9月11日に第70回関西学生剣道優勝大会および第46回関西女子学生剣道優勝大会がエディオンアリーナ大阪で開催された。女子チームは13年ぶり2回目の優勝、男子チームは1回戦敗退となり、全日本大会出場権を逃した。
個人戦を終え、関西だけでなく全国の剣士たちとの戦いで得たものを糧に団体戦を迎えた。まず、コートに足を踏み入れたのは女子チーム。2年連続の全日本大会出場、そして悲願の関西優勝を目指し、戦いの火蓋が切られた。シード権を獲得し、初戦の相手に関福大を迎えた。この日、初めてメンバー入りを果たした先鋒塚田(商1)が面を連続で取り二本勝ち。その後、副将御手洗(商2)も二本勝ちを収め、2(4)-0(0)でストレート勝ちとなり、初戦をものにした。勝てば全国大会出場が決まる3回戦では経法大と対戦。全員が勝利し、2年連続で全日本大会への切符を手にした。
勢いに乗った女子チームは4回戦で近大と対戦。塚田が面で一本勝ちを収め、コートに入ったのは次鋒有村(生命3)。体格で劣る状況となったが、「とにかく大きいけれど気持ちで負けない」と意気込み、試合に挑んだ。しかし、最後まで粘りを見せたものの、一本負けを喫してしまう。後に続いた中堅小船井(スポ2)、副将御手洗も引き分けで試合を終え、コートに立ったのは大将細田(スポ3)。張り詰めた空気の中でも落ち着いて技を出し、突きで一本勝ち。2年連続の準決勝進出を決めた。
快進撃を続ける同志社の準決勝の対戦相手は関西大会上位常連校の園田学園女大。強豪校にも怯むことなく選手たちは積極的に攻撃を仕掛け、一本を奪う隙を伺う状況が続いた。しかし、相手も負けじと攻撃を仕掛け、一進一退の攻防が続く。拮抗した展開が続き、0(0)-0(0)で代表戦へともつれ込んだ。同志社からは大将細田が出場。相手は5月に開催された関西個人大会の優勝者である池田(園田学園女大)。「相手の方も1回個人戦でやったことがあってその時に負けてたので若干怖い気持ちもあった」。リベンジを果たし、昨年は挑むことのできなかった決勝へと駒を進めるべく、戦いが始まった。格上相手にも怯むことなく華麗に面を決め、一本勝ち。「みんながつないでくれた勝負だったので、この勝負には絶対応えたいなと思ってしっかり強気でやりました」と仲間の思いを背負い、大一番を制した。
ついに迎えた決勝戦の対戦相手は前回の優勝校である大体大。昨年、準決勝で敗れた因縁の相手と雌雄を決することとなった。最初にコートに立ったのは塚田は、試合開始直後から相手のパワフルなプレーにも落ち着いて対応。隙を伺い、一本を決めようと試みるが、引き分け。続いて試合に挑んだのは有村。最後まで粘り、一本勝ちを収め、チームに流れを呼び寄せた。1つでも多くの一本を得て、優勝への布石を得たい同志社。次に試合に挑んだ中堅小船井が引き分けとなり、続く御手洗が2本勝ちを収め、勝利が確定。味方ベンチからは歓声が巻き起こった。
長年の目標だった関西優勝を13年ぶりに成し遂げ、大将を務めた細田は「正直びっくりしてて、優勝できるって思ってなくて本当に嬉しいです。」とコメントし、喜びをあらわにした。
女子チームの勢いに乗りたい男子チーム。初戦は摂南大と対戦した。「今まで以上に絶対に優勝したいと思い、当日の試合に臨みました。この1年間チームが一丸となってこの大会に向けて稽古をしてきた」(奥野・商4)熱いおもいを胸に試合に挑んだ。
しかし、先陣を切った先鋒小倉(商2)がまさかの2本負けとなり、チームに暗雲が立ち込める。次鋒中谷が勝利し、同点に持ち込んだものの、森本(スポ4)、浅野が引き分け、渡會(法1)が一本負けを喫し、相手の勢いにのまれてしまう。負ければ、敗退が決まる場面でコートに立ったのは副将山口(法3)。一進一退の攻防が続き、味方ベンチにも緊張の糸が張り詰める。その均衡を打ち破ったのは山口だった。「後輩の負けを消してあげるのが先輩の仕事でもあると感じていたため、やるしかないという気持ちで試合に臨みました」。きれいな剣さばきで突きを決め、一本勝ち。同点に持ち込んだ。その後、大将奥野が引き分けとなり、代表戦にもつれ込んだ。仲間たちが固唾をのんで見守る中、代表戦が始まった。なんとしても負けられない一戦。なんとか技を出す機会を伺い、粘りを見せたが、隙を突かれ、一本負け。「上位での試合にばかり気を取られ、目先の1試合1試合を大切にできなかった」(浅野・経4)ことが敗因となり、1回戦敗退。全国大会出場を逃すだけでなく、シード権を失う結果となった。今試合をもって4年生は引退。まさかの結果に「悔しさしかありません」(森本)と悔しさを滲ませ、不完全燃焼のままコートを去った。
女子は優勝、男子は1回戦敗退という類を見ない戦いとなった今大会。「去年は1回戦敗退してしまったので、今年は関西優勝したという自覚を持って今回の全日本はベスト4まで食い込めるようしっかり練習していきたいと思います」(細田)。男子チームの思いを胸に、11月に開催される全日本大会で目標達成のために努力を重ねる。(文責・杉山舞、撮影・古川亜依)