2024日本学生スプリントトライアスロン選手権兼トライアスロン・チームタイムトライアル選手権大会
10月20日、渡良瀬遊水地(群馬県)にて2024日本学生スプリントトライアスロン選手権兼トライアスロン・チームタイムトライアル選手権大会が行われた。スプリント個人選手権には男子3名、女子2名が出場。個人オープンには男子11名、女子1名が参加。一方のチームタイムトライアル(以下、チームTT)には男女8チームがエントリー。1年間を締めくくる今大会を最高の形で終わらせるべく、練習の成果を最大限に発揮した。
男子選手権では大濱(商2)が39位(1:06:51)、春名(政2)が47位(1:08:51)、辻(経2)が48位(1:08:51)でゴール。春名が全体1位でスイムアップすると、その後すぐに大濱も2位、辻が4位と続く。全員がバイクに第1パックで入ったが、うまく軌道に乗れず他大学にリードを許す。その後も苦手とするランに苦しめられ、トップとの差を縮めることはできずレースを終えた。
スプリント男子オープンでは、前田(スポ4)が全体上位の4位でスイムアップすると、その後すぐに泉本(スポ1)も続いた。トップ集団のすぐ後を追う形でバイクに移った前田と泉本だったが、周を重ねるごとに第1パックとの差がみるみるうちに広がり、順位を落とす。そんな中でも、スイムアップ41位の横枕(経2)が他者を寄せ付けない驚異のスピードでコースを走り抜け、バイク終了時には8位につく。ランに入った後も、その速さを保ち続け、最終8位(1:06:06)でフィニッシュした。「想定とは違う戦い方となったが、トライアスロンとしてはすごく成長を感じられたレースになった」(横枕)。上位へのランクインに成功したことで、自信を得た横枕。今後の目標であるU23のエリートレースに参加し、結果を残すため、スイムの強化に励むと得意満面に話した。
一方、女子は選手権・オープンに計3名が出場。選手権では林田青(スポ1)が10位(1:12:19)、小泉(法3)が17位(1:19:16)、オープンでは松下(同女3)が6位(1:19:16)でフィニッシュした。「スイムから積極的に展開し、誰よりも楽しむレースにする」(林田青)。その言葉通り序盤から果敢に攻め、4位でスイムアップし順調にバイクに入った。バイクでもスピードを維持し続け、順位を大幅に落とすことなくランに移る。しかし、ランで優勢に進めることができず10位でのゴールとなった。
チームTT選手権には、男子からは平石(スポ3)、野田(スポ3)、岡田(M1)が、女子からは平井(M2)、尾崎(スポ3)、橋本(スポ3)が出場。男子選手権に当初出場予定であった林田悠(法3)がインカレでの落車により出場不可となり、補欠登録されていた野田が急きょ出場した。男子は立命大とほぼ同時にスイムアップし、バイクへ。バイク開始時には1位を追う第2パックへとつくが、徐々に第2パックとも差が開き始め、バイクを5位で終える。ランスタート時には5位だったが、ランを得意とする野田がリードし3位で(1:03:54)フィニッシュ。チーム全員で前を走る他の選手を追い越すためお互いに励まし合いながら、常に前を向いて走った選手たち。チームTTの醍醐味(だいごみ)であるいかなる時も3人全員でコースを駆け抜けるということを十分に楽しみ、3位という好成績を残した。女子は個々が見事な活躍を見せ、2位(1:11:41)でゴール。「(平井)紬希さんの学生ラストレースで一緒に出られるという喜びをかみ締めながら、とにかく楽しもうという思いで臨んだ」(尾崎)。平井と3人で出場できる最後の特別なレースだった。スイムは全員が同じタイミングで上がり、バイクへと移る。バイクでの東北大の追い上げに動揺が見えたがうまく立て直し、前に躍り出た。ランでも東北大と接戦になるが、レース終盤で突き放し、2位でフィニッシュ。平井とのラストレースを終え橋本は「楽しいよりはきつい部分もあったが、最終的に結局ゴールして楽しかったというのと、(平井)紬希さんを泣かせられたので、すごく良いレースだった」と満面の笑みで語った。
チームTTオープンには男子7チーム、女子1チームが出場。学年、選手、マネージャーの垣根をこえた普段とまた違ったレースが展開された。その中でも、男子からは「スマイルパーマ」(1:03:25)、女子からは「むらさきいも♡」(1:21:32)が2位に入賞。それぞれのチームが声を掛け合いながら、終始和気あいあいとした雰囲気で全チームが完走した。
スプリント・チームTTが行われた今大会を主将の橋本は「チームTTに楽しく出たり、それでもしっかり上を狙ったりといろんな人がいたんですけど、来年のスプリング選抜の権利も獲得できてチームとしてはすごく良い学生レースの締めくくりになった」と振り返る。この大会をもって1年間の長きにわたる橋本組は看板を下ろし、新たなチームへと思いは託された。「今年達成できなかった分を来年の幹部に託して、来年のインカレでは団体目標男女ともに達成ができるように上の学年としてサポートして成長していきたい」(橋本)。チームを再編成し、また新たなメンバーでこの地で栄冠を手にする日まで、歩みを止めることはない。(文責・堀早槻、撮影・金海彩夏)