
第98回全日本学生スキー選手権大会
2月19日から23日にかけて、大鰐温泉スキー場(青森県)で第98回全日本学生スキー選手権大会(以下、インカレ)が行われた。男子は2部昇格、女子は1部残留を目標に掲げるも、結果は男子3部残留、女子2部降格。男女ともに課題が残る大会となった。
大会2日目と4日目に行われたアルペン男子3部の試合には、宮本(生命3)、田上(理工3)、目堅(経2)、明石(理工1)が出場した。その中でも、宮本が左手にけがを負う中、唯一2日間ともポイントを奪取する華麗な滑りを見せる。「限られた動きの中で、できる最大限の滑りができた」(宮本)と振り返った。
一方、クロスカントリー男子3部の試合は2日目と3日目に実践され、二宮(文情2)が2冠を達成。「1位になれて嬉しい」(二宮)。両方の種目で他を寄せ付けない滑りで会場を魅了した。また、10㌔クラシカルにはアルペン選手である田上がチームのために出場。専門外の種目にも仲間のために挑戦する姿から、スキー部男子の絆の強さが垣間見られた。

アルペン女子1部は1日目と3日目に開催され、橋詰(法4)、松尾(法3)、井上(スポ1)が出場。2日間とも連日の寒波の影響で、会場は激しい吹雪に見舞われた。選手たちはポールが見えにくい中でも冷静な滑りを披露するも、ポイント獲得には至らなかった。
さらに、クロスカントリー女子1部の試合は1日目、2日目、4日目に行われた。青谷(商4)、近3藤(商3)、久田(商1)が悪天候にも負けず、自分を限界まで追い込む走りで奮闘。だがポイント獲得には一歩及ばず、1部残留の望みは最終日のリレーへと託された。

最終日は花形競技であるクロスカントリー女子1部5㌔リレー、男子3部5㌔リレーが行われた。女子は1部残留がかかった大一番。4日間でポイントを獲得することができず、降格圏内に沈んでいた。前日のミーティングではOBOGの方に激励を受け、伝統をつなぐべく並々ならぬ覚悟を決めた。「リレーになると何が起こるかわからない」(青谷)。1部は早大、日大といった実力校が多く、メンバーも豊富にいる。一方の同志社は少数精鋭。青谷と近藤は4試合目と疲労が溜まっている状況での最終レースだった。
朝9時30分に号砲が鳴った。3走目が1年生のため1走の近藤、2走の青谷で他大学との差をつけておきたいところ。「5位にはつけていたい」(近藤)と語っていた中、6番手につけ前を追う。最後は倒れ込み、主将・青谷にタッチ。4日目の試合では自身の中で納得のレースができており、応援メンバーから視線が注がれた。終盤に抜かされるも、懸命の走りでアンカーの久田(商1)につないだ。緊張の面持ちでスタートし、慣れないインカレの舞台で力強い走りを披露。10位フィニッシュとなり、ともに降格圏内にいた大学に及ばず2部降格が決まった。応援に来た保護者の方、監督、OBOGの方も見守った今回のレース。悔しさのあまり、サングラス越しに涙を流す久田の姿があった。
インカレ最後となる男子のリレーは、アルペンの選手が2人出場し袖岡、明石、2冠を達成した二宮の布陣で挑み、最後に追い抜く作戦だ。「学校対抗で2部には上がるのは無理だけど、次につながる試合にしたい」(二宮)。優勝しても2部昇格はかなわないが、次につながるレースにしたいと意気込み3人は戦いに臨んだ。袖岡、明石が粘りの走りを見せ最終走者の二宮にバトンが渡ると、すぐに勢いよく駆け出した。2部では7、8位に入れるほどの実力を持つ二宮は1周目は驚異のスピードで前を追いかける。2周目は少し疲れが見えたが、アルペン選手含めた全員の応援もあり5位でゴール。最後の競技を締めくくった。

女子は2部降格、男子は3部と来季のインカレも厳しい試練が待ち受けている。試合後には青谷から新幹部が紹介され、主将にアルペン選手の松尾の名前が呼ばれた。来週の全関西を終えると、本格的に新チームがスタートするスキー部。関東の大学はインカレでシーズンを終えるが、同志社は次の試合が待っている。気持ちを切り替え関西の頂点を取りに行く。(文責・撮影:矢部彩香、益野瑛真)