第59回関西学生選抜インドア・ソフトテニス選手権大会
11月17日、向日市民体育館(京都府)で第59回関西学生選抜インドア・ソフトテニス選手権大会が行われた。関西ダブルスで好成績を収めた選手と、予選を勝ち上がった選手(男子16ペア、女子12ペア)のみが出場できる今大会。9月のインカレで引退した4年生数名も出場権を得ていたため参加した。
男子部からは林(社4)・大原(経4)ペア、沼尾(文情4)・仲村(社2)ペア、清水(商1)・長根(スポ2)ペア、佐藤(経2)・宇都(文情1)ペア、女子部からは馬渕(スポ2)・吉根(経1)ペアが出場。結果、清水・長根ペアが優勝し、関西王者に。ディフェンディングチャンピオンの林・大原ペアは2位に入った。
頂点を目指すには、まず予選リーグを突破しなければならない。女子は12ペアが4ブロックに別れ、予選リーグで3ペアの総当たり戦が行われた。馬渕・吉根ペアは初戦から強豪の岩元・本間ペア(神戸松蔭女大)と激突。第1ゲーム0-3と劣勢を強いられたが、ここから怒涛(どとう)の5連続ポイント。逆転でこのゲームは奪取したが、相手の壁は高かった。その後はなかなか勝機を見出せず、G(ゲームカウント)1-4で敗北。2試合目の対神戸親和大ペアとの一戦もG3-4で惜しくも敗れた。予選リーグ3位となり、準決勝に進出することはできなかった。
男子部は16ペアが4ブロックに別れ、4ペアの総当たり戦で予選リーグ(A~D)を戦った。予選リーグ(A)に清水・長根ペア、予選リーグ(B)に林・大原ペア、予選リーグ(C)に佐藤・宇都ペア、予選リーグ(D)に沼尾・仲村ペアが出場。
「いつもは雁行陣というところをダブル前衛で。スマッシュも決まるまで気を抜かないで粘り強くできた」(長根)。優勝候補の清水・長根ペアは、他を寄せ付けない圧巻のゲームメークで予選リーグ全勝を飾る。予選リーグを突破し、準決勝進出を決めた。林・大原ペアは1試合目、4年間競い合ってきた高木・田中ペア(関学大)と対決した。「関西学連の試合は最後。楽しくやる」と口をそろえて語った2人。インドア大会ならではのカットサーブでリズムをつかみ、ポイントを重ねていく。実力者相手に2人のテニスを貫き続け、G4-2でライバルに勝利。対立命大ペアに敗北し、4ペア中3ペアの勝ち点が並んだが、ゲームカウント差で他ペアを上回り薄氷の予選通過を決めた。一方、佐藤・宇都ペアと沼尾・仲村ペアは持ち味を発揮することができず、無念の予選リーグ敗退。4年生の沼尾はソフトテニス競技に別れを告げた。
予選リーグを勝ち抜いた清水・長根ペアは準決勝で岩﨑・近藤ペア(関学大)と対戦。準決勝以降は9ゲームマッチで行われた。最初の2ゲームは、デュースを取り切れない苦しい立ち上がり。「途中で雁行陣に変えようと思ったが、ダブル前衛を最後までやろうと決めた。それで逆に相手が反応できなかったのが勝因」(清水)。ミスを最小限にすることを心掛け、自分たちのテニスをやり切ったことが功を奏し4ゲームを連取することに成功する。第7ゲームは落としたが、第8ゲームを奪いG5-3で勝利。決勝進出を決めた。
同様に準決勝進出を決めた林・大原ペアは山内・奥村(立命大)と対戦した。普段後衛の林も積極的に前に出て攻撃を展開。2人のコースを突く強打で、序盤から主導権を握ることに成功した。第3ゲームはボレーミスなどが重なり、ゲームを奪われたが、流れは渡さない。3連続でゲームを奪いG5-1と力の差を見せつけ白星を飾る。林・大原ペアも決勝進出を果たし、決勝は同志社対決となった。
「今までずっと一緒にやってきた。決勝で当たろうという風に話していたので実際に当たってすごくうれしかった」(長根)。決勝戦で対照的に勝ち上がってきた2ペアが火花を散らした。第1ゲームから点を奪い合う死闘を繰り広げる。「連覇なんて考えてなかった」(大原)と最後まで楽しくテニスをすることが林・大原ペアのモットー。幸先よく2ポイントを連取し、後輩にプレーで貫録を示す。一方、清水・長根ペアは超攻撃型テニスを展開。清水のボレーが効果的に決まった。3回のデュースの末、大事な第1ゲームは清水・長根ペアが奪取。勢いに乗った後輩ペアは攻撃の手を緩めず、4連続でゲームを奪いG4-0とする。負けじと林・大原ペアも第5ゲーム、相手のミスを誘い1ゲームを返したが反撃はここまでだった。第6ゲーム、最初のポイントこそ清水のボレーがサイドアウトになったがすぐさま切り替え、強気のプレーで相手のミスを誘う。最後は林のボールがネットにかかりG5-1で同門対決はゲームセット。清水・長根ペアは成長を実感する個人戦大学初タイトルを獲得した。「自分たちが引き継ぐという意思表明ができた」(清水)。関西優勝の味をかみしめた。
惜しくも涙をのんだ林・大原ペア。しかし、戦い後の彼らの表情は晴れやかだった。林は「インカレとかも楽しかったけど、今日はめちゃめちゃ楽しかったです!」と一言。大原は「予選リーグを抜けられると思っていなかった。2位が取れて大満足です!」(大原)と語った。2年生の秋からペアを組み、この日まで共に歩んできた。「こういう形で終われてよかった。本当にありがとう」と笑顔で感謝を伝え合った姿が輝かしかった。
優勝を果たした清水・長根ペアは今大会で得た糧を大きな自信とする。全日本選手権後の大会となった清水はレベルの高い人たちの動きを吸収、刺激を受けていた。「これから新人戦があるので、次につなげていく」(長根)。控えるは1、2年生のみが出場する新人戦。個々の力を高め、連続でタイトルを取りに行く。(文責:矢部彩香、撮影:白川愛梨、奥谷陽菜)