
第57回西日本大学男子ソフトボール選手権大会
7月19日〜7月21日、熊本県八代市球磨川河川緑地にて第57回西日本大学男子ソフトボール選手権大会が開催された。初戦は香川大、2回戦は岐阜聖徳学園大、準々決勝は熊本学園大、準決勝は中京大、決勝は立命大と戦った。同志社は準決勝、決勝いずれもサヨナラで制し、西カレ優勝を果たした。
初戦は香川大と対戦した。先発を託されたのは高橋(商3)。3回まで全て3者連続三振に抑える完璧なピッチングを披露し、同志社に流れを引き寄せた。一方の打撃陣は初回、先頭打者の藤井(スポ3)から中三塁打が飛び出す。その後、西(商2)が進塁打を放ち、先制点を獲得した。4回には、大西(生命4)の四球をきっかけに、相手のミスが重なりチャンスを広げる。野手選択で1点を追加すると、さらに4連打でこの回一挙5得点を挙げた。終盤にも1点を加え、7-0で快勝。終始主導権を握り続け、初戦を突破した。

続く2回戦の相手は岐阜聖徳大。初戦とは打って変わり、緊張感の漂う投手戦となった。今試合も高橋が先発を務め、要所を締める粘りの投球で無失点を継続。一方、打線はなかなか得点の糸口をつかめなかったが、3回に1点を奪取する。その後も集中を切らすことなくリードを守り抜き、1-0で接戦を制した。さらに準々決勝でも堅実な試合運びを見せて勝利を収め、チームはいよいよ大会最終日へと駒を進めた。
最終日には準決勝と決勝が行われた。準決勝の相手は中京大。初回からいきなりソロ本塁打を浴びる苦しい立ち上がりとなった。しかし、「これ以上本塁打を打たれないように頑張った」(高橋)とその後は気迫の投球で試合を立て直した。
5回裏には、辻(スポ3)が中安打で出塁するも、後続が倒れ無得点に終わる。そして迎えた6回裏。先頭の高橋が右二塁打を放ち反撃ののろしを上げると、西の内野安打で無死一、三塁の好機をつくった。さらに、上野(スポ3)が故意四球で歩かされ、満塁に。ここで大西がライトへ犠牲フライを放ち、ついに同点に追いついた。
1-1で試合はタイブレークへと突入。守備を無失点で切り抜けると、8回裏、2死から再び大西が打席に立つ。センター前に打球を運び、試合を決定づけるサヨナラ打を放った。「ちょっと甘く入ってきたボールを逃さずに打つことができた」(大西)。選手たちが一斉にかけ寄り、ベンチは歓喜に包まれた。


決勝の相手は、春季リーグ戦でも対戦した立命大。互いに手の内を知る関西勢同士の一戦は、序盤から緊迫した展開となった。
試合が大きく動いたのは5回表。失策で走者を背負い、進塁打で二塁へ。さらに右安打を許し、先制点を献上した。負けじと同志社も得点圏に走者を進める場面をつくるが、あと一本が出ず、1点を追う展開のまま最終回を迎える。
重苦しい空気を振り払ったのは、上野だった。先頭で打席に立つと、渾身(こんしん)のスイングで放たれた打球はフェンスを越え、起死回生の同点本塁打。会場の空気が一変し、同志社ベンチも一気に活気づく。続く山本、高井も安打でつなぎ、2死一、二塁。ここで主将・牧(商4)に打席が回る。「絶対に決めてやろう」と意気込みバットを振り抜くと、鋭い打球がライトを抜けた。二塁走者が本塁へ生還し、劇的なサヨナラ勝ち。準決勝に続く逆転劇で、36年ぶり3度目の西カレ優勝を果たした。

春季リーグ戦優勝に続き、西カレでも快挙を成し遂げた。「絶対にインカレでも優勝できるように、一戦一戦どんな相手でもしっかり戦い抜きたい」(牧)。公式戦無敗を誇る牧組は、さらなる高みを目指し、今後も鍛錬を重ねていく。悲願の全国制覇へ。進化を続けるチームの挑戦はまだ終わらない。(文責:中務桜々子、撮影:小野里律子)