
第60回全日本大学男子ソフトボール選手権大会
9月6日〜9月8日、岩瀬スポーツ公園ソフトボール広場(富山県)にて第60回全日本大学男子ソフトボール選手権大会が行われた。初戦は西日本工業大、ベスト8決定戦は大阪公立大、準々決勝は立命大、準決勝は中京大と戦った。準決勝ではタイブレークの末、0ー1で無念の惜敗。目標に掲げていた日本一を果たすことはできずに牧組は幕を閉じた。

初戦は西日本工業大と激突。試合は初回から動く。高橋の四球をきっかけにチャンスを作ると、西(商2)、上野(スポ3)の連打で先制の2点を獲得。「初回には入れて、ずっと勝ち越しできた状態だった」(牧)。
一方、今大会も初戦から先発を任された高橋は、6回終了時まで12奪三振の完璧なピッチングを披露。「1回戦0点で抑えられるようにちゃんと意識して投げた」(高橋)。迎えた最終回も三者凡退に抑え、相手を翻弄(ほんろう)し2ー0で初戦突破を果たした。
続く2回戦の相手は大阪公立大。この日は松崎(スポ1)がマウンドに立った。インカレの大舞台での緊張のためか2回に2本の本塁打を許し3点を献上。しかしその後は代わった高橋が冷静さを失わず安定した投球を継続し無失点に抑えた。

一方の打撃陣。初回、高橋が出塁に成功すると2者連続四球を選ぶ。次に打席に入った大西(生命4)が先制タイムリーヒットを放ち、序盤から勢いに乗った。さらには3回にも1点を追加し2ー3と1点ビハインドで迎えた5回。
高橋が右安打で出塁すると打線がつながる。続く大西が四球を選び1死満塁の好機を演出すると相手投手の制球が定まらず押し出しで1点を追加。ここでまたも高井の安打、暴投により3点目を獲得すると、1死二、三塁の場面で打席には辻。大きく振り抜いた打球はレフト前へ飛びフェンスを越える本塁打となりさらに3点を勝ち取った。大阪公立大を大きく突き放し勢いに乗った同志社はその後も4点を奪取。この回一挙10得点を挙げ、12ー3と圧巻の強さを見せつけ3回戦へと駒を進めた。

準々決勝は立命大。互いに手の内を知る関西勢同士の負けられない一戦となった。先発を任されたのはエース・高橋。初回からピンチが訪れる。先頭打者に辻の失策で出塁を許す。いきなりのピンチに動揺を隠せなかったのか、高橋の投球に乱れが見え、暴投と犠飛の間にランナーが生還。続く5回には本塁打を許してしまった。
なんとか追いつきたい同志社は反撃を開始。
2回、辻の左安打で出塁に成功するとさらには相手投手の暴投と四球により進塁するなど好機を演出した。そこで次に打席が回ってきた藤井(スポ3)の適時中安打で1点を返上。流れに同志社は3回、上野、大西が安打で繋ぐ。逆転のチャンスで打順が回ってきたのは高井(理工3)。インコース低めに来たボールをセンター方向へ大きく弾き返し同点に。ベンチからの歓声がより一層沸き上がり喜びは最高潮へ。同点に追いつくチャンスが期待される中、続く主将・牧も中適時打を放ち、キャプテンとしての意地を発揮。同点弾となる渾身の一打となった。「最初負けたんですけど、自分のチームやったら絶対に追いつけるし勝ち越せると思ってたんで、あまり焦らず、ピッチャー信じながら、打線信じながら、いつも通りの同志社を意識した」(牧)。両者一歩も譲らぬまま試合は3-3で最終回へと突入。緊迫した状況の中、またも高井が魅せた。先頭で打席に立つと、渾身(こんしん)のスイングで放たれた打球はライト前へと転がり、右二塁打。会場の空気が一変し、同志社ベンチも一気に活気づく。続く牧が故意四球を選ぶと一死満塁に。ここで高橋に打席が回る。執念の思いで犠飛を振り抜き、 三塁走者の高井が本塁へと飛び込みサヨナラ勝ち。「なんとかバットに当てようって気持ちで打席に入った」(高橋)。
準決勝進出が決まりチーム全員の強い勝利への思いがひとつとなった選手たちは大いに喜びを表した。

