試合終了のアラームが鳴り響き勝利を勝ち取った。
続く2日目では女子形部門、女子組手部門、男子形部門に出場した。女子形部門には釜、岡田(商4)、武田(社3)、小川(スポ健2)が出場。初戦から点差をつけ、岡田、武田、小川いずれも奮闘したものの準決勝には届かず、敗退という結果に終わってしまう。同じく初戦から圧倒的な実力を見せつけた釜。初戦から果敢に攻撃の手をやめない姿勢で相手を撃破。続く2・3回戦も二点以上の差をつけ勝利を収めた。迎えた準決勝。開始から互いに距離感を保ちながら30秒が経過し、釜の蹴りをきっかけに組み手は激しさを増す。両者の一突きずつに歓声は上がり、釜が先制点を奪い取った。さらに追加得点を獲得する力強いオフェンスや、相手の攻撃に的確にディフェンスする釜。ラスト10秒でで失点を許してしまうものの、冷静さを欠かず、そのまま勝利。決勝の舞台に駒を進めた。
迎えた女子組手決勝戦。相手は中部大の寺澤。激戦を始まる前にも関わらず、釜には笑顔が見られた。緊迫した雰囲気の中、試合開始。両者動きがないまま、様子を伺う。開始から30秒。相手の蹴りを抑え、1点を狙うも失敗。しかし、すぐさまモーションに入り、突きを決め1-0で先制点を奪った。しかし相手も負けじと突きを続け、同点にまで追いつかれてしまう。緊張の中「先輩、落ち着いて、前です」と観客席からは仲間の歓声が響き、釜に笑顔が戻った。立て直しを図りたい残り1分。渾身の突きに歓声が湧き上がるも点数には繋がらず、中断蹴りも無効となってしまう。ここで相手選手の一本である上段蹴りが成功。1ー4で点差は大きく開き、釜はピンチに陥ってしまう。しかし決してペースを崩さない釜。残り30秒で上段突きを成功させ2-4。どれほど窮地に立たされても自分を見失わず、攻撃をやめない。結果は更に中段突きをもらい2-5で大敗。負けてしまったものの、笑顔が途切れることはなかった。
「初めて挑戦したスタイルで勝てて素直に嬉しい」(木村)。2日目で闘う仲間たちに勝利のバトンを繋ぎ、自身の組手のスタイルを確立させ木村にとって意義のある大会となったと振り返る。準優勝の釜を含め、惜しくも優勝旗を逃した同志社の選手達。悔しさをバネに鍛錬を積み重ね、磨きあげられた技で次大会で更なる活躍が見られるだろう。(倉田蓮大、平沼栞)