第79回三苫賜杯全日本学生ソフトテニス選手権大会・第66回全日本学生ソフトテニスシングルス選手権大会・第78回文武科学大臣杯日本大学対抗ソフトテニス選手権大会
男子部は9月11〜15日で沖縄県総合運動公園で全日本インカレが行われた。ダブルスでは4ペアがベスト64入り、シングルでは清水(商1)がベスト8入りする快挙を達成。団体戦では個々の実力が光り、ベスト16入りを果たした。
例年とは異なり、ダブルス、シングルス、団体戦の順に行われ、インカレ開幕とともに11、12日にダブルスが行われた。ダブルスには同志社から13ペアが出場。1日目は豪雨に見舞われたこともあったものの順調に試合は進み、2日目のベスト32決定戦には林(社4)・大原(経4)ペア、塚本(スポ1)・滝瀬(商4)ペア、清水・長根(スポ2)ペア、松本(商2)・齋藤(経3)ペアの4組が駒を進めた。順調に順位を上げたが、清水・長根ペア、松本・齋藤ペアは5回戦目にそれぞれG(ゲームカウント)1-5で相手に敗北。続いて遅れて試合が開始した林・大原ペアと塚本・滝瀬ペアに期待がかかった。林、大原、滝瀬は今大会が、大学生活最後のダブルスとなる。
「最後出せるものを出したい」(滝瀬)。大学最後のダブルスにいつも以上に会場に熱気が立ち込めた。9ゲームマッチで行われた今大会。気温が高く天候が不安定な中での試合は多くの体力が奪われた。1、2、3セット目を相手に奪われた塚本・滝瀬ペアは、相手に主導権を握られる。しかし、4セット目でデュースに持ち込むと、そのまま2得点を決め初セットを獲得した。勢いを取り戻すと、続けて5セット目を再び奪取。しかし、相手前衛の巧みなレシーブに連続で失点。巻き返しを図れず、G2-5で敗北を喫した。
林・大原ペアは1セット目に安定したプレーで4ー1でセットを獲得する。しかし、強豪が集うインカレでベスト8の壁は高かった。お互い譲ことなく迎えたG2−2で、第5セット目に緊張が走る。相手に流れをつかまれ、ストレートで落とした。なんとか巻き返しを図るも、攻略の糸口が見つからない。6セット目もストレートで取られると、コースを狙ったレシーブが決まりG2−5で敗退した。
「悔しいけど後悔はない」(大原)。林・大原ペアはペアを組んでから、2年ともに戦ってきた。昨年のインカレでベスト8入りを果たしたが、今年は惜しくもベスト64入りという結果となった。しかし、「やれることはやった。」(林)と全力で楽しんだ最後の試合を笑顔で振り返る。2年半の戦友としてお互いに感謝の言葉を述べ、2人のダブルス人生に終止符を打った。
迎えた3日目、シングルスには大原、林、土居(法4)、清水の4人が出場。少人数のみが獲得できる出場権利なだけあり、ハイレベルな戦いが繰り広げられる。1回戦から、林、土居は強敵とあたり、惜しくも1回戦敗退となった。土居は4年生最後のインカレでシングルス出場権を獲得し、つかんだチャンスをものにするべく全力で挑んだ今大会。「楽しめて良かった」(土居)と満足した表情で振り返った。
2回戦には大原が駒を進めたが、ファイナルゲームまで持ち込む接戦で一歩及ばす敗北を喫した。3回戦に唯一駒を進めたのは清水。1、2回線を順調に勝ち進め、特大ルーキーに期待がかかる。3回戦、インカレでも高順位に成績を残す早稲田大の端山との対戦。序盤主導権握った清水は流れをキープしたままG3−1で優位なプレーを披露した。しかし、相手の意地の反撃により2セットを連続で奪取。G3−3でファイナルゲームへ突入した。清水のスマッシュが相手コートに鋭く入り、ミスを誘発。両者ともに引き下がらないシーソーゲームを繰り広げるも、迎えたマッチポイントでコースを狙ったレシーブが決まり勝利した。この時点でベスト8が決定し、ベスト4決定戦へ進出。
