ラグビー部
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【ラグビー部】攻守ともに奮闘し黒い壁打ち破った

 5月28日、同志社大学京田辺キャンパスラグビー場(京都府)で2023年度関西大学春季トーナメント戦準決勝が行われた。天理大相手に厳しい試合運びとなったが、41ー33という点差で接戦を制した。キックオフと同時に天理大の大きいプレッシャーが押し寄せ、始まった。

入場する山本敦(社4)


 まずは開始1分、中央右ラインアウト敵ボールからフェイズを重ねるも堅いディフェンスでラインを徐々に押していく。敵陣中央のマイボールスクラムを奪われるも、インターセプト。右に大きく展開し、ゲインを重ねるもノットリリースザボールで勢いを止められる。しかし、同志社も粘りを見せ、膠着(こうちゃく)状態が続く。
 試合が動いたのは同9分、鈴木(政策3)がスクラムからビックゲインし、その後左大外へとボールを展開する。芦塚(社4)から桃田(商2)へとボールをつないでトライ(7ー0)。「80分間常に集中し続ける」(山本敦)の言葉通り、先制点をものにした。

ボールを持つ鈴木


 その後、自陣での時間が長く続き、ファイアラガ(社1)のキックから陣地を回復するも留学生の強力なアタックにディフェンスラインが徐々に下がっていく。そして自陣5㍍相手ボールラインアウトとされるも、オーバーボールに救われた。

パスを出すファイアラガ


 同20分、ノットロールアウェイを取られ自陣ラインアウトまで持ち込まれる。そして、FWのサインプレーから5㍍まで食い込まれ、その後ピックアンドゴーからトライを奪われた(7ー7)。
 さらに27分、キックの蹴り合いとなり陣地を取られてしまう。ラインアウトからとBKへと展開され、同志社ディフェンスのギャップを突かれて失点(7ー14)。
 取り返したい同志社は同30分、キックオフから相手のオブストラクションで敵陣5㍍のラインアウトまで持ち込んだ。オーバーボールとなるもフェイズを重ね、岡野(商4)が勢いある突破でトライを返した(14ー14)。
 天理大も譲らない同35分、自陣での反則が響きラインアウトモールからFWの近場を攻め込まれる。同志社も粘りのディフェンスを見せるも、最終的にトライを献上した(14ー19)。
 前半のうちに点差を縮めたい同志社は同39分、中央で停滞した状況で、藤田海(商3)がタックルで相手のノックオンを誘い、アドバンテージが出ている中、絶妙なパントキックから芦塚(社4)がトライラインへ飛び込んだ(21ー19)。「狙っていた」(芦塚)。その後ディフェンスでも粘りを見せ、流れを同志社がつかんだまま前半が終了した。

ねじ込む岡野

勢いを切りたくない後半戦。1分からいきなり岡野がディフェンスに当たりながらもゲインし、芦塚からファイアラガ、そして桃田とつなぎ、敵陣深くまで切り込んだ。そこから数的有利をつくり、芦塚からボールを受けた福田(理4)がトライへと持ち込んだ(28ー19)。


 ディフェンスでもしっかりと1人に対して2人でタックルにいき、敵陣でのプレーが増えていく。
 同15分、相手のブレイクダウンからペナルティを奪い、PG(ペナルティーゴール)を選択。この試合ここまでキック成功率100%の嘉納がしっかりと決め、得点を31とした。「接戦になるような気がしてたので、取れるところで点数を取る」(嘉納)と冷静に戦況を分析した。
 しかし天理大もキックオフからボールを保持し、同志社のペナルティーで自陣5㍍ラインアウトからモールを組まれる。そこから同志社がブレイクダウンに寄ったところを中央にパスを出され、トライを許した(31ー26)。
 同志社も中央ラインアウトからファイアラガが相手ディフェンスをギャップを突破。そのままパスをつなぎ、最後はサポートした岡野がフィニッシュした(36ー26)。今試合何度も天理ディフェンスを鋭くゲインした岡野は「しっかりとフォローついた上でトライができてよかった」と自分たちのアタックに自信を持った。

インゴールに飛び込む岡野


 そして立て続けに、組み直したスクラムからボールを出し、嘉納がキックで大きく陣地を回復した。敵陣でプレーし、キックから大きくゲイン。その後あふれたボールを山本が拾い、大外へとつないで上嶋(スポ1)が公式戦初トライを飾った(41-26)。このトライについて上嶋は「(嘉納から)いいパスがきて内に逃げようと思ったがディフェンスがいて、勝負できるかなと思って勝負した」とコメントを残した。

トライに喜ぶ選手たち


 その後、ラインアウトからモールを組まれ失点するも、最後は安定した試合運びで勝利をつかんだ。
 決勝戦となる次のトーナメントに向け、宮本監督は「フィジカルが強い相手ですけど、自分たちがコンタクトの部分でどれだけやり合えるか」と優勝に向けて自分たちの道筋を明らかにした。
 最後まで集中力を切らさず、粘り勝った同志社。決勝まで駒を進めた紺グレはこの勝利を自信に変え、関西の頂を取り返す。(文責・西田雄哉、撮影・勝部健人、大嶽悠雅、浅川明日香)

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