
同志社ラグビー祭 第86回定期戦
【本日のスタメン】
1.前田(スポ3)2.荒川駿(法3)3.三輪(法4)4.中谷(法2)5.林慶(スポ4)6.船井(社2)7.土肥祥(法4)8.山﨑周(社2)9.田中(法3)10.大島(スポ4)11.上嶋(スポ3)12.ファイアガラ(社3)13.森岡(商3)14.隅田(法2)15.中村大(経4)

5月5日、同志社ラグビー祭が同志社大学京田辺キャンパスラグビー場(京都府)で行われた。今回対峙(たいじ)するのは、昨年全国ベスト4を成し遂げた明大。「絶対に勝つという気持ちで準備した」(上嶋)。プライドをかけた熱き戦いに闘志を燃やしたが、28-40で惜しくも敗北。東の強豪に白星を掴むことはできなかった。

同志社ラグビー祭の大トリを飾った今回の一戦。この伝統の一戦を一目見ようと会場には、大勢の人が集まった。明大のキックオフで試合がスタートすると、序盤は両者一歩も譲らない攻防戦が展開。同11分、先に均衡を破ったのは明大だった。相手の素早いパス回しに翻弄(ほんろう)され、先制点を献上(0-5)。しかしここでBK(バックス)陣のサインプレーが光る。敵陣でマイボールラインアウトを獲得すると、BK陣が流れるようなパス回しを展開。同17分に中村大のラストパスを受け取った上嶋が左タッチライン際からグラウンディング(7-5)。大島が難しい位置からコンバージョンキックを決め、逆転に成功。観衆は大きな盛り上がりを見せた。このままリードを広げたい同志社だったが、同25分にギャップを突かれそのまま被トライ。再度リードを許した(7-12)。その後は、“FWの明治”と称される明大のセットプレーに苦しめられる。「完璧に押し切られることもなく、フィジカルに関して手応えはあった」(三輪)。同39分、自陣で反則を犯すと密集戦で圧力を受け連続失点(7-19)。相手の強靭(きょうじん)なフィジカルに耐え切れず、12点を追いかける形で前半を折り返した。

「後半一発目にプレッシャーをかけていこう」(三輪)。劣勢な状況でも互いを鼓舞し続ける同志社の戦士たち。反撃を誓った後半は、序盤から取って取られてのシーソーゲームを展開する。同2分に相手キックパスからディフェンスラインを突破され被トライ(7-26)。しかし同志社も明大に食らいつく。「(上嶋は)ボールに対しての働きかけが非常に優れている」(酒井HC)。同6分、山﨑周からのサポートを受けた上嶋が今試合2トライ目を挙げた(14-26)。このままリードを縮めたい同志社だったが、明大の鍛え上げられた肉体に圧倒される。洗練されたボールキャリー力で突破口を切り開かれ、またもインゴールへの侵入を許す(14-33)。じわじわと相手の背中が遠ざかっていく試合中盤、同志社はフェードを重ねるも鉄壁の防御を崩せない状況が続いた。刻一刻と試合終了の時間が迫る中、同23分に得点版が動いた。何度もピンチをしのぎ続け、やっとの思いで相手の反則を誘発。マイボールスクラムを獲得すると、中村大が上嶋にラストパスを託す。「BKで大外に強気で振っていった」(中村大)。上嶋がボールを受け取ると左大外からインゴールへ飛び込んだ(21-33)。その後また1トライを許し、点差を引き離される(21-40)。試合も終盤に差し掛かり、疲労と焦燥が交差する。それでも尚、意地と意志だけで立ち向かったがラスト10分。「ハーフと連携が取れていないアクシデントがあったが、トライに繋げることが出来た」(大島)。長年の経験に裏打ちされた大島の一手で、隅田にアシストを演出。そのまま右タッチライン際を駆け上がりトライを奪取し、チームの士気を一気に底上げした(28-40)。ノーサイドの笛が鳴り続けるまで果敢に攻め続けるも、防御網を切り崩すことは出来ず28-40で敗北を喫した。

今試合で上嶋がハットトリックを達成。結果は敗北に終わったものの、上嶋は自身の存在価値を存分に見せつけた。「しっかり勝ちにこだわって強い同志社を取り戻す」(中村大)。次週から始まる春季トーナメント向けてチームは更なる鍛錬を積み続ける。掌中に収めていた西の覇権を奪うべく、荒波を乗り越え立ち上がれ。(文責・三宅希和、撮影・岡本和香、奥谷陽菜)