迎えたベスト4決定戦では昨年の王者法政大の橋場と対戦となった。ここまで順位を上げてきた清水にも、苦戦を強いられた。試合開始1セット目、相手の勢いあるレシーブにバックアウトを連発。1−4でセットを落としリードを許すと、相手の勢いは減退することなく続けて2、3セットも奪われた。運命の4セット目、ここで清水の意地を見せつける。3点を連続で奪われ、後が残されていない中、3点を連続で取り返した。相手のマッチポイントからデュースに持ち込む粘りを見せつけ、応援からさらに大きな声援が上がる。しかし、最後相手の巧みな返しに対応しきれずバックアウト。昨年王者の強さには敵わず、ストレートで敗北した。
「全国でベスト8なので、そこは自信を持っていきたい」(清水)。1年生で初のインカレでシングルスに出場し、ベスト8入りという快挙を達成した。応援してくれる仲間のために、格上の相手にとにかくラケットを振り続けた。目指すは日本一。スーパールーキーの登場で、来年のインカレでの成長に目が離せない。
4日目には団体戦が開催され、会場の盛り上がりは最骨頂に達した。インカレの団体戦は、殲滅戦で行われる。迎えた初戦、同志社はシードで出場し金工大との対戦となった。一番手に沼尾・仲村(社2)ペアが出場し、相手にストレートで勝利。好調な滑り出しを切り、チームに流れをもたらした。2番手には清水・長根ペア。同様に安定したプレーを見せ、最終セットでは相手に1点も許さないまま勝利を収めた。続く3番手には大原・塚本ペアがコートに立った。相手に反撃を許すことなくストレートで勝ち取り、最短ルートで相手ペアを敗北させた。拍車がかかった同志社は続く3回戦の帝京大との対戦も難なく3ー0のストレートで勝利。
迎えた4回戦では早稲田大との対決となった。西日本インカレ3位の同志社同様に、東日本インカレ3位の実力を持つ早稲田大。ここが山場となり、両者譲れない激戦となった。
1番手には清水・長根ペアが出場した。6セット目をG2ー3迎え、ファイナルゲームまで持ち込むべく闘志を燃やす。しかし、相手のレシーブに対応できず1−4で敗北した。続く2番手に仲村・塚本ペアが出場。1セット目に先制点を許すも、連続で4点を獲得し1セット目を勝ち取った。流れをつかんだように見えたが、2セット目相手に主導権を奪われ、そのままG1ー4で相手に勝ち点2点を献上。運命の第3戦に勝敗の行方を託された。
第3戦には大原・沼尾ペアが最後の砦として任された。1セット目からデュースに持ち込まれ、相手がバックアウトすると、大原のサーブが相手のミスを誘発。見事1セットを獲得すると、そのまま同志社の流れを変えた。2セット目から積極的な攻撃を立て続けに行い、自分たちのペースに持ち込む。2セット目を続けて獲得すると、ここで豪雨に見舞われ試合は一時中断。雨が静まったところで試合再開となった。休憩を挟んだことで体力は復活。そのままの勢いで3、4セット目を奪い、ストレートで相手に勝利した。
ここでの勝ち点は1-2、4番手は再び沼尾・大原ペアが出場した。相手には1番手長根・清水ペアが戦った相手との対決。両校の応援も盛り上がりを見せ、雄叫びとともに自信を奮い立たせる。第1セット目、互いに果敢な攻撃を仕掛けデュース。2点連続得点を許し第1セットを落とすと、続く2セットも取り切ることができなかった。反撃は難しく見受けられたが、第3セットで初のセットを強取。しかし、試合後半再び失点を許し、G1ー4でベスト8入りを逃した。
「きつい山だったが、その中で一生懸命戦ってやり切った」(沼尾)。林組となって一年。最後の団体戦をチーム一丸となって戦い抜いた。目標としていたベスト8入りを果たせず悔しさは残るものの、昨年を超えるベスト16という結果を残した。主将・林は「ベストなメンバーでベストな応援でできた」と団体戦を振り返る。勢いのある応援が良さである同志社。緊張感を緩和させる盛り上げ方で、仲間をどんな場面でも鼓舞させる。「全員で勝つ」という言葉が同志社ソフトテニスにはぴったりだ。4回生は今大会で引退を迎える。伝統を繋ぎ、後輩へバトンを渡す。林組は勇ましい背中を見せつけ、沖縄の地で有終の美を飾った。(文責・白川愛梨、撮影・藤田桃江、白川愛梨)