9月17日、天理大学白川グラウンド(奈良県)で関西大学ラグビージュニアリーグ第1節が行われた。天理大と対戦した同志社は、19-61で大敗。接点で圧倒され、黒星発進となった。
最初に試合を動かしたのは天理大だった。前半4分、自陣のラインアウトから右に展開され、呆気なく先制点を許す(0-7)。その後も敵陣に攻め込んだが、接点でプレッシャーを受けペナルティー。「相手の2人目のほうが速かったときにブレイクダウンで相手にプレッシャーを受けた」(嘉納・スポ3)。相手選手の素早いジャッカルに対応できず、流れをつかめない時間が続いた。
攻撃がつながり出した中盤、紺グレも反撃に出る。0-14で迎えた前半22分、相手ペナルティーを誘発すると、迷わずスクラムを選択。直後の攻撃で嘉納から右大外で待っていた内田(政策3)にボールをつなぎ、インゴールへ飛び込む。互いの意地がぶつかり合った攻防戦で得点を取り切り、7点差に迫った。
しかし、終盤から徐々に天理大がギアを上げる。同26分、同28分、同31分と立て続けに3トライを献上してしまう。「上手くいかなかった時に立て直しができなかったのが敗因」(福岡・スポ3)。失点からの切り替えが上手くいかず、準備していたプレーができない。主導権を握られたまま、7-33でハーフタイムを迎えた。
「1対1の部分で前に出る」(嘉納)。コンタクトの部分で後手に回り、失点を許した前半からの修正を誓い、挑んだ後半戦。嘉納の好キックで立ち上がりから敵陣深くに侵入する。同2分、敵陣22m付近のスクラムから右にボールを回すると、北平(法3)がディフェンスラインを切り裂く。後半のテーマを体現するように、コンタクトで前進し、チームを勢いづけた。しかし、直後のパスがつながらず、チャンスを生かせない。
「自分たちが相手の勢いを受けてしまった」(油谷)。その後は一変して、天理大ペースで試合が進んだ。相手のグラウンドを広く使うラグビーに翻弄(ほんろう)され、勢いを止めることができない。瞬く間にリードを広げられ、トライを量産された(7-54)。
しかし、このままでは終われなかった。同29分、リスタートのキックオフから江口(社2)がゲインを切ると、攻撃にリズムが出始める。自陣からミスなく攻め込むと、松尾(ILA3)がラックサイドを抜け出す。そのまま、走り切り意地のトライを決めた。さらに同33分にも、ルーキー岩本(社1)がディフェンスのギャップを突き、独走。「やることをリセットできて、それがスコアにつながった」(嘉納)。最後まで諦めることなくMOVEし続けた。
試合後ゲームキャプテンを務めた油谷は、「1対1しっかり前へゲインラインを取っていこうとしていたが、今回そこが上手くいかなくて、自分たちのゲームプランが実行できなかった」と振り返った。開幕戦白星発進とはならなかったが、ジュニアリーグ連覇の夢が途絶えたわけではない。「関西リーグ(ジュニアともに)優勝、連覇を目指しているので、残りのリーグの試合に勝てるように、今日出た反省を振り返ってやっていこうと思います」(福岡)。今試合で露呈した課題を修正し、1週間後に迫る立命大戦で進化した姿を見せつける。(文責・勝部健人、撮影・林康陽、中田悠里)