ついに迎えた準決勝の最終日。
打線は2.3回に安打で出塁するもなかなかあと1本がでず、得点にならない。続く4回には、山本、大西の連打で2死二、三塁の先制の好機を演出。しかし、相手投手を攻略できず本塁は遠く、無得点に終わった。
一方、今試合も先発を任された高橋がマウンドへ登る。初回から先頭打者に中安打を許すもその後は3人連続三振で仕留め、上々の立ち上がりを見せた。「いつでも丁寧に投げることを意識した」(高橋)。最終回まで得点圏にランナーを背負うも気迫の籠ったピッチングで無失点に抑える。ロースコアのまま試合は2塁走者から始まるタイブレークへ突入。「中京大は打力があって1番から9番まで気を抜けない打線だった」(高橋)。先頭打者に故意四球を選ばれると相手の3番バッターに右安打を放たれ試合終了。無念のサヨナラ負けを喫し牧組の戦いは全国3位におわった。

「最後の1本が出なかったっていうのが1番大きかったんですけど最後まで同志社らしく楽しい雰囲気でやれたし、いろんなピンチもあったけどちゃんとみんなで声出しながら最後まで楽しくプレーできたのでよかった」(牧)。4年生にとって大学生活最後の大会となった全日本インカレ。牧組が結成されてから1年間、日本一だけを見据えてきたものの悲願達成とはならなかった。「来年は日本一を絶対にとってほしい」(牧)。全国制覇の夢は次世代の上野組へと託された。新チームは間近に迫った秋リーグに向けて先輩方の悔しい思いを受け継ぎ、これからも鍛錬を積む。新主将に就任した上野を筆頭とする新たな時代の幕開けに期待が高まる。(文責:小野里律子撮影:奥村隼士、須増朋花)

