
第45回全日本大学ソフトテニス王座決定戦
6月7・8日、いちい信金アリーナ(愛知県)で第45回全日本大学ソフトテニス大学王座決定戦(以下、王座)が行われた。インドアでの団体戦(5試合を戦い3本先取)となった今大会。梅雨特有の暑さの中、2日間で5大学と熱戦を繰り広げ全国ベスト4入りを果たした。

「関東の大学と戦える機会。試合の中でしか得られないことを吸収して成長したい」(長根新・スポ3)。春季リーグ戦で2位となり、関西地区2位代表として王座に出場した同志社。1日目の予選リーグでは、東海地区1位の中京大と、北海道地区1位の北翔大と対戦した。1対戦目の中京大戦で先陣を切ったのは、同志社のエースペア・清水・宮田。「僕が前線に立って優勝したい」(清水)。しかし、初戦の緊張からか波に乗り切れない。相手の1年生ペアに攻撃の主導権を握られ1ゲーム目をデュースで落とすと、そのままG(ゲームカウント)2-4で敗北。後続の選手に緊張が走った。それでも2番手で登場した松本(商3)・盛岡(商1)ペアが空気を変える熱戦を見せる。G3-3で迎えた運命の第7ゲーム。先にマッチポイントを握られるも、松本の逆クロスがさえ中京大ペアのアウトを誘発。急場をしのぎ最終局面へ。ファイナルデュースで、相手のミスを誘った同志社が2連続ポイント。土壇場で接戦を勝ち切った。

続く3番手・長根慎がシングルスを制し、4番手・佐藤(経3)・宇都(文情2)ペアは敗戦。対戦成績を2-2とし、勝負は5番勝負に持ち越された。「5番勝負は慣れているし、緊張とかはなくいつも通り自分たちのやることをやろう」(長根新)と冷静にプレーした塚本(スポ2)・長根新ペア。1ゲーム目を落とすも動揺することなくG4-1で圧倒する。対中京大戦は、対戦成績3-2で同志社が勝利。2対戦目となった対北翔大戦は5-0と、相手を寄せ付けず完勝。昨年かなわなかった、2日目に行われる決勝トーナメントに駒を進めた。

2日目の決勝トーナメントの相手は福岡大。勝利すれば全国ベスト4入り、また関東1位代表の日体大と戦う挑戦権を得られる意味でも大きな意味を持つ。1戦目の清水・宮田ペアがG4-0のストレートで先勝するも対戦成績2-2。力が拮抗(きっこう)する中、再度迎えたてんびん戦。5戦目を託された塚本・長根新ペアはチームの勝敗をうらなう一戦に挑んだ。互いにサービスゲームを取り合い迎えた第6ゲーム(G3-2)。レシーブの同志社ペアは、何としてでもゲームを取り切りたい場面だ。しかし序盤、塚本のボールと長根新のボレーがネットにかかり暗雲が立ち込めた。重要な3ポイント目。ここで長根新が相手直撃のスマッシュを放つ。流れをつかんだ2人はここから驚異の4連続ポイントを奪取。最後は長根新がボレーを鮮やかに決めてゲームセット。準決勝進出を決めた。
準決勝は大学生ながらナショナルチーム入りを果たし、圧倒的な実力を持つ片岡・黒坂ペア擁する日体大と対戦。苦戦が予想されたがオーダーを変更し善戦する。1番手に起用されたのは松本・宮田ペア。特に宮田は黒坂が高校時代の先輩ということもありサーブ、スマッシュともに躍動した。最初の2ゲームを連取され、G2-3と追い込まれる。万事休すかと思われたが、ここから快進撃を見せる。ファイナルに持ち込みたい第6ゲーム。会場の視線を一気に集め、静寂を切り裂く2人の雄たけびが戦局を傾けた。1ポイントごとに大きくなる歓声を力に、6度のデュースを取り切りこのゲームを奪取。ファイナルゲームでも途中までF5-5と粘ったが最後は3連続ポイントで突き放された。ジャイアントキリングまで、あと一歩に迫る大健闘。黒坂に試合後「危なかった」と言わしめるプレーだった。後続が断たれ、対戦成績では0-3で完敗。昨年度優勝校相手に力を試す良い機会となった。

その後行われたシード決定戦では、春季リーグ戦で敗れた悔しさを胸に関学大と再戦。正真正銘最後の試合だ。しかし体力も限界に近づく中、関学大の意地に屈し勝ち切れず、対戦成績2-3で惜しくも敗戦。リベンジを達成することはできなかった。「リーグ戦の時からまだまだ差が縮まっていない」(長根新)。事実上4位で今大会は終幕した。
たくさんのOBや保護者の方、部員の応援を背に戦った長根新組。関西六大学春季リーグ戦や西日本インカレが控える中で、立ち止まっている時間はない。良いプレーは自信とし、浮き彫りとなった課題は修正していく。昨年3位の西日本インカレで目指すはもちろん優勝。インカレにつなげるチーム力を見せつけろ。(矢部彩香)