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【ソフトテニス部】インカレ個人戦で熱戦繰り広げた

第80回三笠宮賜杯全日本学生ソフトテニス選手権大会

 9月1・2日、千葉県総合スポーツセンター庭球場他で第80回三笠宮賜杯全日本学生ソフトテニス選手権大会が行われた。大学対抗戦をベスト16で終えて中1日。団体メンバー以外はインカレ初戦となった。同志社の最高位は、清水(商2)・宮田(スポ1)ペアのベスト32。今大会の優勝者にファイナルゲームの末に敗れたが、多くの観客が見守る中で、大きな爪痕を残した。

引退試合で法大の森川・広岡ペアと並ぶ(左から)齋藤、岩永
(左から)高木、引退する吉田

 1日目は4年生の吉田(経4)と齋藤(経4)が引退試合を迎えた。吉田は高木(文情3)と組み、1回戦で志學館大ペアにG(ゲームカウント)1-4で敗退。齋藤は岩永(スポ3)と組み、2勝を挙げた。しかし、最後の試合は法大ペアに粘るもG2-5で敗北。4年間の学生ソフトテニス生活に感慨深く終止符を打った。

 2日目に残ったのは塚本(スポ2)・長根新(スポ3)ペア、長根慎(スポ1)・仲村(社3)ペア、松本(商3)・盛岡(商1)ペア、清水・宮田ペアの4組。塚本・長根新は大学対抗戦でも対戦した中村・岡田ペア(明大)とのリベンジマッチとなったが、G2-5で惜しくも敗れ、長根慎・仲村は前年度優勝、橋場・菊山ペア(法大)と対戦しG1-5、松本・盛岡は国学院大ペアにG2-5で敗北し個人戦を終えた。

試合を終えた(左から)長根慎、仲村、橋場、菊山

 ペスト32がけで中大ペアに勝利し、同志社で唯一勝ち残った清水・宮田は、2023年度同覇者である片岡・黒坂ペア(日体大)と対戦した。「格上の相手。(高校の先輩である黒坂選手を)尊敬しています」と語った宮田。また、清水も「高校の先輩とやるにあたって、勝ってやるという気持ちが強かった」と語る。両者思い入れのある一戦は、最後までどちらが勝つか分からない死闘となった。

強打を打つ清水
雄たけびを上げる宮田

 大会屈指の好カードに注目が集まった中、迎えた第1ゲーム。なかなかリズムに乗ることができず0-4のストレートでゲームを落とす。苦笑いを浮かべたが、「とりあえず向かっていこうというマインドで」(宮田)と奮起すると、徐々に同志社ペースに流れが傾く。第2ゲーム、最初のポイントを宮田のボレーで得点。普段後衛の清水もバックボレーで続き、3ポイント目は黒坂のボレーミスで幸先よく3点をリードする。その後2点を追い上げられたが、片岡のアウトでゲームを奪取した。勢いに乗った清水と宮田は、ここから怒涛(どとう)の快進撃を見せる。「相手がロブで弱気になっていて、思ったより受けていた。僕がネットにべったりついてボールを狙うという戦術面を清水さんと話し合った」(宮田)。相手の隙を突き、第3ゲームから第5ゲームを連取。G4-1となり、勝利まであと1ゲームと王手をかけた。しかし、第6ゲームから王者が反撃を開始する。「4年生の意地みたいなのを感じて、弱さが出てしまった」(清水)と、清水のロブがアウトになると、宮田もレシーブでバックアウト。0-2から宮田のボレーが連続ミスになり0-4でこのゲームを奪われた。

(左から)清水、宮田

 立て続けにゲームを落とし、G4ー3まで追い上げられた清水と宮田。「ファイナルゲームに入ればどうしても相手のペースになる。G4-3の時点で決めようと話した」(清水)。「ファイナルゲームに行ったら負けると思っていたので、締めたいという気持ちが強かった」(宮田)。試合の命運を分ける分岐点となる第8ゲーム。ここで片岡・黒坂の意地が爆発する。1ポイント目と3ポイント目に片岡、黒坂のサービスエースがさく裂。レシーブの清水が一歩も動けない強烈なサーブに、場内は騒然。それでも「マッチの前のポイントをいい感じで取れた」(宮田)と1-2の場面で宮田もスマッシュ、ボレーの連続ポイントで応戦し、ついにマッチポイントを握る。しかし、「相手が結構振り切っていた」(宮田)と、黒坂のスマッシュが2人の間を切り裂く。デュースに突入したが、片岡のアウトでアドバンテージレシーバー。再びのマッチポイントで決め切りたいところだったが、清水のボールが浮きバックアウトに。再度デュースで、清水のフォアハンドとボレーがネットにかかるミスが響く。マッチポイントを2回しのがれ、勝負はファイナルゲームへ突入した。

 「たまたまうまくいっただけ。ファイナルも割り切ってやろう」(清水)。他コートで個人戦を終えた主将・長根新を中心にチームメートも声援を送り続ける中、運命のファイナルゲームが始まった。序盤、宮田のボレー、黒坂のバックアウトで2点をリードするも、4連続失点を喫しF2-4。F3-5から清水のサービスエース、宮田のボレーでF5-5まで追い上げる。互いに一歩も引くことはない。

 気持ちの余裕にもかかわる大事な6ポイント目。清水のストレートに強打したレシーブで3回目のマッチポイントをもぎ取ったが、しのがれる。デュース後は黒坂のワンマンショー。最後まで必死にボールを追ったが、ボレー、スマッシュと簡単に試合を締められた。2人は崩れ落ち、ぼう然と下を見つめた。

崩れ落ちた清水
敗戦後、下を向く宮田

 その後、片岡・黒坂は頂点に駆け上がり2年ぶりの優勝を遂げた。「団体で負けてしまったので、自分だけはチームとして1勝でも多く勝とうという気持ちだった」(清水)。優勝ペアを崖っぷちまで追い詰め、最後までチームのために力を出し切って戦った2人。6月の王座でも同ペアを苦しめた宮田は、「王座の時はスマッシュはたたけていたが、それに比べて今回は平面(ボレー)もついていけたと思う」と手ごたえを口にし、ペアとして成長を感じる試合にできた。

 今月末には秋季リーグ戦が行われる。春は直近で連覇したが、秋は2019年以来、優勝からは遠ざかる。今回のインカレで多くのドラマを見せてくれた長根新組。京都に戻り、西の雄復活へ再出発を図る。(矢部彩香)

 

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