○引退した4年生にインタビュー
ーー4年間の大学ソフトボールを振り返って
石田「後輩に恵まれた4年間だったなと思います。」
大西「もうほんと最高の一言じゃないですか。ありがとうございます。」
沖「ほんとに楽しかった。なんか最高の仲間に恵まれて、とっても楽しい良い思い出になりました。」
中谷「一言でいうとめっちゃ楽しかったですね。めっちゃ仲間に恵まれたっていうのありますし、僕自身全然実力はないんですけど、仲間に恵まれて、全国大会っていう場所で出場はできなかったんですけど、その中でも1メンバーとしてチームを支えれたから、今後の人生においてもすごくいい経験なのかなって思います。」
橋田「ほんとに楽しかったの一言です。最高の仲間と出会えて、色々あったんですけど、こうして無事最後までやりきることができて、最後目標は達成できなかったんですけど、全国3位という素晴らしい順位で終われたので、本当に素晴らしいソフトボール生活でした。」
牧「最初はほんとにあんまりやる気のない選手として自分入ってきたんで、もともと入る予定もなかった。
でも、どんどんと素敵な先輩方と仲の良い後輩たちと一緒にソフトボールしていくうちに、今度こう勝ちたいっていう気持ちであったり、ソフトボールに対する熱量も上がってきたので、それに伴って人間力もどんどん成長していけました。」
村上「ほんとに楽しかったなっていうのが1番でみんな言ってるかもしれないけど、入った時はもうほんとにこんなに熱中できると思ってなかったし、楽しくやるだけかなって思ってたところが正直やったんですけど、今日の試合とかもほんまにみんなと一緒に勝ちたいなと思ったし、みんなとこのメンバーで優勝したいなって思う。
楽しいだけじゃなくて、マネージャーとしてサポートも全力でして、みんなの力になりたいなってすごい思えたような感じです。」
山口「本当に楽しかったなと思います。僕自身はそんなに試合に出れる実力ではなかったんですけど、ほんとに周りの仲間に恵まれてほんまに楽しかったです。」
山本「やっぱりいい仲間に恵まれた4年間だったかなと思います。」
ーー同期へメッセージ
石田「同期、結構二分化してたんですけど二分化っていうか、精力的な背景なんですけど、ちょうどその真ん中に立たしてもらって、幹部側とベンチ側でこう話をお聞きする役割だったんですけど、それはそれで楽しかったなと。
なんで、そういう役割に自分を置いてくれて本当にありがとう。」
大西「ほんとにわがままで体積ばっかりとってほんとに扱いにくい人間やと思うんですけど、ほんとここまでこんな上手くいじってくれながら、ほんとよく仲良くしてもらえてほんとにありがたかったなっていう風に思いますね。」
沖「こんなマイペースで自分勝手で迷惑をかけたこともあるけど、優しく受け入れてくれて、楽しい時間を一緒に過ごしてくれて、かけがえのない宝物になりました。ありがとう。」
中谷「最高ですね。ありがとうございました。の一言につきます。僕が辛い時もほんとに同期が居たから支えられたのかな、ここまで続けられてこられたのかなっていう思い、今も感謝しかありません。」
橋田「ちょっと喧嘩したこともあって、本当に殴り合いとかもしたんですけど、まあ楽しい4年間だったのでほんとに最高でした。ありがとうございました。」
牧「同期にはこんな自分にキャプテンを託してくれてありがとう。ついてきてくれてありがとう。」
村上「同期はもうほんとにちゃらんぽらんなお姉ちゃんかもしれないけど、私が支えるマネージャーやけど、みんなに支えてもらったりしながらここまで来れたなって思うので、もう本当に楽しい時間をありがとうって気持ちと、もう私の居場所であるソフト部を作ってくれてありがとうっていう思いがあります。」
山口「ほんとに同期にも恵まれて。で、僕がなんかそんな変なボケたとしても、本当に返してくれて、ほんとに言うことないんですけど、やっぱり仲間たちに恵まれてよかったと思います。」
山本「口下手でクールぶってるけど、みんなと仲良く熱くソフトボールができて嬉しかったです。」
ーー後輩へメッセージ
石田「怪我には気を付けて。来年、さすがに優勝するでしょ。まあ、やっぱり主人公は僕たちじゃなくて後輩たちやったということなんで、来年はそれをちゃんと見に行くことがね、僕らの役割だと思うんで。再来年楽しみにしてるんで、ぜひ頑張ってほしいです。」
大西「もうほんとに心配することなんて1つもない後輩たちだと思ってて、もう自分たちよりいいチーム作ることなんて目に見えてるんで、もう優勝だけ目指して1年間頑張ってほしいなっていう風に思います。」
沖「すごく楽しくて、素敵な後輩がたくさん多いから、みんななら大丈夫だと思ってるし、特にマネージャーの4人には私自身も助けてもらったし、みんなもこれからしんどいこともあると思うけど、みんなが絶対いい景色見せてくれると思うから、これからも頑張ってほしいなって思います。」
中谷「いやもうめちゃくちゃ尊敬してるというか、後輩ありきでここまできた部分もあるんで、後輩にはこの後もめちゃくちゃ頑張ってもらって、来年優勝してもらってね。そうですね。最高の学生生活の残り歩んでほしいなって思います。」
橋田「自分自身怪我でほとんどプレイできなかったんで、怪我だけは気を付けてもらって、自分たちができなかった日本一と、完全4冠、リーグと西カレとインカレの4冠を達成してほしいなっていう風に思います。頑張ってください。」
牧「ついてきてくれて支えてくれてありがとう。」
村上「んとに全員めちゃくちゃいい子なんで素直でいい子で、頑張り屋さんの子たちばっかりなので、ほんとに来年はぜひ優勝してほしいなって思います。」
山口「こんな頼り甲斐のないのような先輩だったんですけど、仲良くしてくれたんで、、良かったと思いますし、今回の悔しい結果になりましたけど、来年優勝してもらったらなと思います。」
山本「準決勝で負けちゃって。めちゃくちゃ悔しい思いは後輩たちの方が強いと思ってるので、来年実力を果たせるように頑張ってください。応援してます。」